小倉貴久子×大井 浩明

当プロジェクトは事情によりシリーズ全3回にて閉幕いたしました。

↓シリーズ第1回目公演の曲目詳細や当日のアンケート集などを紹介しています↓

小倉貴久子×大井浩明
モーツァルト クラヴィア協奏曲 2台のフォルテピアノによる全曲プロジェクト
《第1回》

二台のフォルテピアノが斬り結ぶ、スリリングな新地平!
モーツァルト全ての粋が詰まったクラヴィア協奏曲 全21曲演奏プロジェクト、
ここに始動!!

小倉貴久子×大井浩明第1回 チラシ


 コンサートで実際に作品を耳にする機会が遥かに少なかった18〜19世紀には、協奏曲演奏の最もコンパクトな形態、すなわち2台のフォルテピアノによるアレンジで楽しむのが一般的であった。本シリーズでは、モーツァルト全作品の中でも屈指の傑作群であるクラヴィア協奏曲のうち、2台あるいは3台のクラヴィアのための作品を除く全21曲を、当時のフォルテピアノ2台(アントン・ヴァルターならびにアンドレアス・シュタイン)を用いて、作曲順に系統立てて聞き進めてゆく。会場は、フランク・ロイド・ライト設計により大正10年に建てられた、自由学園明日館(重要文化財)。
 クラヴィア独奏は、国際的なフォルテピアノ奏者、かつ日本を代表するモーツァルト弾きであり、東京藝術大学でも教鞭を執る小倉貴久子。一方、管弦楽部分を第2クラヴィアで担当する大井浩明は、現代音楽分野での活躍とともに、近年は古楽器によるバッハやベートーヴェンのディスクで注目を集めている。彼らの際立った個性により、大編成のオーケストラでは実現し得ない、声部間の親密な対話や斬新なソノリティも期待される。
 第一回公演では、モーツァルト20代の快進撃の嚆矢とされる初期の代表作《ジュノム》(協奏曲第9番K.271)、ならびにその直前に書かれた協奏曲第5番K.175、第6番K.238、第8番K.246《リュッツォウ》を取り上げる。
 以降の公演日程は、概ね三ヶ月ごと各季に、第二回 No.11+12+13+14、第三回 No.15+16+17+18 、第四回 No.19+20+21 、第五回 No.22+23+24 、最終回 No.25+26+27を予定している。お聞き逃し無く!!


《第1回》

2010年3月18日(木) 18:30開演(18:00開場)

重要文化財 自由学園明日館 講堂

[シリーズ第1回は終了しました。]

W.A.モーツァルト (2台のフォルテピアノによる編曲版)
クラヴィア協奏曲 第5番 ニ長調 K.175 (1773)
クラヴィア協奏曲 第6番 変ロ長調 K.238 (1776)
クラヴィア協奏曲 第8番 ハ長調 K.246 《リュッツォウ Luezow》 (1776)
クラヴィア協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271 《ジュノム Jeunehomme》 (1777)

[使用楽器]
クリス・マーネ製作(アントン・ヴァルター 1795年のレプリカ)[詳細]
T.&F.ウルフ製作(アンドレアス・シュタイン/ルイ・デュルケン 1780年代のレプリカ)[詳細]
[協力] 梅岡楽器サービス


練習風景 3/16


3/18 当日のゲネプロ

[2010年3月18日に行われた第1回目のお客さまアンケートより]
ありがとうございました!
「丁丁発止というか電光石火というか、花火が見える感じで、そうかと思うと優しい風がふわっと入ってきたり、とにかく感動しました!」

「普段聴いている曲が全く異なる雰囲気で聴け、大変面白かったです。心の中ではオーケストラの音を聴いていたような気がします」

「一度訪れてみたかった明日館で素晴らしいコンサート、本当に幸せな時間を過ごしました。フォルテピアノの繊細な音、楽しく弾み、かけ回るようなモーツァルト。こういう曲だったのだなと久しぶりに演奏を聴いてドキドキしました。次回もぜひ来たいと思います。」

