黙示録 


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 「新政権」を通じて日本に浸透する
ロックフェラー・コネクションの飽くなき膨張
マシュー・リース Matthew REISS (在米ジャーナリスト
 SAPIO 2008年2月13日号                  SIMULATION REPORT

 
巨大な資金力を背景に米国歴代政権に影響力を持ってきたロックフェラー財閥は、たとえばケネディ政権において国務長官ポストに財団理事を送りこんだごとく、特に民主党に対して強い力を持つと言われる。ヒラリー・クリントン大統領誕生となれば、否応なくその存在を考慮せざるを得ない。
  時に世界史そのものを動かすそのパワーはもちろん日本にも及んでいる。ロックフェラーが築いた知られざるコネクションの全貌を、在米ジャーナリストのマシュー・リース氏がレポートする。

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  ロックフェラー財閥三代目総帥、デビッド・ロックフェラーは昨年11月、東京に飛び、一族が創設したニューヨーク近代美術館のアンテナショップがある都内・表参道にひょっこり姿を現わした。表向きは「回顧録の日本語版出版記念サイン会に出るため」としているが、これだけの大物がそのような理由だけで来日したとは考えにくい。
  折しも、深い関係にあるシティグループがサブプライム問題で損失を拡大している渦中だ。来日中は、大物財界人との会合も用意され、シティ救済の依頼が目的だった可能性は高いが、結局、今回の訪問で意に沿う日本人投資家を見つけることはできなかったようだ。
  92歳と高齢になったロックフェラーは、さすがに外見も衰えた。しかし、彼の神通力は全く衰えを見せていない。ホワイトハウスを見ても、ブッシュ大統領やチェイニー副大統領に、ロックフェラー財閥が力を持つ石油・エネルギー業界から莫大な資金援助が注がれ、イラク戦争などの政策を左右している。

 
米財界に都合のいい「世界装置」を構築

  このように影響力を持つロックフェラーだが、実は日本でも政界を動かすコネクションを持っている。
  彼に、日本への足場を用意したのは、自民党ハト派の人物、宮沢喜一・元首相だった。
  宮沢は1941年東大卒業後、旧大蔵省に入省した経済エリートだ。持ち前の英語力で頭角を現わすと、歴代蔵相の秘書官としてGHQとの交渉にあたり、親米の立場から「日本が経済的に豊かになれば、日本はアメリカにとってはるかに優れた同盟国になる」と一貫して主張した。
  一方のロックフェラーは当初、日本市場にあまり興味を示していなかったが、朝鮮戦争、冷戦期を経て、めざましく成長した日本市場を見て、考えを変えた。莫大な日本の金を財閥の利益となるように取り込もうと画策した。日本経済そのものが拡大していくなかで、米軍需産業へ“貢がれる”日本の防衛費も、GDPの1%以下という制限こそあるが、目を見張る伸びを見せていたからだ。
  1950年代後半以降、ロックフェラーと宮沢は水面下で接触を重ねるようになる。宮沢は参院初当選後の1956年、「金融界の招待でニューヨークの財界と議論し、その
なかでロックフェラー一族の1、2名と話をした」と明かしているが、2人の同盟関係の集大成とも言えるのが、1973年に結成された「日米欧委員会(TC=トライラテラル・コミッション、現三極委員会)」である。この時、宮沢は日本側のリーダーとして活躍した。
  この日米欧委員会とは、ロックフェラーの肝いりで設立された国際的な政財界エリートの連携組織である。各国の主要銀行家、企業経営者、政治家、経済学者ら85人(現在は350人)程度を集め、国際協調を主眼に、経済から安全保障までの政策協議を行なう。
  しかし、実際の役割は、ロックフェラーの息のかかった代弁者を増やし、米財界にとって都合のいい経済システム・政策を世界中で実現させることだったとも言われる。
  その最初のターゲットにされたのが日本だ。終戦後、米国に近づくことで経済復興へと導いた宮沢の役割は大きいが、米財界の中核に近づきすぎてしまった。ロックフェラーの金脈に手なずけられた宮沢は、こうして日本侵食の糸口、TCを提供したのだった。

