こみっくに見るダーティヒロインたち(1)

 

  斎藤環によれば、戦闘美少女の嚆矢(はしり
)
として石ノ森章太郎の「サイボーグ009」「009ノ1」が挙げられるそうである
(太田出版「戦闘美少女の精神分析」)。
私も彼のアダルトっぽい嗜虐的な一連の闘争漫画(くノ一の出る時代捕り物もあった)がもの珍しく、
楽しく読んだ覚えがあるけれど、今どうか、といえばちょっと読み返す気にはなれない。
いや、誤解しないで欲しい。彼の作品群の偉大さ(そして先進性)を過小評価する気はさらさらないし、
それらが手元にあれば、そして若し他に見るものがなくててもちぶたさだったら、
やはり表紙を開いているだろう。でも、実際、彼よりももっと見たい漫画は、
今沢山あるし、どれを見ようかと迷うほどだ。

  日本の大衆文化、とりわけ漫画はあの頃から質量ともに発展拡大の一途を辿ってきた。
多様化、分化はその必然的な結果だろう。様々な才能がこのジャンルに参入して力を尽くし、
競いあった結果としての今日の漫画大国日本があるわけで,つまり、
石ノ森章太郎以外にも私達を存分に楽しませてくれる天才たちが漫画界には多数輩出したということ。
石ノ森の絵は今も私には魅力的だけれど、もっと(違った)魅力的な絵柄が沢山現れたということだ。
いい時代になったものだと思う。そんな文化を享受しない手はない。
大体、漫画という娯楽費は安いし、時間もとらない。
コストで言えば封切り館で話題の映画を見る間に新刊のコミックスを四冊(弱)読める。
いまはやりのリサイクル古書店へ行けば、もっと安く、比較的最近のものが手にはいる。
だから、手当たり次第というほどでもないけれど、丸ビの私も結構読んで、楽しんできた。

  そんなビビッドな体験を語って、私の私的漫画論みたいなものが書けたら、
と思うのだけれど、私自身日本の漫画全部を網羅する
(膨大な数の漫画が出版されているし)にはほど遠い、わずかな読書経験しか持たないし、
系譜などという時系列に並べる手間も煩わしい。
大体が激しい偏狭趣味で、見たいものしか見ないから、一般論なんか書けるはずもないのだけれど、
ここは勝手きままにそのすじの、私が読んで何らかの刺激を受けた漫画を列挙するという、
極めて杜撰(ずさん)で個人的な体験を語ることになると思う。

  アニメは私には別世界(例外あり)で、幸い首記の斎藤環のもの
(「戦闘美少女の系譜−戦闘美少女の精神分析第5章」)がアニメ中心なので、
殊更にそれを避けないでも、重複することはないだろう。
(思うに、彼がスポットをあてたかったのは「おたく」であり、
美少女には滅法強くても、セクシーな美女には[気後れして?]近付かないでおこうと心に決めた気配がある。
表向きの理由としては、余りに常識的、通俗的だから、”精神分析”なんか必要ない、
と考えたからだというのが一般的か。ちなみに、私はこだわらない。
極めて通俗的、卑俗的、俗物的?にいこうと思う。ま、こんなことをくだくだ言うのはいかにも弁解臭いが)

 「さそり」篠原とおる小学館SVコミックシリーズ(1)

  男が主役と決まっていたアクション、犯罪ものに美女を登場させてメジャーになったのは、
やはり「さそり」篠原とおる(私の蔵書の版−以下略−は小学館SVコミックシリーズ3巻もの)だろうか。
これは何度も映画化されたし、最も有名なコミックヒロインのひとりだろう。
刑事だった恋人に裏切られ、道具として使われ、結果としてギャング一味に捉えられ、犯された。
その男への恨み、人間不信など深い心の傷を癒すべく、裏切った男を執拗に追い続け、
刺し、死なせきれずに司直の手で刑務所に収監され、なお恨みを忘れず、
脱走を計って男を追う執念の女(いや、女だからこそ、こんな設定がさほど異様でもなく許されもするのだろう)松島ナミ。
しっかりした状況設定、人間の内面を含めた細密な描写、
更に主な舞台となった女性刑務所内部のリアルな書き込みなど、これはやはり傑作だと思う。
かなりの長編だけれど、中だれもなく、全体としてよくまとまった、というより、
長さ自身がこの作品を重いものにしている珍しい例だ。
何度も映画の原作に取り上げられる理由だろう。もちろんセクシー度も含め、
原作を超える魅力のある映画はまだ現れていない
〔全部を見ないで決めつけるのは乱暴だけれど、あのキャラクターを具現する日本の女優は、
過去現在を問わずいない(かった)のではないか。癖のあるグラマー美女で、アクションも出来るアクトレス〕。

