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早稲田大学政治経済学部「日本思想」(後期)

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早稲田大学政治経済学部「日本思想」(後期)

この講義では、近世を中心にして日本で展開された主要な思想潮流について説明・考察をする。近代から現代にかけての日本社会を考えるうえで、近世という時代は重要な意味をもっている。 それは類似性と異質性の両面からである。すなわち近世は今日の私たちからすれば意外なほど現代に通じる面をもつ。と同時に、近代や現代とは厳然と区別される質をもつ時代でもある。 現在の私たちの「常識」を意識的に理解し反省するためには、近世思想のもつ、このような両面性の考察が重要な支えとなるのである。
 この講義は基本的に通史形式でおこなわれるので、一つの問題関心が全体をつらぬくということはなかなかむずかしいが、つねに気にとめておきたいのは次の問題である。すなわち、人間像、社会像、宇宙像 (コスモロジー)、さらに神や超越的なものが相互にいかなる関係づけをもって考えられているのか。角度を変えていえば、政治的側面、倫理的側面、宗教的側面がどのように重なったりずれたりしているのか、という問題である。これらの独自の結びつきやかかわりあいのなかに近世思想の特徴があり、それはまたその前後の時代を浮きあがらせるものともなるだろう。講義でとりあげるのは近世が中心だが、思想史的な観点から重要な問題については古代・中世に属するものについても概説するよう心がける。
 具体的には儒学思想とその日本的展開についての説明が講義の中軸をなすことになろうが、近世の仏教思想や儒学批判でもある国学思想についても解説していく予定である。


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