「...ザルツブルク時代がこんなにハツラツとした作曲が出来る生活の場でも有ったのかァ〜と新鮮な発見?をした氣分です。次回も楽しみにしています!!...」

「湧きあがるさわやかな元気、楽しさと喜びに満ち、モーツァルトのいたずらっぽい眼差し、後半には悲しみや不安の影も見える、とても繊細さと活気にあふれた心おどる演奏であった。素晴らしかった。」

「こんな楽器が日本に有って、こんなにも弾ける演奏家が居ること。ロマン派風でないモーツァルト万歳!」

「2台のピアノによるP協を演奏という試みで、私などにとり新しい体験でした。とくにNo.9は曲の充実もあり、名演奏と感銘を深くしました。次回以降が楽しみです。」

「幸せ一杯のコンサートありがとうございました。全曲Projectをぜひとも成功させて下さい。応援しています。体に十分氣をつけて下さい。」

心地よくかつ刺激的で、若いモーツァルトに独特の溌剌とした明るさが横溢した演奏会でした。使用楽器はソロパートを弾く小倉はヴァルター製作の、オケパートを弾く大井はシュタイン製作の、それぞれコピーですが、それぞれの個性がはっきりと浮き立つものでした。 小倉の使ったヴァルターモデルは、細身で可憐で華麗な音を持ち、音量はことさらに際立つほど大きくはなくとも、遠くまでよく通ります。片や大井の使用したシュタインモデルは、オーケストラパートを再現するにふさわしく重厚で重量感と深みのある音色(これは両楽器が持たれている一般的なイメージとは逆ですか?)。同じパッセージの掛け合いであっても、容易に聞き分けることができます。...今日聴いていてとても印象に残ったことは、とにかく「空気がよく響く・音の粒がよく飛んでくる」ということ。絶対的な音量幅は決して大きくないはずのに、とても大きな差があるように感じるのです。それはピアノとフォルテの音色がはっきり変わるからなのでしょうか。消え入らんばかりのピアニシモや、爆音が轟くような瞬間は全くないのに、まるで火が消えるようになったり、雷が落ちたようなスフォルツァンドが聞こえてくるのです。聴き手の想像力を刺激し、その想像力が自分の心から大空へと羽ばたいてゆくことを邪魔しない心地よさがあるのです。」

「絶妙のボケ&ツッコミ・コンビによるモーツァルトのピアノ協奏曲の2台ピアノ版だった。つねに前のめり気味に飛ばす小倉さんと、どうどうとなだめたり、はいど〜ぞ!とキューを送る大井さん、というところか。次回以降も楽しみ。

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↓シリーズ第2回目公演の曲目詳細や当日のアンケート集などを紹介しています↓

小倉貴久子×大井浩明
モーツァルト クラヴィア協奏曲 2台のフォルテピアノによる全曲プロジェクト
《第2回》

二台のフォルテピアノが斬り結ぶ スリリングな新地平!
モーツァルト全ての粋が詰まったクラヴィア協奏曲 全21曲演奏プロジェクト 注目の第2回公演!!

小倉貴久子×大井浩明第2回 チラシ


 コンサートで実際に作品を耳にする機会が遥かに少なかった18〜19世紀には、協奏曲演奏の最もコンパクトな形態、すなわち2台のフォルテピアノによるアレンジで楽しむのが一般的であった。本シリーズでは、モーツァルト全作品の中でも屈指の傑作群であるクラヴィア協奏曲のうち、2台あるいは3台のクラヴィアのための作品を除く全21曲を、当時のフォルテピアノ2台(アントン・ヴァルターならびにアンドレアス・シュタイン)を用いて、作曲順に系統立てて聞き進めてゆく。会場は、フランク・ロイド・ライト設計により大正10年に建てられた、自由学園明日館(重要文化財)。
 クラヴィア独奏は、世界的なフォルテピアノ奏者であり、天衣無縫なモーツァルト解釈にも定評がある小倉貴久子。一方、管弦楽部分を第2クラヴィアで担当する大井浩明は、現代音楽分野での活躍とともに、近年は古楽器によるバッハやベートーヴェンのディスクで注目を集めている。
 今年3月18日に開催された第一回公演では、モーツァルト20代の快進撃の嚆矢とされる初期の代表作《ジュノム》(協奏曲第9番K.271)、ならびにその直前に書かれた協奏曲第5番K.175、第6番K.238、第8番K.246《リュッツォウ》、そしてアンコールとして第5番終楽章異稿であるニ長調ロンドK.382を取り上げ、詰め掛けたモーツァルティーアンを唸らせた。その熱狂的な反響については、下記第1回当日アンケート集成を是非御覧頂きたい。
 マンハイムでの失意、パリでの母との死別など、人生の苦渋も舐め一際逞しく成長した青年作曲家モーツァルトが、ついに生地ザルツブルクを飛び出し、ウィーンで一旗あげるべく真っ先に書き下ろしたのが、第11番〜第13番の3曲セットの協奏曲であった。本公演では、「豊饒の年」1784年の劈頭を飾る第14番変ホ長調を加えた計4曲を一挙に演奏する。お聞き逃し無く!!