 「修羅雪姫」上村一夫小池一夫竹書房ピカレスクシリーズ(一乃巻)

  戦う美女のひとつのパターンとしてある、怨念をばねにして、
その復讐のために犯罪を重ねるという部類の古典的な秀作は「修羅雪姫」上村一夫・小池一夫原作
(竹書房ピカレスクシリーズ全5巻)だろう。
母が負った怨念を、その刑務所内で生まれたヒロインが一身に受け継ぎ、仇を求めて殺人を重ねる。
明治時代初頭を舞台にした、絵師と自称する上村のひとつの様式美を確立したとすら言える絵柄、
人物像、丹念な背景描写、スピードのあるアクションなど、表題の巧みさ凝りようとともに特異な作品として印象深い。
原作も冴えて、しっかりした筋立て、小池一夫好みのエロチックな状況設定、
責め場の多さなどは私の好みにも合致した楽しい作品だった。ただ個人的に難を言えば、
ヒロインのヌードは浮世絵の流れを払拭されてはいず、記号の範囲を超えていない。
これはこれでファンもいるのかもしれないが、私の好みではない。
もっと魅力的な裸も絵師上村一夫には描けるはずだ。

 「人魚伝説」宮谷一彦竹書房バンブーコミックス(上巻)裏表紙

  もうひとつ、怨念の女。「人魚伝説」宮谷一彦,竹書房バンブーコミックス上下2巻A5版。
海女を主人公とするミステリー、エロチック漫画(劇画)はこれを以って空前絶後とするのではないか。
漁場の近くに発電所が建設されることに反対していた漁師の家の当主が、
その建設で利益を得る企業家、やくざ一味の陰謀から謀殺される。
その恋女房だった美人海女も巻き添えになって、死ぬところを生き延び、その事実を知った。
執念の鬼となった海女は半ば狂ってその黒幕に敢然と立ち向かい、
仇敵の組織の一味の一人、また一人と復讐殺人を繰り返していく。
ひとつのクライマックスである、大型クルーザー上での殺戮劇は余り例を見ない惨鼻なシーンとして記憶に生々しい。
作者独特の味わいのある語り口、癖のある絵柄はひとつの濃密な観念世界を作るのに成功した。
余談だが、これはATG、白都真理主演で映画化され、
滅多に映画など見ない私も劇場へ行った(59年爽春封切りとあるから十七年前か)。
例によって漫画の足もとにも及ばない(エロチックな面でも、その制作精神の貧しさからも)と見た。

 「今日子」池上遼一家田荘子ビッグSコミックス(1)

  時代は下るが、怨念の女、復讐行のパターンとして特異な例に「今日子」
池上遼一画・家田荘子作(小学館ビッグSコミっクス全2巻)がある。
婚約者の目前で暴漢達に輪姦されたヒロイン今日子が、自分を救ってくれた米軍将校の暗殺に出食わし、
その謎解きと復讐のためにアメリカに渡り、アーミーに入隊し、特殊訓練を受けて殺人技術を身につけ、
恋人の復讐を果たす。
このジャンルの漫画としては珍しいリアリズム(家田荘子がよく調べて現実感を出している)
で最後まで貫かれて、読者を納得させる。池上遼一の絵柄ともよく合致した中編の佳作だ。

