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梨花視点 梨花鷹主従関係 富三四基本 4話 沙都子と悟史、そして私が富竹と鷹野二人に保護されることが正式に決まった。どんな裏技を使ったのか鷹野と富竹は私に教えてくれないのだが、それでも沙都子と悟史が笑って二人暮らせる事だけは教えてくれた。 「梨花ちゃんは今まで通り私と暮らして、悟史くんと沙都子ちゃんは自宅で暮らせるわ。叔父夫婦の干渉もできないように法的処理も済ませたから、鉄平が来ても大丈夫よ。ジロウさんと私が保証人になれば、生活保護の申請もできると思う。すぐではないけれど、二人には雛見沢よりも興宮で暮らす事を考えてもらおうと思ってるの」 お風呂の湯船で私を抱えながら鷹野が囁いた。温かいお風呂に誰かと入るのが私は好きだった。私は今までに無い流れに頷くしかない。 これなら圭一を待たなくても新しい風が吹いて沙都子や悟史を救えそうだった。 「沙都子ちゃんとは仲良しだったから寂しい?」 私は正直なにも答えたくなかった。今の沙都子は甘えが強くて私も悟史も手を焼いていた。魅音も心配しているけれど、魅音は動く事が無いだろう。レナはやっと雛見沢が馴れてきた頃で、沙都子に親切にする余裕も間柄でも無い。 湯は熱くて私ものぼせかかっていたけれど、心は、胸の奥は冷えていた。 「鷹野」 「なぁに、梨花ちゃん」 優しい鷹野の声に幸せそうなのを感じた。私は振り向いて鷹野にしがみつくと湯船の中で鷹野に口付けた。鷹野も馴れたもので私の唇を吸い上げてくる。しばらくお互いの舌と唇をむさぼりあっていると、私は立ちあがった。 「鷹野、僕の中の虫を確かめて欲しいのです」 「そうね。十分温まったものね」 私の股間には鷹野の腹で育った虫が住み付いていた。それは男性器のようで私の神経とつながっている。そして私と鷹野はお互いに雛見沢症候群の核となる虫をかっていた。 女王感染者は娘を産むと、その娘に虫は移動すると言われているけれど、産んだ後にも娘の虫を活性化させるために全ての虫がいなくなるわけでは無いのだ。そして、女王感染者が絶えない様に女王感染者に限りなく似た存在を虫は生み出していた。今の鷹野はそれだった。 私の母親と私に関りがあり、母の遺体を解剖したことが原因で、鷹野も雛見沢症候群の新しい核になりつつあった。 一つだけ救いがあったのは自然界における上下関係が、直系の私を上位と認めていた事だろう。鷹野は最初私に体を支配されているのを嫌がっていたが、今ではこんな風に私と暮らし、私と性交渉をすることに抵抗がなくなっていた。 もし、逆の立場だとしたら私は1巻の終わりだっただろう。 鷹野に見えやすいように足を開いて股間にはえている虫を見せる。虫は普段大人しくしているけれど、いじられたりすると大きくなって自己主張を始め、粘液を分泌するからほとんど男性器と仕組みは変わらないらしい。唯一違うのは分泌される粘液が雛見沢症候群の虫達を活性化させるものであり、私に早く世継ぎを生めるように性への目覚めを促しているのだろう。 そして今の私と関係を持った女性が男性と子をなせば、その子どもが新しい雛見沢症候群の核であり女王感染者になると言う仕組みだ。子孫を残すためのシステムは、人間に規制した以上虫も人間を発情させるしかなかったのだろう。 「目立った外傷も、変化もないわ。お風呂で一度抜く?」 「……はいなのです」 性欲よりも食欲に近い頻度で私の虫は粘液をあふれさせていた。学校のトイレで何度自分で処理したか数知れない。虫が私をのっとろうとしている恐怖は鷹野が味わっていたけれど、これほどまで自分が自分じゃなくなることが恐いとは思わなかった。 鷹野も私の虫から分泌される粘液を摂取しないと体調が維持できないようだった。それでも少しずつ鷹野の体は落ちつきを見せていた。昔ほど私に屈しないのは、鷹野の拒絶がなくなったからなのか、それとも私の体や心に変化があったからなのか。 わからないことが多過ぎて、私はまた心が冷えるのを感じた。安心感もある。未来が続いている。けれど、なにかが私に足りなかった。 鷹野が私の虫を指先で撫で回してゆく。そして口に咥えこんで舌と唇で刺激を始めた。私は早く済ませたくて腰を揺らした。鷹野の喉奥に当たる感触が気持良くて、私は鷹野の頭を股間へと押えこみながら腰を揺らし続けた。 涙目になりながらも鷹野は私の股間からはえた虫を咥え込み続けた。私はそれをぼんやり見ながら腰を揺らし続けて、全身を震わせると鷹野の口の中へと分泌液を注ぎ込む。肩で行きをしながら鷹野はそれを飲み下していた。 「どんな味が、するのですか……?」 「不味くは、ないわ」 「鷹野、いつまでこんな事が続くのですか?」 「梨花ちゃん?」 私は正直、今の状況が続く事に飽き始めていた。私が目指したかった未来とはかけはなれ過ぎている雛見沢に辟易していたのだろう。 「梨花ちゃん?どうしたの?」 「鷹野が味方な限り、僕の命は保証される。それは重々承知しているのです。でも、僕は……この雛見沢に興味がない」 鷹野の表情が固く強張っていた。