PLAYER SYSTEM

YAMAHA PX−2&PX−3   

  

YAMAHAのプレーヤーといえばGTシリーズが有名ですが、
そのG&Tプロジェクト以前にヤマハが力を入れて取り組んでいたのが、
このリニア・トラッキング方式のPXシリーズです。
残念ながら、PX−1、2,3と三機種で終わりとなりました。

  一般には普及せずに終わったリニア・トラッキング方式、
何がメリットだったのか結局は結論が出ないままCD時代に
突入してしまった感が否めません。残念です。
一般のトーンアームでは不可避のトラッキング・エラーが
無視できるとか、インサイド・フォースが原理的に発生しない、
などと言われていました。確かにその通りで、レコードの内周部でも
安定したトラッキングを保つのは聴感でもよくわかります。
しかし、デメリットとしては、アーム・ユニットをモーターで
常に移動させるために、このモーターの振動が針先に伝わり
ノイズ発生の原因になり得るのではという懸念、その他
アーム・ユニットが平行移動するメカニズムに由来する
がたつきの発生、等が欠点として挙げられると思います。

  購入前、この2点は非常に気になるポイントで、あまりにひどい様なら、
すぐ売却するつもりだったのです。しかし、これは杞憂に過ぎませんでした。
走行用モータのノイズは、私の部屋で出せる音量では全く聴き取れません。
部屋の暗騒音(蛍光灯の安定器の唸り、エアコンの騒音)などの方が
遥かに大きいので無視できる訳です。
大体にして、LP盤のS/N比が再生機よりも遥かに悪いのですから、
これはいらぬ心配ですね。
しかし、アーム・ユニットのガタツキは確かに有ります。
構造を簡単に説明致しますと、アルミサッシと扉の戸車の関係を
思い浮かべて戴きますと、大体当たらずとも遠からじ、という感じです。
サッシのレールの上を、アーム・ユニットがゴムベルトで引っ張られて
滑っていく、という感じですね。要はその戸車に前後のガタツキが
若干認められるということなのです。

こういった所は気になる人にはとても我慢できない、という
点ではないかと思いますが、私にとってはこのデメリットよりも、
先に掲げた美点のほうが遥かに大事でして、結局8年以上も愛用しています。
そのほか、針圧を印加するウェイトがアーム・パイプ上に付いている、
スライディング・ウェイト針圧印加方式を採用している為に、
カートリッジのコンプライアンスに合わせたアームの等価質量が得られる点も
大変気に入っています。但し、この特徴を最大限に発揮させるためには、
付属のシェルとほぼ同じ重量(8g前後)のヘッドシェルを選択する必要があります。
他、GTシリーズ程ではありませんが、物量を投入した回転系、筐体、
クイックスタート&ストップを実現する強力な電源部など
永く使おうと思わせるだけの造りの良さが、とても気に入っています。

  出力ケーブルモガミNEGLEX2496、トラッキングエラー±0.15度
起動トルク1kg以上、クオーツPLL正負両方向サーボ、ワウフラ0,01%
全周積分FG,ターンテーブル径31cm、2.1kg、ダストカバー1,3kg
S/N比80db、総合重量17kg、外装アルミダイカスト5mm厚、消費電力22W



で、2001年1月に新たにまたPXシリーズが・・・



今度はPX−3です。PXシリーズの最終モデルとなった普及機、といっても
10万円は超えている価格だったような気がしますがどうでしょう?
GTシリーズがリリースされてもまだカタログに載っていました。おそらく
在庫がなかなかはけなかったんでしょう。しかしその姿は当時中学生だった
私の目を引きつけてやみませんでした。変わっているでしょ?普通は、
GTシリーズの重厚長大さに目が行くモンです。

PX−2と大きく異なるのは外装ボディでBMC樹脂製です。樹脂というと
ペナペナのイメージがありますが、実際に触れてみて連想するのが
「コンクリート」です。ひやっとする感じもちょっと似ていますが
コブシでコンコンした際の音はやはりプラスチック的です。Qが高そう・・・

入手時はジャンク状態、故障品でした。オート機能一切効かず、アームベースを
手で移動してアームリフタ−を手動でダウンさせるとなんとかトレースだけはする、
といった具合。ダメだコリャ!
で、開けてみて故障箇所をチェック!
駄目になっていたのは、フォト・インタラプタという光学センサー。
アームベースが今どこの位置にあるかを検出する部品でした。3つとも
ダウンしていました。受光側のフォトダイオードが死んでいます。なぜ?



ともかくそれを替えて動作確認、無事元通りに直ってしまいました。やったー!。

リー・リトナーのダイレクト・ディスクに「ON THE LINE」
(VIDC−5)という作品がありますが、このLPのライナーに、
カットしたばかりのラッカー盤を、制作スタッフがこのプレーヤーで
検聴している写真があります。



 

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