 
米政権を通じて日本に「市場開放」を迫る

  ロックフェラーとTCは、日本政府に対して大きな影響力を持った。しかし、それ以上に遥かに大きな影響力を米国政府に対して持っていた。TC設立後の日本は、ロックフェラーを背後に控えた米政権による「金融市場を開放せよ」という対日要求の波に襲われ続け、そのほとんどを受け入れていった。
  1986年、ロックフェラー財閥の一翼を担うメリルリンチなど外資系金融機関が次々と上陸を始めると、98年には、長引く不況の渦中に日本版・金融ビッグバンが始まり、規制緩和によって日本の金融は外資に支配されることとなった。日本長期信用銀行は、累計8兆円もの公的資金を注入されたあげく、10億円の破格値で米国の投資ファンド・リップルウッド社に買収され、再出発後にロックフェラー自身が役員として名を連ねた。この間、宮沢は3度の大蔵人臣と1度の総理大臣を歴任しており、政府の経済政策において大きな役割を果たしていた。
  安全保障政策では常に、米国から防衛力の増強が求められた。日本の防衛関連企業は米国のハイテク企業、防衛企業と無数の取引がある。すなわち、もっと米財閥の軍需・石油産業にカネを差し出せ、ということだった。
  TCを手に入れたロックフェラーはまさに絶頂期を迎えていた。米国内では、知事であろうと国会議員であろうと意に沿う人物を次々と権力の座につけ、さらに彼らを大統領に変えてしまう“ゴールデンタッチ(触ったものを金に変えてしまうという物語に由来”の力を持っていた。
  象徴的だったのが、1977年に誕生した民主党・カーター政権だ。それまで保守本流・共和党の絶対的スポンサーと考えられていたロックフェラーだが、いざ誕生した民主党政権のフタを開けてみると、彼の息がかかったTCメンバー10数人が政権の中枢を占めていた。カーターは、南部の田舎ジョージア州出身で無名のピーナッツ農夫知事だったが、大統領選で密かにロックフェラーの支持を甘受したことで、その座を射止めたのだ。政権で国家安全保障担当補佐官を務め、米外交政策のご意見番となったズピグニュー・ブレジンスキーも、TCを結成した中心的メンバーだった。
  こうして、ロックフェラー財閥が共和党のみならず、民主党にも大きな影響力を持つことが明らかになると、以後も政権に隠然たる影響を与え、盤石の体制を整えていく。

 ヒラリー政権を従える米財閥の次の一手

  確かに、ロックフェラーは現政権・ブッシュ大統領を強力に後押しした。今やブッシュの支持率が低迷するなか、次の選挙では民主党・ヒラリー候補が勝つと予想されているが、実は、あらゆる民主党大統領候補のなかで、彼女ほど一貫して「戦争支持=ロックフェラー財閥の中核企業エクソン・モーピル社支持」の投票記録を持つ人物はいない。
  ヒラリーがファーストレディとしてホワイトハウスを取り仕切っていた時、エクソン社は数万ドルをホワイトハウスに寄付しているが、2003年、05年にはヒラリー自身が同社から資金提供を受けるなど、関係は緊密である。ヒラリー大統領誕生となれば、ロックフェラーはさらに影響力を持つことになろう。
  もっとはっきり言えば、米国政党のどの大統領候補者であっても、石油・軍需産業の利益を上げるための代弁者であることは変わりなく、日本が搾取され続けることは間違いない。誰であろうと、米国太平洋艦隊が日本を母港として利用することや、日本の主要都市周辺に設けられている空軍基地について、縮小したり撤廃したりする方針をほのめかすことはないからだ。
  日本の防衛費で米国の石油・軍需産業を儲けさせる構図は、実は日本の多くの政治家によっても支持されてきた。
  2002年にロックフェラーと会談を持ったこともある小泉純一郎・元首相は、その代表的な人物だろう。彼は、ブッシュに同調して、自衛隊のイラク派兵を決め、イージス艦、MDの導入にも積極的に動いてきた。米国の議員や大統領候補者の多くが石油・防衛・ゼネコン産業からのお金で財政のやりくりをしているのと同様の構図が、日本にもある。
  また、多くの政治家は、独立外交路線を目指して、アメリカの防衛の「かさ」を離れることを考えようともしないのだから、日本国民はスタンダードオイル、ボーイング、ロッキード、レイセオン、ノースロップ・グラマンなどといった石油・防衛、航空産業にますます多くの税金をドルで送り続けることになる。

●「在米ジャーナリスト」という怪しげな肩書きの人物を使っての、極秘情報のリークという形式をとったレポートです。要するに、「アメリカや日本の政権を担ってきた人物は、みなロックフェラーにコントロールされていたんだよ」ということを述べています。確かに、英語が堪能だった宮沢元首相は、英語圏に身を置く世界支配層にとっては懐柔しやすい日本人だったことでしょう。宮沢氏も小泉元首相も、ともに日本をロックフェラーに貢いだ“売国奴”ということになります。
  しかしながら、誰が首相になったとしても、日本の首相レベルではロックフェラー一族の強大な権力の前には言われるままにひざまずくしかないのです。そのような悲しい現実を、なぜこの時期になってオープンにしないといけないのかがわかりません。老い先短いデビッド・ロックフェラーの自慢話の提灯持ちをしているようにも見えます。
  いま、アメリカという国の威信が揺らぎつつありますが、それはデビット・ロックフェラーの寿命が終わりに近づいていることと関連しているのかも知れません。これから先、表に出て世界政府づくりの音頭をとる人物は、間違いなくヨーロッパから出てきます。ブッシュの次のアメリカ大統領ではないのです。すなわち、ロックフェラーの息のかかった人物ではないということです。
  その前に起こる(起こされる)のが、ドルの大暴落に始まるアメリカの没落と世界経済の崩壊でしょう。そのことをロックフェラーは「国連に宛てたアジェンダ」の中で予告しているのです。それは、死を前にした老人の遺書とも言うべき凄まじい内容となっています。
  こちらもお目通しください。→「見えざる世界政府・ロックフェラー帝国の陰謀
                                     (なわ・ふみひと)

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