鷹野の表情を見て私は多分考え直すべきだったのだろう。けれど、死ぬ事がない安心感から私は欲張りになっていた。鷹野はしばらくうつむいて、考えていたけれども顔を上げて微笑むと私の体にお湯を優しくかけた。 「湯冷めするわ。湯船で温まってから頭を洗いましょう」 私自身も口にしてからその言葉の意味を理解し始めていた。私はまた別の世界へ行きたいと駄々をこねているのだった。 「……はいなのです。鷹野、頭は自分で洗えるのです」 「わかったわ。先に私が体を洗うわね」 頭を洗いながら、私は考え続けていた。どうしても私はあきらめきれなかったのだ。私の隣りで笑っている沙都子が一緒にいる雛見沢の未来を。 お風呂から上がり、鷹野に髪を乾かしてもらう。そしてパジャマに着替えて布団に入った。鷹野は私を腕枕して抱きしめてくれた。ふんわりと匂う鷹野の甘い香りは好きだった。 母親にもこんなに優しくされた事はなかっただろう。最近の私は鷹野に抱きついて眠る事が多かった。鷹野に不満が有る訳じゃない。ただ、このままなんとなく生きているのは嫌だなと思っていた。 ふっと目が覚めるとまだ真っ暗な部屋だった。隣りにいるはずの鷹野の姿がなく、明かりが漏れる襖の向こうで鷹野の声がした。会話しているらしいが相手の気配がないから、電話しているらしい。こんな時間に電話する相手は富竹だろう。 鷹野にも富竹がいるのを思い出す。すると私には鷹野が遠い存在になるような気がした。いつだって、いつだって、羽入も沙都子も私しかいなかった。私だけが頼りだった。なのに、この雛見沢では沙都子には悟史が、鷹野には富竹がいる。そして、羽入はずっと姿を見せない。 真っ暗な部屋の布団の中で一人、私はぞっとするような闇と寒さを感じた。雪深い雛見沢の凍る空気よりも、もっと凍えさせる闇を見たような気がした。恐くて、どうしようもなくて、私は襖を開けた。そして台所に走って冷蔵庫を開く。鷹野が飲むワインを見付けて私はそれを手に取った。コップを取り出して注ぎ一気に煽ると、誰かが私を後ろから抱きしめていた。 鷹野が私を背中から抱きしめていた。そして目の前にはぶら下った電話の受話器があり、そこから富竹が鷹野を呼ぶ声がしていた。 「ジロウさんゴメンナサイ、またかけなおすわ。それじゃ、おやすみなさい」 鷹野は私を抱きしめながら事務的に電話を切ると、私の顔を無表情に覗き込んでいた。そして私からワインとグラスを取上げるとなにも言わず私を強く抱きしめた。 「梨花ちゃんは私にどうして欲しいの?」 「鷹野に望む事なはにもないわ。だって、もうかなえて貰ってるもの。私を殺さない事。鷹野が私を殺すから私はループしていたの。だから、鷹野が殺さなければ、私はずっと生きられる」 「でも、この雛見沢はいならいんでしょう」 「そうね……私の理想の雛見沢じゃないわ。沙都子も羽入もいないもの」 私の腕を強く握り締める鷹野の指には銀色のシンプルな指輪がはめられていた。それは左の薬指で、それを見てどうして沙都子と悟史の二人を保護できたのか察した。 富竹と鷹野は籍だけ入れて夫婦になり、その上で里親になったのだろう。考えれば入江も沙都子を養女にできない理由が独身だからだと言っていたのを思い出す。 鷹野に痛いほど抱きしめられながら、私は深い谷底に落ちてゆくような感覚に酔いしれていた。久しぶりにあおったワインが予想以上に回ったのだろう。鷹野の唇に口付けると、鷹野は顔を背けた。富竹と会話した直後に私が触れるのは嫌だったのだろう。 それでも、私が強引に鷹野へ口付けを続けると鷹野の呼吸が少しずつ荒くなるのが見てとれた。大きく動く胸元に手を這わせてゆく。鷹野の感じる場所がどこにあるか、私が覚えていなくても私の虫が教えてくれた。 「嫌っ、梨花ちゃん、嫌ぁっ!」 「電話がつながっていれば、面白かったかもね」 「……はっ……ぁっ……ぁ、ああっ」 パジャマの股間を濡らすほど溢れ出す鷹野の分泌液は、多分鷹野の体内に残る虫の物なのだろう。脳に住み付くはずの虫がお互い子宮に居るらしい。そしてお互いの虫達がお互いを呼んでいるのだろう。私は深い闇のような絶望から鷹野を求めた。そして鷹野が応える理由を私は知らない。 「梨花、ちゃん……」 畳にはいつくばりながら、鷹野は腰をあげて私の虫を待っていた。決して望んではいないけれど、肉体を支配する虫が鷹野の理性を快楽へ引きずりみ込み溺れさせていた。パジャマと下着を下ろして私も鷹野の中へと虫を入れてゆく。 なにも生まれる事のない、なんの意味もない二人の時間が流れていた。あるのは色欲とお互いの思惑だけだっただろう。 「鷹野、鷹野は私だけのものよ……誰にも、誰にも渡さないっ!」 「……っ……ぁっ、ひぁっ、ぁっ」 全身を震わせながら鷹野は首を横にふっていた。鷹野の震える下腹を撫でながら私はその中に新しい命が宿れと呪いながら腰を揺らし続けた。 私は……生きてさえいられれば幸せになれると思った。けれど、生き残るだけじゃ幸せになれない事を私は学んでいた。 続きではなく富竹サイドのお話。ガチホモ+黒富なので注意! 6話 |