最終更新日 2005.5.9


山に行くときには、地図と コンパスを使いこなせることが大切です。 地図があれば現在地を知ることができますし、道に迷った場合でも、 コンパスがあれば進む方向の見当がつけられますし、こうした読図(地図読み)ができると、より登山も楽しく安全になります。
特に登山道(ルート)のない沢登り、さらに冬季登山時には必須の技術になります。
ここでは、簡単なコンパスの使い方を紹介していきます。



知床山系 知床岳(1.254m)の広い稜線にて 3月
   




1.磁北と真北
本当の北(真北)の方向と、コンパスの磁針が示す北(磁北)は、実は合致していません。
日本では、この磁北と真北の差(磁気偏差)は緯度によって異なり、 知床8度、大雪山・札幌9度、東京6度、鹿児島5度と、すべて西に5〜10度ずれています。(これを西偏といいます)

この補正のために、例えば、大雪山・札幌ではコンパスが指す磁北より東に9度の方向に地形図(上が北)をずらせて測らなければなりません。
(磁針方位・西編角度は"地形図"の右側凡例項目に記載されています)
この角度は「微妙な地図読み」を求められる場合、大きな誤差になるので注意しなければなりません。

>>>真北と磁北が合致しないのはなぜ?(地図センター)
>>>(参考)国土地理院発行の地図の折り方





2.コンパスの正しい持ち方

(近くに磁場の発生するものがないか、注意してください)
1.コンパスをなるべく高い位置(胸の位置程度)に水平に持ちます。
2.背筋を伸ばし、なるべく脇を締め、肘が90度になるようにします。
3.角度を測るときは磁針の回転の中心を真上に"利き目"で見るようにします。




3.コンパスと正置の仕方

登山用品店で"SILVA COMPASSES"(Made in Sweden エバニュー取扱)等の名前で、約2000円くらいで販売されています。通常、シルバーコンパスと呼んでいます。

@前述したように地形図の凡例右側には西偏○度(磁針方位)と書かれています。その偏差に回転板の目盛りを合わせます。
 (事前に磁北線を地形図に記入しておくと便利です→「7.磁北線の書き方」で説明します)
A地形図上にコンパスをのせたまま地形図を動かし、コンパスの磁針と回転板の矢印の「北」がピッタリと合うようにします。
Bこれで自分のいる立ち位置からの「真北」がわかります。

<各部の名称>
ベース〜四角い板の部分です。 透明になっています。
ベースの矢印〜この矢印を目的の方向に向けるものです。
度数線〜ベースと連動しています。リングの度数目盛を読みます。
磁針〜磁北を示します。常に磁北を向いています。→くどいようですが"真北"ではありません
リング〜方位の度数目盛が360度、振ってあります。
リングの矢印〜リングと連動しています。回転させて磁針と方向を合わせます。
[注] 上記の名称は必ずしも一般に通用するとは限りません。
ベース:baseplate
リング:bezel
と呼んだりする事もあります。





4.地形図とコンパスで現在地を知る方法
以下は視界がある場合にのみに使える方法ですので注意が必要です。

@コンパスと地図を北向きにあわせます。
A目標物(可能であれば2ヶ所以上)と地図を直線で結びます。
B実際の目標と地図上の目標を結んだ線の交点が現在地になります。





5.行きたい角度へ進む

■例えば60度の方向に進むように指示されたり、行きたい時の方法
@まずリングを回して度数線に60度に合わせます。
A次にコンパスを胸の辺りに、進行線を真っ直ぐ前方に向けて構えます。
BコンパスをAの様に構えたまま、磁針と矢印が正しく重なるまで、ゆっくりと体をまわします。
C針と矢印が重なったら、目を上げて進行線の指している方角を見ます。これが60度の方向です。 進行線上にある目標物を選んで歩き出しましょう。
D AからCを繰り返して進めば60度の方向にある 最終目的地へ到着します。





6.目標物への角度を調べる
@目標物に真っ直ぐ向いて、コンパスの進行線を正しく目標物に向けて下さい。
Aコンパスを目標物に向けたまま、針と矢印が正しく重なるまでリングをまわします。針と矢印が合った時に、 度数線のところに来ているのが、目標物の角度です。





7.磁北線の引き方
偏差の調整をその都度に行い地図の正置をするのは面倒ですから、山行前に磁北線を地図上に引いておくと便利です。(地図は必ず防水袋"家庭用ジッパ等"に入れて行動)

@偏差9度の地図にもとずいて行動する場合、まず360度から9度引いて351度を度数線に合わせます。
A次に地図の左右どちらかの経線に360度と180度の目盛を合わせます(360度目盛を真北にむける)。
B合わせたら、地図の上に出ているコンパスの長辺に沿って線を引きます。これが「磁北線」です。
この線と平行に4cm間隔で地図一面に線を引いておけば、もう偏差の調整ついて考える必要はなくなります。 4cmは1/25,000の地図ではちょうど1kmに相当しますものね。





8.地図からコンパスへ
シルバーコンパスがあれば、地図の上に示された目的地点に行くのに、 実際どの方角へ行ったらよいのかが、簡単にわかります。
@地図をひろげ、自分の現在地点から目的地まで線を引きます。
A次にコンパスの進行線を目的地の方向に向けて、コンパスの長辺のをこの線にあてます。
Bそのままリングをまわして、矢印を磁北線に平行にします。
(矢印は常に地図の北である上方にむけます。また、@とAの時は針を無視してください)。
 この時に度数線のところにでた度数が、 目的地への度数です。
Cリングを動かさない様にコンパスを取り上げ、上記の「5.行きたい方向へ進む」の A〜Cの方法で目標物を選び歩きだします。
実際に進む場合、平らな野原でもないかぎり、なかなかでてきた度数の方角へ真っ直ぐ進むことはできません。
従って、多くの場合はまず「地図からコンパスへ」@で 引いた線(トラベルライン)がどんな地形の上を通っているか調べる事が大切です。もし近くに道があれば、その道に出る方角を「地図からコンパスへ」 A〜Cの方法で決めることになります。
この時にシルバーコンパスのセンチ目盛りで、その道までの距離を測ります。
1/25,000の地図で5mmなら125m行けば道に出られることになります。





9.コンパスから地図へ
自信を持って進んでいたのに道に迷ってしまったり、 正しい方向に進んでいるかどうかと途中で調べるために自分の現在位置を知りたいときは以下の方法で行ってください。

以下も視界がある場合にのみに使える方法ですので注意が必要です。

@まず地図の上にその位置を知ることのできる、塔や山を目標物として探し、それに真っ直ぐ向かい「6.目標物への角度を調べる」@〜Aのやり方でそれへの角度を調べます。
A目標物への度数が出たら、そのままリングを動かさないように注意して、コンパスを地図の上に置き、長辺の一端を目標物にあてます。針は無視します。
Bそのままゆっくりと、矢印が磁北線と平行になるまでコンパスを目標物を軸としてまわし、平行になったらその長辺に沿って線を引きます。 矢印を磁北線と平行にする時、矢印は常に地図の上方、つまり地図の北に向けてください。針は無視します。
Cあなたの現在位置はこの線の上のどこかです。同じことを2つの目標物について行えば、現在位置は2本の線の交わったところです。
3点についてやった場合には、出来た交わったところが、さらに詳細な現在位置になります。




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