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Last Update : Jan 31 2003 JST
特に関係のない画像
Photo : A Man Thinking Over.
以前に書いた,そこらへんのトピックです。まぁ,日記代わりみたいなものかも。


Jan 31 2003 [ コーヒーとお茶と ]

Link to : ZDNet 『BREWとは何か?──Javaとの違い』

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,私はくつろいでいる。
読んでいた本を閉じ,思い出したようにカップに残っていたコーヒーを飲む。
さすがにずっと同じブレンドばかりでは飽きてくる。
そういえば店に入って一度もメニューを見たことがなかった。ちょっと見てみるか。
 「ふーむ。飲み物はコーヒーしかないのか。」
 「コーヒーショップですから。」
聞こえたのか,ナカジマがさも当然そうに答えてくる。
 「お茶とかビールとか置いてたら,もうコーヒーショップじゃないでしょ?
まぁ,お客さんにとってみたら,喫茶(brew)店と同じようなもんでしょうけど,
ここは,『コーヒー』専門でやってるんだから,それは譲れません。」
 「こだわり,か。」
 「別にbrewの店が良くないとか云う訳じゃないんですよ。
コーヒーにこだわる人はコーヒーショップに,お茶はティーショップに,
お酒ならバーに行けばいいし,こだわらなければbrewに行けばいい。
要するに住み分けですよ。互いに消耗しないためのセグメント分け。
こだわりと云う程格好良い話ではないです。」
住み分けか。まぁ,確かにそういうことはあるだろう。
しかし,“住み分け”というのは簡単にできることではない。お金が絡めば特に。
 「で,結局コーヒーを選んだわけだ。brewではなく。」
 「そうなんでしょうね,結局。あとは世間の認知の問題ですよ。
コーヒーショップであれば,世界中誰でも『こだわってる』って思いますし。」
 「brewにはそれがない?」
 「いや,それはそれでかなりの『こだわり』があるかもしれませんけど。」
 「結局は,あとは客の気分ってわけか。」
そう云って,メニューを指差し注文する。

 「まぁいいや。ジャバ(Java)を一杯くれ。」

Jan 27 2003 [ Perfect Cherry Blossom ]

Link to : 上海アリス幻樂団 『東方妖々夢』(弾幕シューティングゲーム)

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,私はくつろいでいる。
思い出したようにコーヒーを一口飲み,ふと窓の外をみると,雪が降っている。
 「雪か…。」
自然に口からでた言葉に,カウンターで食器を洗っていたクロスが答える。
 「おや,降ってますか,雪。今日は,というかこの頃は寒いですからね。
まぁ,1月の雪,というのは別段珍しいものではないのですけど,
それでも,降ってくるのを見るだけでなんか余計に寒くなりますね。」
 「どうせ涼しくなるのなら,夏に降ってくれれば良いんですけどねぇ。」
云うと,クロスは苦笑して答える。
 「夏はさすがに無理ですけど,春に降る雪はなんか風情がありますよね。
桃花の色と雪の白色が絶妙な感じで。花見&雪見で一杯ってのは好いですね。」
花と雪か。確かにその組み合わせは意表をついていて面白い。
 「桜の時期まで雪が降ってたらダブル吹雪が楽しめるのになぁ。」
 「そうですね。異常気象に期待してみましょうか。」
二人とも口を閉ざし,窓の外の雪を見る。枝だけの桜並木に少し積もっている。
満開の桜と雪。よくよく考えてみると,そのイメージがどうも思いつかない。
 「確かにそれは異常気象だよなぁ。」
答えるわけでもなく呟いてみる。
 「そうじゃなかったら,なんか妖怪とか崇りとか。」

雪はそんな言葉など意に介することもなく降り続けていた。

Jan 25 2003 [ 模様替え ]

