○たとえ話



・ここにA君B君がいます。同じ人間ですが、全く同能力のはずがありません。「100人で100m競争をすれば全員同タイムで同着」のはずはありません。
 A君「(100mで1位になるような)能力が高い人」とし、B君は「(100mでビリになるような)能力が低い人」とします。


 どこかの想像上の国のお話。
日本国のお話。
  学校で水泳をやりました。
A君飛魚のように泳げました。得意げです。皆の歓声を浴びて喜んでいます。

B君まったく泳げません。困り果てています。皆の失笑を受けて苦しんでいます。
  学校で英語をやりました。

A君テストで1位を取りました。得意げです。皆の歓声を浴びて喜んでいます。

B君テストでビリを取りました。困り果てています。皆の失笑を受けて苦しんでいます。
 A君は水泳が好きに成り易いです。ほっといても海や川やプールで泳ぐようになりました。

 B君は水泳が嫌いに成り易いです。海、川、プールに自ら足を運ぶことなどまずありません。
 A君は英語が好きに成り易いです。ほっといても英文に目を触れ、視界に入ったら無意識に見るようになりました。

 B君は英語が嫌いに成り易いです。ほっといたら英文に目を触れず、視界に入っても無意識に避けるようになりました。
 A君は、海や川、プールで泳ぐことが楽しくて仕方がありません。暇があればひとりでに泳いでいました。

 B君は、海や川、プールで泳ぐことが苦しくて仕方がありません。泳ぐことを想像するだけで苦しくなりました。
 A君は、英語の授業が楽しくて仕方がありません。暇があればひとりでに単語などを覚えていました。

 B君は、英語の授業が苦しくて仕方がありません。アルファベットを見るだけで苦しくなりました。
 A君は、泳げば泳ぐほど水泳が上達しました。「沢山泳ぐことで上達した」のです。
・オリンピックの水泳選手の活躍を積極的に見て「かっこいい!俺もこんなふうに成れたらいいなあ」と思い楽しくなることもあるようです。ますます水泳が好きに成ります。

 B君は、まったく泳ぎません。水泳から逃げに逃げています。全く泳ぎません。考えただけで苦しくなります。
・たまたまテレビで見かけた「オリンピックの水泳」を見ただけであの苦しさを思い出し不快指数150%になることもあるようです。ますます水泳が嫌いに成ります。
 A君は、英文を読めば読むほどほど英語が上達しました。「沢山英文を読むことで上達した」のです。
・洋楽(英語)など聴いたりして「かっこいい!俺もこんなふうにしゃべれたらいいなあ」と思い楽しくなることもあるようです。ますます英語が好きに成ります。

 B君は、英文を読みません。英語から逃げに逃げています。全く見ません。考えただけで苦しくなります。
・たまたまラジオで聴いた「洋楽(英語)」を聴いただけで苦しさを思い出し不快指数150%になることもあるようです。ますます英語が嫌いに成ります。


☆この想像上の国では
受験で「水泳が必修科目」です。
避けて通れません。
☆この日本国では
受験で「英語が必修科目」です。
避けて通れません。
A君の受験対策は何でしょう?ただ単に「沢山泳ぐこと」になります。
そりゃあ苦しいこともあるでしょうが泳げば泳ぐほどスピードも上がるので楽しい限りです。
またオリンピックの水泳選手の活躍など見てあこがれ「少しでもこうなれるように頑張ろう」などとすることもあります。
A君の受験対策は何でしょう?ただ単に「沢山英文を読むこと」になります。
そりゃあ苦しいこともあるでしょうが読めば読むほど上達するので楽しい限りです。
またネイティブ張りに英語を達者な日本人を見て「少しでもこうなれるように頑張ろう」などとすることもあります。


問題はB君の場合。
B君の受験対策は何でしょう?B君には見当もつきません。
B君は困り果ててA君に相談に行きました。

以下会話。
A君「水泳を好きになりましょう」

B君「君は「好きになれ」と言われて好きになったのか?嫌いなものをどうやったら好きになるというのだね?
   簡単に言いやがって!最初から好きだったのではないのか?」
A君「英語を好きになりましょう」 