  いわゆる劇画といわれるジャンルでは、池上遼一の絵は最高位にランクづけて良いと思う。
どれほどの時間を一カットに掛けるのか知らないが、小さなカット一つからすらも、
読み飛ばすのがもったいないほどの迫力が伝わってくる。女は美しいし、色気もある。
美女を描かせて、私の好みで勝手に言えば、この他には松森正、松久由宇などが最高だと思う。
好きな絵柄は他にも沢山あるが、書き切れない。

 「哀シャドー」平野仁工藤かずやリイド社SPコミックス(2)

  「修羅雪姫」には職業としての請負い殺し屋の面があるが
そんな異様な仕事が、果たして世に存在するか、存在したとしてもよほどの事情、
動機を書き込まなければ現実から浮いたものになってしまうことは避けられまい。
見ごたえのある作品はそのあたりをよく押さえて、ともかく納得させてしまう状況をつくるわけだ。
「哀シャドー」平野仁・工藤かずや原案(リイド社SPコミックス全3巻)では
諸橋悦子という財産家の妻が義理の弟の陰謀で夫を殺され、
自身も夫殺しの濡れ衣を着せられて死刑になるが、裏機関に拾われて整形を施し、
別人に生まれ変わって女殺し屋に変身する。しかし過去の自分を捨て切れず、
自分を罠にかけた人間を追い求める。スケールの大きなハードボイルド、
推理ドラマ仕立てになって、最後まで興味を引っ張っていく。
圧巻は、やはり二巻の「タイトロープ」。捕らえられたヒロインが拷問、輪姦に屈することなく、
冬の監禁別荘を全裸のまま逃げだし、様々な危機を自力で乗り越えて生還するスリルに満ちた、
エロチックな部分だろう。不幸なヒロインへの感情移入は、
やはりそれへ至る過程でどれほど彼女をリアルに、合理的に肉付け出来たかどうかできまってしまうものだ。
平野仁の絵柄はとかくどぎつくなりがちだけれど、
ヒロインの性格や切迫した心理が丁寧に描き込まれたこの作品は、彼の作風が見事に生かされた例だと思う。

 スタジオシップ劇画キングシリーズ(4)

  さて、数多い女殺し屋たちを網羅するだけの体力も知識も、私にはないけれど、
順不動で出来るだけ読んだものを全部挙げてみたい。「木曜日のリカ」松森正・小池一雄原作(ひばり書房5巻)
ノーベル殺人賞金メダリストというふざけた肩書きを持つ美木本リカを主人公にしたアクション漫画。
例によってヒロインはテレビタレントになったり、一介の女子高校生になったり、
国際スパイになってソ連(’76頃初出)にオートバイで潜入したり、荒唐無稽。沢山の人間が殺される、
小池一雄原作にしてはエロチックな要素はなく、健康的な少年雑誌向け漫画だけれど、
ここに載せたのは、わが松森正の若書き的作品(桑田次郎とさいとうたかおの合作のような趣あり。
若書きとはいえ、目が大きいだけの女を除けば既に達者な松森カラーが見えて、
さすがだと思う)ということで、あえて紹介した。
後日出た復刻版(スタジオシップ劇画キングシリーズ)では松森の最近の美


(木曜日のリカ」松森正小池一夫ひばり書房(1)、左が複刻版
女画がカバーにあしらわれていて、その変貌、進歩ぶりに改めて驚かされる。
こんな例(同一作者が異なった図柄で著書のカバーを作る−同時期に意識して画風を変えるのでなく、
ある意味では必然的に)はあまりないのではないか。

