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2002/07/31 【書評の短評】山崎浩一評・高橋秀実『からくり民主主義』/沼野充義評・内藤剛介『見るべきほどのことは見つ』/藤森照信評・吉田鉄郎『建築家・吉田鉄郎の『日本の住宅』』

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2002/07/31 【書評の短評】山崎浩一評・高橋秀実『からくり民主主義』/沼野充義評・内藤剛介『見るべきほどのことは見つ』/藤森照信評・吉田鉄郎『建築家・吉田鉄郎の『日本の住宅』』

先週末の収穫、まとめて簡単に
『朝日新聞』2002年7月28日朝刊
高橋秀実『からくり民主主義』/評者・山崎浩一
◇以前、他の新聞の書評で読んで気になっていた本。
あらためて気になったので、高田馬場の芳林堂で立ち読み。
統一教会の話を読む。合同結婚式の現場にたちつくす姿も面白いが、 統一教会の話から戦時中の日本基督教団まで話が展開している点に興味をひかれた。
自分とは価値観の異なるものに対して、どのようにかかわりを
もつのか。
「公共性」というテーマがこれに深く関わるということを、最近、
斎藤純一『公共性』を読んで知ったというのも付け加えておく。

『毎日新聞』2002年7月28日朝刊
内藤剛介『見るべきほどのことは見つ』/評者・沼野充義
◇書評自体がわくわくさせる。『毎日新聞』の書評は、いつも水曜日になると毎日新聞のウェッブサイトに掲載されるようだ。

吉田鉄郎著・近江榮監修『建築家・吉田鉄郎の『日本の住宅』』鹿島出
版会/評者・藤森照信
◇日本住宅について基本から知りたいと思っていたので。なんて、
実はこの書評を読んでから、そんな気持ちでいた気になってし
まったのだったりして。
たとえば、都築響一『TOKYO STYLE』は東京の一人暮らしの部屋を
多く収めた写真集だが、和英両方のことばで説明文が書いてある。
自分は日本人なので常識的なことは当然知っていると思っていたが、
この写真集のそういう部分を含めて書いている文体というのは
単に情報を得るというだけではなくて、ふだん何気なく見過ごして
いるさまざまな所作について反省をする、という多分に内省的な
修行のような(タイの仏教僧が、ゆっくり歩きながら自分の所作を
微細に観察するときのような)感覚を呼び起こす。
この『建築家・鉄郎の…』は英語で海外に向けて書かれた本の
日本語訳だそうで、時間を経て私たちの手許に届けられたことによって、伝統的な日本住宅の常識をもともと知らない私たちにとっても
新鮮な書となっているらしい。詳細は藤森による書評を参照して
ほしい。
この本も内省的な感覚を呼び起こすのかも、と少しわくわく
している。
以上、かけ足で。


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