B君「君は「好きになれ」と言われて好きになったのか?嫌いなものをどうやったら好きになるというのだね?
   簡単に言いやがって!最初から好きだったのではないのか?」
A君「じゃあビデオで水泳の名選手の活躍を見たらどうかね?あこがれて多少は好きになるかもしれないぞ!」

B君「君は泳げるからあこがれるのではないか?そのビデオの名選手は最初水泳が嫌いで全く泳げなかったのか?違うはずだ。
<最初から(速く)泳げた人がその選手にあこがれてそうなるように練習する労力>と、
<最初(全く)泳げなかった人がその選手にあこがれてそうなるように練習する労力>との差を君は考えたことがあるか?
・君がその選手のようになる「成り易さ」と、俺がその選手のようになる「成り易さ」では差がありすぎる。
泳げたらかっこいいだろうが、あこがれるはずがない!
ものすごく上手く泳げるようになる気など全くない。受験が突破できればいい!それ以上の労力をかける気があると思うか?」
A君「じゃあCDで洋楽を聴いたらどうかね?あこがれて多少は好きになるかもしれないぞ!」

B君「君は英語が得意だからからあこがれるてもおかしくないのではないか?ましてそいつはネイティブ!初めから英語がしゃべれなかったのか?違うはずだ。
<最初から英語が得意だった人がネイティブにあこがれてそうなるように学習する労力>と、
<最初(全く)英語ができなかった人ネイティブにあこがれてそうなるように学習する労力>との差を君は考えたことがあるか?
・君がネイティブのようになる「成り易さ」と、俺がネイティブのようになる「成り易さ」では差がありすぎる。
しゃべれたらカッコイイだろうが、あこがれるはずがない!」
ものすごく上手くしゃべれるようになる気など全くない。受験が突破できればいい!それ以上の労力をかける気があると思うか?」
A君「そうか、分かった。じゃあとにかく泳げ!水泳は楽しい!今からプールに行こう!沢山泳ごう!練習あるのみ!」

B君「君は楽しいはずさ!君は泳げる、しかも上手く。だから周りのみんなの喝采を浴びる。泳いでて楽しくないはずはない。
   俺は楽しくないんだ!俺は泳げない、しかも全く。だから周りのみんなの嘲笑を浴びる。泳いでて楽しいはずはない。」
A君「そうか、分かった。じゃあとにかく英文を読め!英語は楽しい!今からニューズウィークでも読もう!沢山読もう!練習あるのみ!」

B君「君は楽しいはずさ!君は英文が読める、しかも上手く。だから周りのみんなの喝采を浴びる。読んでて楽しくないはずはない。
   俺は楽しくないんだ!俺は英文が読めない、しかも全く。だから周りのみんなの嘲笑を浴びる。読んでて楽しいはずはない。」
A君「だからと言って泳がないわけにも行くまい。受験で必修科目なのだから。こう言っちゃ何だが
  水泳で一番上達する方法は「沢山泳ぐことだ」。こいつは自信を持って言える!実体験からそう言い切れる間違いない!」

B君「ああそうだろうともよ!泳げればな。俺は最初から泳げないんだよ!
   泳ぎ方を教えてくれ!『バタ足』を教えてくれ!『息継ぎ』を教えてくれ!」
A君「だからと言って英文を読まないわけにも行くまい。受験で必修科目なのだから。こう言っちゃ何だが
   英語で一番上達する方法は「沢山英文を読むことだ」。こいつは自信を持って言える!実体験からそう言い切れる間違いない!」

