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インチキ科学の解読法―ついつい信じてしまうトンデモ学説

[2001/07/30 Up]

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 マーティン・ガードナーと言えば超常現象批判などに興味のある方なら知らない人はいないでしょう。そのガードナーによる新作が新世紀を迎えた今も読める事に喜びを感じます。(ガードナーは1914年生まれ)その多岐にわたる批判の対象は、ジャンルの壁を軽々と超えていますが、逆を言えば「トンデモ」というジャンルをしっかりとおさえています。

 この本では一般的に批判の対象として語られる「UFO」や「物理・技術」「天文学」に止まらず、「社会科学」や「心理学」なども解説していますし、特に心理学は現在も日本では信じられている(少なくとも一般レベルでは、その信憑性の保証に使われている)フロイトの夢判断などの誤りなどを的確に解説しています。

 ただし、あえてマイナス面を語るとすれば、「懐疑派の巨人」としてのマーティン・ガードナーの言葉をありがたがってばかりもいられません。そこには「東洋」に対する理解や知識の無さ(偏見とは違うでしょうが)ともいえそうな部分もあります。彼が批判している以上、ついつい「ホントかな?」と悩んでしまいそうになりますが、彼は「トンデモ民間療法」にホメオパシーや心霊治療と並んでアロマセラピー(?)、薬草治療(?)、そして鍼治療をあげていまし、過去の本でも「ツボ」をトンデモとして扱っています。これってどうなんでしょう?

 また、「人食い人種 −目撃者がひとりもいない不思議−」の章では対立する異文化や遅れた人種への偏見が「人食い伝説」を作り出したと言う説に、完璧な支持はしていませんが共感を抱いているとの事でした。しかし、例えば中国では「両脚羊」と呼ばれる人肉がかなり日常的に食されていたそうですし、これは異文化間ではなく同じ文化圏での文献ですので前述の理由でのデマ説の可能性はかなり薄くなるでしょう。

 とは言え、オススメ本である事は間違いありませんが、この本に期待する内容としては「インチキ科学の解読法」(多分、和訳で売れそうな名前を選んでこうなったのでしょう)と言うイメージよりも、原題の「DID ADAM AND EVE HAVE NAVELS?(アダムとイブにはヘソがあったか?)」の方が内容を表しているかな(笑)?(それにしても「NAVELS」って複数形なんだ…)

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