 「ポイントD」とんぼはうす伊月慶悟秋田書店ヤングチャンピオンコミックス(1)裏表紙部分

  「ポイントD」作伊月慶悟・画とんぼはうす秋田書店ヤングチャンピオンコミックス)は全十巻、
七十編近いエピソードの長丁場。これだけ書く方も、読む方も、
載せる方もよく飽きもせず続いたのはやはり一作一作に手抜きせず、
マンネリを感じさせないエピソードを積み重ねた作者伊月慶悟の力によるものだろう。
もちろん表向きは一流のバイオリニスト、神秘的な美女、
しかし裏の顔は冷酷無残な凄腕殺し屋ライフルウーマンという異様な設定が受けたことは疑いない。
しかし、難をいえば、いかんせん絵に魅力が乏しい。
冷酷無残ではあっても、やはり美女という設定なら少しはセクシーに描いて欲しい。
同じ作者ではあっても、「ときめきください」作滝直毅・画とんぼはうす(集英社ビジ「ときめきください」とんぼはうす滝直毅集英社ビジネスジャンプコミックス
ネスジャンプコミックス全一巻)の方がはるかに異様な設定
(ヒロイン鳥羽麗衣は天皇家に代々仕える近衛闇刺客の一族の女座主、
この闇の暗殺集団の存亡を賭けて同じドイツの暗殺集団バウゲンブルの長マリーチと全裸で死闘を繰り広げるヒロイン。)
ではあってもまだ血の通った人物像が躍動している。

 

  「マリーの獲物(ゲーム)」千葉潔和双葉社アクションコミックス)全3巻。
女豹が繰り広げる血の饗宴と表紙の惹句にはあった。
先記した「ポイントD」を意識したようなライフルウーマンが活躍する作品だが、
この女殺し屋は、さほどためらいもなく泣き、笑い、あっけらかんと多量の血を流し、裸にもなる。
SMシーンもあってそれなりに楽しめるのだけれど、ヌードシーンも売りなら、
やはりもっと色気のある女をきちっと描いてほしかった(失礼)。作者は最近「龍子」実業之日本社
マンサンコミックス1〜4巻まで、続行中)で女仁侠「龍子」千葉潔和
双葉社アクションコミックス(1)
ものを始めている。描く女にもそれなりの魅力が加わったし、
ストーリーテラーとしての千葉には期待出来そうだ。

 

  ひと味違った女殺し屋漫画「俺のシーク」やまさき拓味・画、小池一夫・作
(スタジオシップ・劇画キングシリーズ)香港か「俺のシーク」やまさき拓味小池一夫スタジオシップ劇画キングシリーズ(1)
ら来たグラマラスな美人刺客、(すめらぎ)
 
紫紅(しく)
(しーく)はかつての香港の顔役だった父を殺され、
更に母妹を人質に取られて、彼等、亡き父を乗っ取って居座った敵に小さい頃から訓練を受けた闘技の腕を見抜かれ、
汚れ役を強いられ、暗殺者となり、日本まで出張して殺人を実行する。
対抗組織の大物を殺して逃亡の途中、逃げ切れず平凡な浪人生柿平慎一に近付き、
恋人を装って追っ手や警察の追求をかわそうとする。
お互い、ついゆきずりの、ひと夜の関係と割きりつつなんとなくずるずると続き、
一緒に危険な、命がけの逃避行がはじまる。それはそれで甘美な、
一心同体という気分が生まれて、二人は急速に心を近寄せていく。
女殺し屋シークの凄腕ぶり、それにも増して意外にも男を知らなかった
(処女だった。少しく無理な設定)という彼女の可憐さ、愛らしい魅力には
当事者慎一ならずとも参ってしまうだろう(私も疑問符付きながら、参った)。
二巻本にもならない小品だが、一級のスリル、サスペンスあり、エロチックな楽しさも含め、
何度読み返しても面白い佳編にまとまっている。やまさき拓味の絵もコミカルな中に苦み深みを加えた、いい味を出した。

 「黒の天使」石井隆少年画報コミック60(1)

  「黒の天使」石井隆(少年画報社コミック60)全3巻
石井劇画に解説はいらないと言うのは映画監督の鈴木則文だけれど、
ここに挙げた以上、やはり何かを書かねばならないだろう。
鈴木則文はそのかわりにこの作品を映画にした。私はそれを見ていないけれど、
まあ石井隆の作品は漫画だけで十分だろう。もちろん解説も不要だから余り書かないけれど、
この、格好わるいことおびただしい、色仕掛けで裸になって獲物に近付き、
犯され、鞭打たれ、地を這い、雨に濡れ、汚れ尽くしてから、
へとへとになった後でようやく敵を仕留める黒の天使たち、魔世と絵夢(何度見ても、私には二人の区別がつかなかった。
やはり彼女たちは「名美」なのだ。男性も、石井隆の世界には主な役者は一人しかいない)
の所業をどうして石井隆は三巻十六話も書かねばならなかったのか。
結局、作者は、殺人行為そのものでなく、その過程を絵にして楽しんでいるのだろう。
そうとしか思えない。これは石井隆ファンだけにお勧めできる、本格猥褻サイトの女殺し屋シリーズである。