《第2回》

2010年7月27日(火) 18:30開演(18:00開場)

重要文化財 自由学園明日館 講堂

[シリーズ第2回は終了しました。]

W.A.モーツァルト (2台のフォルテピアノによる編曲版)
クラヴィア協奏曲 第11番 ヘ長調 K.413 (1782 o 83)
クラヴィア協奏曲 第12番 イ長調 K.414 (1782)
クラヴィア協奏曲 第13番 ハ長調 K.415 (1782〜83)
クラヴィア協奏曲 第14番 変ホ長調 K.449 (1784)

[使用楽器]
クリス・マーネ製作(アントン・ヴァルター 1795年のレプリカ)[詳細]
T.&F.ウルフ製作(アンドレアス・シュタイン/ルイ・デュルケン 1780年代のレプリカ)[詳細]
[協力] 梅岡楽器サービス

[2010年7月27日に行われた第2回目のお客さまアンケートより]
ありがとうございました!
「まさに18,9世紀の貴族のサロンコンサートにいるような感がしました。身近に聴いたフォルテピアノの繊細かつ典雅な響きもすばらしかったです。このユニークで貴重な企画のこれからが本当に楽しみです。私が特に聴く機会が多い15番以降がどんな演奏になるか、新鮮で驚きの期待があります。会場の選定も美事です。本日は素晴らしいひと時を有難とうございました。」

「今日は本当に楽しみにして来ました。こんな素敵な時間、極上な演奏があるまんて今まで知りませんでした。こんなデリカシーと気負いのなさ心がそのまま音になった様でMozartというのさえ忘れてしまいそうでした。ずっと聴いていたいと思ってひたらせて頂きました。」

「現行クラシックをひと皮むくと、こんな素晴らしい音楽そのものが現れた。ロマン派風の解釈を起越して音楽そのものに出合うことができた、という思いがする。非常に満足です。」

「(前回もでしたが)2台のフォルテピアノそれぞれの個性を活かし、協奏曲の真価を引き出す見事さに脱帽です。特に作品4のソロがこれほどモーツァルトらしい主張を失っていないものだと教えて頂ける貴重な機会となりました。14番は名曲ですね!次もまた心から楽しみにさせて頂きます。息の合わせ方も素晴らしいと存じます。」

「企画の意欲に感激、奏者の力量に感銘。完走に期待。」

「信じられないくらい素晴らしかった。ありがとうございます。」

「普段あまり聴く機会のない曲が聴けてよかったです。改めてモーツァルトの天賦の才を確認できました。お二人は息が合っているものの、体格、弾いている時の表現が対照的でした。機会があればまた来ます。」

「・・・しかし、前回とほぼ同じ位置で聴いた今日は、前回のように音の粒がホールにまき散らされるというよりは、楽器のボディ全体の振動がホールに満ち、迫力ある音像となっていた。 また、大井の弾くシュタインが深い音色はそのままに華麗さを加え、小倉のヴァルターは(もともと持っている)独特の少し鼻にかかったようなやわらかな音色がさらに際立つ。その様々な音色が無限に組み合わせを変えつつ、モーツァルトの音楽に肉薄した。
モーツァルトの音楽はもともと、ある決まった時間の中に詰め込まれている情報の量がとても多い。音楽の急激な変化や、フレーズそのものの展開のスピードも並外れている。特にこの頃の作品にはそれがとても顕著に現れ、聴き手の予想を裏切りながら疾走してゆく。 その音楽を再現するために、演奏家の理性は、その瞬間瞬間に対する反応とともに、その先をも見据えて走り続けなければならないのだが、それが今日の繊細な変化を多く持った前半2曲では少し後手に回っていたかもしれず、ために音楽の変わり身に身体のコントロールが追いつかないように聞こえた瞬間があった。もちろんこれは、音をはずすとかいう些末なことを言っているのではない。弾き手のイメージの展開が少しだけ音楽のスピードに追いつかないということだ。しかし作品の様相が大きく懐が広くなった後半の2曲では、演奏の焦点も定まり、素晴らしい演奏だった。
それにしても、モーツァルトはすごい。 あらためてそう感じさせてくれる演奏会だった。」

