9月です



鈴木ひとみのページです


 
       

 

     
 


 2016年9月1日更新
       Since July 2001

   

Welcome!

     
 
新しい情報です
新しい情報です
新しい情報です
   
   
   

   

 

 

 
           
                   
     


更新・お知らせ

 
 

 いつもありがとうございます

 あなたは、
   番目の
 おきゃくさまです。

 

お問合せ




MOVE東京 のホームページへ
 

              
「医学モデルから社会モデルへ」
〜障害者権利条約〜

社会モデルと聞いてもピンとこない人の方が多いと思う。
例えば、駅にエレベーターが無く階段だけの場合、車いすの人はそれを
利用できないことによって社会参加できないのは、個人の問題ではなく社会の側にある、ということ。
逆に「困難があっても、それを乗り越えるように本人が努力するものだ」
(?どうやって、車いすで階段を上がるのか?車いすから下りて床を這う???)これが医学モデルです。
日本が批准している障害者権利条約は、この社会モデルの考え方が反映されている。

怪我をした32年前は、医学モデルが主流だったように思う。
困難に打ち勝つ!は今でも大事なメンタリティーであるが、かなりの無茶なことでも、それを当然のことと、受け止めていた。
30年前のリハビリでは、階段を車椅子で下りる練習というのが実際にあった。もちろん、介助者無しの一人だ。
かなり怖い。階段の下りを前にして、車いすの前輪を上げて、後輪だけで、一段ずつゴトンゴトンと下りる。失敗すると後ろに転ぶか前から落ちる。
私は4段くらいの階段を成功させたことがあったが、今、思い出しても怖い。

入院していた病院で、職員の人たちが話して聞かせてくれたエピソードがある。エレベーターが故障していた時に、せき損の男性が自分の赤ちゃんをひざに乗せて、階段を3階から1階まで下りたという話し。せき損男性は階段を、車いすの後輪の2輪だけで下りる技?(しかも、車いすは前向きです。)もちろん、この人はスーパー車いす、ですが。これを病院関係者が美談で話すことに、その頃は何の違和感も覚えなかった。
たまたま階段から落ちなかっただけで・・・。

これは当事者もしくはそれに関わっている人しか分かりにくいが、せき損の中に見えないヒエラルキーがあって、状態が良く(障害が軽い)颯爽と動く上、手のかからない患者がそのトップにいた。

社会の困難は自分が克服するもの、という意識があった。努力することは今でも大事だが、自分の出来るゴール以上を期待されることは、かなりの重荷だった。それを肌で感じる障害当事者は、それが可能な障害者なら鼻高々ではあるが、絶対できない重度の障害者はドロップアウトしたような気持ちになった。すねたり、ひねくれたり、怒ったりは、まだ救いのある状態だ。余力が残っている証拠だから。ある10代の男性がいた。その人はプールの飛び込みでケイヅイを損傷して、下半身が動かないうえに、上肢も動くところが少なかった。その彼はいつも笑っていた。その笑顔は諦念そのもので哀しそうだった。怪我で障がいをもったショックの次に、こんな世界があるのかと、二重に事故にあったようなものだ。

本人に努力を求められるという時代では、こんなことが話題に上がった。
車いすで和式トイレをどうやって使うかを真剣に議論していた。また、バス(3段くらい上って乗る従来のバス)に、車いすから下りて、手だけで床にお尻をついて乗ったという人の話しが賞賛された。今、思うと痛い気持ちになる。
その苦労で得られたものも、きっと有るに違いないだろう。しかし「健常者のごく当たり前の設備を変えずに、自分の持てる力の150%出してでも、社会の中で生きていくことを求められた時代」はすでに終わり、医学モデルから社会モデルへと世の中が認めてくれるようになった。
声高に権利の主張などするつもりは全くない。しかし、出来ないことを出来ないと言っても構わない世界は、本当に有難い。

出来ないと言う勇気がなかった弱い私、人から良く思われたいと八方美人でいた私と決別するには、あまりにも長い間の刷り込みがあって、理屈と自分の中の旧態依然の思い込みとが、簡単には一致しにくい。
それでも確実に良い時代になったのだ。

(*この4月に「障害者差別解消法」が施行されました。その中に
「合理的配慮の提供義務」があります。)

 

ススキのイラスト

       
         
鈴木ひとみ  
       
       

ページのトップへ
 
     
           
       
             
       
  前回のホームへ