 「MAKIKO」寺岡道雄工藤かずや
リイド社SPコミックス(1)

  余り古いものばかりあさるのもどうかと思うので、これは最近のもの。
「MAKIKO」寺岡道雄+工藤かずや[シナリオ]リイド社SPコミックス全2巻。
ファッショナブルな長い髪の楚々たる美女マキコ。実は警視庁の元敏腕刑事のニューハーフ。
台湾マフィアの組織に刑事仲間を殺され、一人生き残った。
その復讐のための唯一の手段として性転換し、色仕掛けで敵の懐へ潜入するべく機会を待つ
(石井隆風劇画のそれとは正反対の、ギャグマンガ風の絵の雰囲気がまた悪くない)。
もちろんその射撃の腕と経験を買われて闇の殺人請負い業も繁盛している。
少女マンガ風のキャラクターであるマキコは人工美人という設定
age:28,height:172,weight:50:bust:86:waist:62,hip:88:shoe
size:26とカバーには書いてあった。イメージを補うため?)
もあるのか、クールな無表情に終始する。
全体に生硬な絵ではあるが、キャラクターとして、ヒロイン像についてはこなれており、
セクシーな魅力もある。頻繁な血まみれの凄惨な場面の連続もそんな絵柄のせいで奇妙に軽く、
マキコの相棒でやはりニューハーフの醜女お染のコミカルな設定もあって生々しさ、汚なさから免れている。
七つの乾いたテンポのいい挿話のあと、味方の裏切りと四面楚歌のなかでの死闘、
それを勝ち抜いての国内脱出はこの手のストーリーには不可避のエンディングだろう。
あっさりとした長さの二巻本は小気味良い。私見をいえば、もう少し彼女には長く働いて貰いたかった気もするが。

 「女豹」鬼窪活久
実業之日本社マンサンコミックス(1)

  この項の掉尾を飾る”美しき殺し屋”として
まだ一巻が出ただけだけれど、妙に評判のいい「女豹」鬼窪浩久(実業之日本社マンサンコミックス)を読んでみる。
仕事が遅くいつも失敗ばかりしている平凡なOL藤見ひかりは、やくざの娘でちんぴらの兄がいる。
妹として兄を陰でサポートしつつ、体を張っての請負い殺人もこなす、凄腕の殺人マシーン。
以前なら間違いなく成人指定表示があったはずの、過激なセックスシーンの氾濫。
ヘヤーも遠慮なく書き加えてある。しかし作者の画風は少女漫画風ギャグ劇画調とでもいうべきか。
「MAKIKO」のそれと共通点はなくもないけれど、こちらは格段に洗練されたラインと技術、
丁寧な書き込みで見るものを唸らせる。過激なセックスシーンも、絵柄で猥雑感を抑えられるという自信の現れだろう。
ヒロイン藤見ひかりのナイスバデイがページ置きに現れて楽しませてくれる
サービス精神を多としたい。彼女の素肌にまとった革ジャン風黒ラメボデイスーツの艶、グラデーションなど、達者なものだ。
作者は、いつだったか(七,八年前?)週刊PBに「美闘伝サラ」(集英社ホームコミックス全三巻)を書いていて(作伊津木敏弘)、
そのアメコミ風、少女漫画風の個性的な典雅な画風に驚いたものだけれど、
ヒロインに色気が感じられなかった。この変り身の落差はどうか。彼の芸風の広さに驚かされる。
ストーリー、設定ともに唐突、めちゃくちゃな筋展開でもある「美闘伝サラ」(1)より
けれど、ヒロインの魅力だけでも、二巻を待つ値打ちはありそうな気がする。


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