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↓シリーズ第3回目公演の曲目詳細や当日のアンケート集などを紹介しています↓

小倉貴久子×大井浩明
モーツァルト クラヴィア協奏曲 2台のフォルテピアノによる全曲プロジェクト
《第3回》

二台のフォルテピアノが斬り結ぶ スリリングな新地平!
モーツァルト全ての粋が詰まったクラヴィア協奏曲 全21曲演奏プロジェクト 注目の第3回公演!!


 コンサートで実際に作品を耳にする機会が遥かに少なかった18〜19世紀には、協奏曲演奏の最もコンパクトな形態、すなわち2台のフォルテピアノによるアレンジで楽しむのが一般的であった。本シリーズでは、モーツァルト全作品の中でも屈指の傑作群であるクラヴィア協奏曲のうち、2台あるいは3台のクラヴィアのための作品を除く全21曲を、当時のフォルテピアノ2台(アントン・ヴァルターならびにアンドレアス・シュタイン)を用いて、作曲順に系統立てて聞き進めてゆく。会場は、フランク・ロイド・ライト設計により大正10年に建てられた、自由学園明日館(重要文化財)。
 クラヴィア独奏は、世界的なフォルテピアノ奏者であり、天衣無縫なモーツァルト解釈にも定評がある小倉貴久子。一方、管弦楽部分を第2クラヴィアで担当する大井浩明は、現代音楽分野での活躍とともに、近年は古楽器によるバッハやベートーヴェンのディスクで注目を集めている。
 シリーズ第一回公演(3月18日)と第ニ回公演(7月27日)では、協奏曲第5番から第14番までの8曲、ならびにアンコールとしてロンド ニ長調 K.382や協奏曲第7番《ロドロン》の2台クラヴィア用編曲を取り上げ、詰め掛けたモーツァルティアンを唸らせた。その熱狂的な反響については、下記当日アンケート集成を是非御覧頂きたい。
 帝都ウィーンでの確かな手応えを感じた28歳のモーツァルトは、自作の目録を作り始める。その冒頭を飾るのが、この年(1784年)に立て続けに作曲された6つのクラヴィア協奏曲である。父親への手紙でも、誇らしげに自信の程を繰り返しもらしているのも頷ける。いずれも力作の4曲をお届けする。お聞き逃し無く!!


《第3回》

2011年1月13日(木) 18:30開演(18:00開場)

重要文化財 自由学園明日館 講堂

[シリーズ第3回は終了しました。]

W.A.モーツァルト (2台のフォルテピアノによる編曲版)
クラヴィア協奏曲 第15番 変ロ長調 K.450 (1784)
クラヴィア協奏曲 第16番 ニ長調 K.451 (1784)
クラヴィア協奏曲 第17番 ト長調 K.453「第2プロイヤー」
(1784)
クラヴィア協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456 (1784)

《楽曲解説》

[使用楽器]
クリス・マーネ製作(Anton Walter 1795年のレプリカ)[詳細]
太田垣 至製作(Johann Lodewijk Dulcken 1795年のレプリカ)[詳細]
[協力] 太田垣 至

小さなお子さまの入場はご遠慮ください。

[会場]
重要文化財 自由学園明日館 講堂
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-31-3 TET:03-3971-7535
JR池袋駅メトロポリタン口より徒歩5分、JR目白駅より徒歩7分
*駐車場はありません。
http://www.jiyu.jp

[2011年1月13日に行われた第3回目のお客さまアンケートより]
ありがとうございました!