B君「ああそうだろうともよ!読めればな。俺は最初から読めないんだよ!
   読み方を教えてくれ!『文法』を教えてくれ!『単語の覚え方』を教えてくれ!」
A君「う〜ん、まあある意味必要だけど、それこそ『バタ足』とか『息継ぎ』とかは、水の中入ればそのうち自然とできるもんだ!
   人間は最初から泳げるようにできている!
   俺はバタ足とか息継ぎなどろくに練習しなくても、自然にできた。沢山泳ぐことでな。
   お前は逃げてるだけだ!だからじたばた言わないで今から沢山泳げ!そうすりゃあそんなの気にしなくても泳げるようになる!」
A君「う〜ん、まあある意味必要だけど、それこそ『文法』とか『単語の覚え方』とかは、英文読んでいればそのうち自然とできるもんだ!
   人間は最初から言語をしゃべれるようにできている!
   俺は『文法』とか『単語の覚え方』などろくに学習しなくても、自然にできた。沢山読むことでな。
   お前は逃げてるだけだ!だからじたばた言わないで今から沢山英文を読め!そうすりゃあそんなの気にしなくても読めるようになる!」


こうしてA君B君をプールで練習させます。
こうしてA君B君に英文を読ませる学習させます。
ところがB君は泳がせても泳がせても、一向に上達しない。

A君は「やっぱ、バタ足とか息継ぎを練習させた方がいいのかな?」と思い、慌てて練習させるが、もとより「A君はバタ足とか息継ぎの練習をまともにしたことがない」ので、上手く教えられない。結局無理やり泳がせるだけ。そのうち、A君B君も疲れ果てる。B君は泳いでも泳いでも上達しない。
ところがB君は知らない単語だらけだし、分かったとしても意味の把握ができない。一向に上達しない。

A君は「やっぱ、文法とか単語の記憶を練習させた方がいいのかな?」と思い、慌てて練習させるが、もとより「A君は文法とか単語の記憶を意識してまともにしたことがない」ので、上手く教えられない。結局無理やり読ませるだけ。そのうち、A君B君も疲れ果てる。B君は読んでも読んでも上達しない。


その後…
B君は「効果があまりない泳ぐだけの練習に嫌気が差し、ますます泳がなくなる」。
それを見たA君B君にこう言った。
「お前泳げないのに、なぜ泳ごうとしないのか?」
B君は「効果があまりない読むだけの学習に嫌気が差し、ますます英文から遠ざかるようになる」。
それを見たA君B君にこう言った。
「お前英文読めないのに、なぜ読もうととしないのか?


俺の意見
B君は「バタ足や息継ぎの練習」『も』タップリする」べきである。A君には不必要だったが、B君には必要である。これが「泳ぎ方」になる。

水泳を好きなる必要は無い。やっていくうちに好きになれればそれに越したことはない。得意に成れれば好きに成れる可能性はあるだろう。好きになれば上手くなり易くなるであろう。ただし好きになるのかどうかは分からない。また成れなくても、泳げる程度には成れるはずである。
B君は受験を突破したいだけなはずだ。オリンピック選手になりたいわけじゃあないんだから、そこまでで十分なはずである。

ちなみにA君は「なぜオリンピック選手を見てもあこがれないのか不思議に思う」ことがある。下手をすると、「全人類は、オリンピック選手になれればなりたいと思っているに違いない」と思っているかもしれない。
水泳嫌いのB君がそのような選手を見ても憧れの対象どころか「不快の対象」になることが理解できない。
B君は「文法をタップリ学習し、単語の覚え方を自分なりに見つけて時間をかけて覚えること『も』する」べきである。A君には不必要だったが、B君には必要である。これが「読み方」になる。

英語を好きなる必要は無い。やっていくうちに好きになれればそれに越したことはない。得意に成れれば好きに成れる可能性はあるだろう。好きになれば上手くなりや易くなるであろう。ただし好きになるのかどうかは分からない。また成れなくても、受験突破程度の英語力は身に付けられるはずである。
B君は受験を突破したいだけなはずだ。ネイティブとペラペラ話したいわけじゃあないんだから、そこまでで十分なはずである。

ちなみにA君は「なぜ英語をネイティブのようにしゃべれるようになりたがらないのか、不思議に思う」ことがある。下手をすると、「全人類は、英語でペラペラしゃべれるならしゃべりたいと思っているに違いない」と思っているかもしれない。
英語嫌いのB君がネイティブの人のようにペラペラしゃべる日本人を見ても憧れの対象どころか「不快の対象」になることが理解できない。


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