「古楽器のピアノの典雅な音をサロンのような小さなホールで間近に聴く事ができ、素晴らしいひとときでした。オーケストレーションの妙がよくわかる素晴らしい演奏でした。次回もぜひききたいです。」

「今晩も18世紀の貴族のサロンコンサートを思わせる、ぜい沢で豊かなひと時を楽しませていただきました。青年モーツァルトの充実の年、華やぎと自信に満ちた美しいメロディーが一杯のコンチェルト4曲を心から嬉しく聴かせていただきました。」

「素敵な会場に繊細なフォルテピアノ。音の粒が飛びかっていました。お二人の演奏、今日も素敵でした。有難とうございました。」

「1+1=2でなく1+1=1という言葉にならない見事なアンサンブル!!モーツァルトの音楽宇宙に引き込まれました。御二人の卓越した技術と音楽性があってのこと、心から感謝いたします。...」

「とくに16番のひびきに感激した。いままできいたことのない音だった。この明日館いいですね。フォルテピアノやチェンバロをたのしむのに最高です。」

「リアリティーのあるバロック。二人のピアニストのために二台のフォルテピアノに編曲して、いま東京で再構造化されたバロック。我々日本人にとって必然性のある、嘘っぽくない、とても納得のいくバロックでした。」

「清澄な響きの続く中で天聳る17番が圧倒的な面白さである。転調の興趣は筆舌いたし難い。名曲のオケとソロの対比が、一層明確になり、新しい発見があった。4曲共モーツァルトの光と蔭がくっきりと表現されていたように思う。演奏者の表情を間近に聴くことができる至福の刻であった。」

「4曲とも過去に何度も聴いたことがあり、良く知っているはずの曲なのに、全く新しい「音楽」を聴いたような気になりましたが、考えてみると、いつもはピアノと管弦楽の実に多種多様な音色を楽しんでいるのに、今回はフォルテピアノの音色ひとつ(もちろんそれにもいろいろな音色の変化があるわけですが)で聴いたことが大きく、これらの曲の今まで知らなかったところにふれたような気がしました。つまりあまり良いたとえではないかも知れませんが、色彩豊かな絵画を、白黒の墨絵で見たことになぞらえても良いのかもしれません。つまり管弦楽のきらびやかな色彩に目が(耳が?)くらんでいたところが、フォルテピアノだけの音色に一元化され、浄化されて、今まで見えなかった(聴こえなかった)ところが見える(聴こえるようになったのではないかと思います。全く新鮮な経験でした。 」

《「東京人」2011年4月号、川本三郎さんの「東京つれづれ日誌 10」から》
 ・・・
 この一月、池袋の自由学園明日館の講堂で開かれたコンサートに出かけた。小倉貴久子と、同じくフォルテ・ピアノの大井浩明とのモーツァルトのクラヴィア協奏曲四曲。大井浩明さんのほうがピアノでオーケストラ部分を担当する。面白い試み。
 柔らかく、繊細で、のびのびとした実に素晴らしい演奏。明日館という小さな会場もこの演奏に合っていた。会場で、音楽ものの出版で知られるアルテスパブリッシングのKさんとばったり。思わず「いままで聞いたモーツァルトでいちばんです」と言ってしまう。
 小倉貴久子さんはモーツァルトの協奏曲全二十一曲をフォルテ・ピアノで演奏する予定。この日はそのプロジェクトの三回目。これからが楽しみ。
 ・・・

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大井 浩明 Hiroaki OOI /フォルテピアノ
 京都市生まれ、同地に育つ。独学でピアノを始めたのち、スイス連邦政府給費留学生ならびに文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルン芸術大学(スイス)に留学、ブルーノ・カニーノにピアノと室内楽を師事。同芸大大学院ピアノ科ソリストディプロマ課程修了。また、チェンバロと通奏低音をディルク・ベルナーに師事、同大学院古楽部門コンツェルトディプロマ課程も修了した。アンドラーシュ・シフ、ラーザリ・ベルマン、ロバート・レヴィン(以上ピアノ)、ルイジ・フェルディナンド・タリアヴィーニ(バロック・オルガン)、ミクローシュ・シュパーニ(クラヴィコード)等の講習会を受講。
 第30回ガウデアムス国際現代音楽演奏コンクール(1996/ロッテルダム)、第1回メシアン国際ピアノコンクール(2000/パリ)に入賞。第3回朝日現代音楽賞(1993)、第11回アリオン賞奨励賞(1994)、第4回青山音楽賞(1995)、第9回村松賞(1996)、第11回出光音楽賞(2001)、第15回日本文化藝術奨励賞(2007)等を受賞。
 これまでにNHK交響楽団、新日本フィル、東京都交響楽団、東京シティ・フィル、仙台フィル、京都市交響楽団等のほか、ヨーロッパではバイエルン放送交響楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(パリ)、ASKOアンサンブル(アムステルダム)、ドイツ・カンマーオーケストラ(ベルリン)、ベルン交響楽団等と共演。「ヴェネツィア・ビエンナーレ」「アヴィニョン・フェスティヴァル」「MUSICA VIVA」「ハノーファー・ビエンナーレ」「パンミュージック・フェスティヴァル(韓国・ソウル)」「November Music Festival(ベルギー・オランダ)」等の音楽祭に出演。仏TIMPANIレーベルでの『クセナキス管弦楽全集』シリーズには2002年から参加、アルトゥーロ・タマヨ指揮ルクセンブルク・フィルと共演したCD《シナファイ》はベストセラーとなり、ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジック“CHOC”グランプリを受賞した。2004年秋には第2協奏曲《エリフソン》世界初録音が同レーベルからリリースされた。
 近年は歴史的鍵盤楽器による古楽演奏にも力を入れ、初期バロック音楽を中心としたチェンバロ・リサイタル、委嘱新作を含むオルガン・リサイタル、《平均律第1巻》《同第2巻》《フーガの技法》全曲によるクラヴィコード・リサイタル、モーツァルト・クラヴィアソナタ全17曲によるフォルテピアノ・リサイタル等を行っている。 2006年秋には、日本モーツァルト協会例会にて寺神戸亮指揮レ・ボレアード(古楽器オーケストラ)とフォルテピアノで協奏曲(KV453)を共演すると同時に、グラスハーモニカ作品(KV356/KV617)もオリジナル楽器(Finkenbeiner, 430Hz)で紹介、その成果により第61回文化庁芸術祭新人賞を受賞した。2008年〜2009年シーズンには、ベートーヴェン:クラヴィアソナタ全32曲ならびにリスト編交響曲全9曲を、時代順様式別の9種類のフォルテピアノで弾き分けるシリーズ(全13公演)を開催、NHK-BS等で紹介された他、ライヴ盤はENZO/King Internationalレーベルから順次リリースされており、またi-Tunes Storeでも公開中である。
ooipiano.exblog.jp/
小倉貴久子 Kikuko OGURA /フォルテピアノ
東京芸術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院を、特別栄誉賞"Cum Laude"を得て首席卒業。1988年、第3回日本モーツァルト音楽コンクール、ピアノ部門で第1位を受賞。1993年、ブルージュ国際古楽コンクール、アンサンブル部門で第1位を受賞。1995年には同コンクール、フォルテピアノ部門で9年ぶり史上3人目の第1位と聴衆賞を受賞し話題を呼んだ。帰国後は、各回ごとにテーマを定めた室内楽演奏会『音楽の玉手箱』や『ベートーヴェンをめぐる女性たち』、『モーツァルトの生きた時代』などのユニークなコンサートシリーズを展開する一方、ソロ、室内楽、協奏曲などバロックから近現代まで幅広いレパートリーで活躍。また各ホール主催演奏会や音楽祭、ラジオ、TVの出演や録音も多い。これまでにCDを20点以上リリース。浜松市楽器博物館コレクションシリーズ15 CD『月光/春』は朝日新聞、毎日新聞、音楽現代推薦盤に選ばれ、他コレクションシリーズも、注目を集めている。『月光〜幻想曲風ソナタ/クラヴィーア作品集』、『コジェルフ クラヴィーア作品集』『ソナチネ・アルバム』『麗しきメンデルスゾーン〜歌の翼に〜』『ジュスティーニ/12のソナタ集』及び『夢〜トロイメライ〜』は「レコード芸術」誌の特選盤となった。著書にカラー図解『ピアノの歴史(CD付き)』(河出書房新社)。東京芸術大学古楽科にてフォルテピアノの非常勤講師を勤めている。

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