Link to : Vieas web 『Vieas, Tinuous(画像変換/簡易レタッチツール)』

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,私はくつろいでいる。
コーヒーを一口だけ飲み,本を閉じてカウンターの方を見ると,
店長らしき人物と,バイト(たしかナカジマとか云った)が,新聞の切り抜きをしている。
そういえば周りの壁(一部)は,スクラップやらポスターの切れ端やらで彩られており,
古いポスターとゴシップ記事の乱舞が,無国籍風の雰囲気を醸し出している。
どうやら,ナカジマ達が今やっている作業は,その“内装”の作成のようだ。
 「ブレンドをもうひとつ。」
空になったカップを指差し,カウンターに向かって云うと,店長がにこやかに応じる。
 「ブレンドひとつですね?はいどうぞ。」
店長(『店長 黒須』のプレートを付けている)がすぐさま新しいカップを出してくる。
 「前来た時も思いましたけど,この店はサーブが早いですね。」
話しかけると,クロスより先にナカジマが答える。
 「そりゃそうですよ。プロですもん。」
クロスがその後を滑らかに続ける。結構息の合ったコンビらしい。
 「それにお客さんはあなた一人ですしね。
いつオーダーが来るか今か今かと待ってたんですよ。
どうせならもっと凝ったもの頼んでくださったら,こちらとしても楽しいのですが。」
 「でも,カウンターで何か別の事やってたじゃないですか。」
 「あぁ,スクラップの事ですか。洗う皿がなかったんでやってたんですけどね。
それにしても切り抜き自体はただのルーチンワークですし,
頭を使うわけではないのですよ。手が自動的にやっているようなものです。
だから手が動いていてもオーダーにすぐ対処します。
頭の中はオーダー待ちの状態ですし,オーダーに手を抜くわけにはいきませんからね。」
 「ふーん,そんなことが出来るんですか。」
 「できますよ。何も考えずにまとめて切り抜けばいいんだから。」
ナカジマが答える。
 「要はそれっぽい雰囲気が出ればいいんですし。絵なんて見ずに切ってますもん。
絵とかは,まとめて処理しちゃっても結構良い感じの構図になったりしますしね。
今は暇だったので一枚一枚絵を切ってましたけど。」
 「ふぅん。」
なんかどうでも良さげな話だったので,話を変えるつもりで云う。

 「じゃぁ,何か凝ったものを頼もうか。」

Jan 21 2003 [ a common misconception ]

Link to : BBC 『中古PCに残っている企業秘密データ』

家に帰る道中に通りがかった公園で,ちょっとした人ごみを認める。
何かと思って近寄って見ると,男達の会話が聞こてくる。
 「今日は思ったより盛況でしたね。」
 「掘り出し物があるわけではないけど,ま,何と云うか
今回はきちんと手が入っていたのが多かったしね。それが良かったんじゃない?」
 「買った人も大事にするんでしょうかね?」
 「さぁ?それは知らないけど。でもまぁ,ティン・トイ(ブリキのオモチャ)って,
結構マニアが多いからねぇ。きちんと手入れされたモノだったら,それなりに,
やっぱり丁寧に扱うんじゃないかな。ていうか,そうだったらいいけどな。」
どうやらオモチャのフリーマーケットをやっていたらしい。
そういえば,そういうのを持って歩いていた人とすれ違った気もする。
 「そういや,前の持ち主がオモチャを丁寧に扱っていたか,そうでないかって,
買った人にはすぐわかる訳ですよね?それって良く考えてみるとやだなぁ。
自分が全く知らない人に自分の性格を知られるわけですし。」
 「それは被害妄想だって。他人がそんな事気にするわけ無いだろ。
別に何かの暗証番号彫ってるわけでもないし。それに,そんなに気になるなら,
売ったりせずにハンマーでぶち壊せばいいじゃん。」
 「そこまでする気はないけど,でもやっぱりちょっとね。」
とくに興味の無い会話だったので,それ以上聞くことをやめて歩み去る。

歩きながら,先ほど聞こえていた会話を反芻する。
ただ,一つだけ気になることを男達は云っていた。
 『気になるならハンマーでぶち壊せばいいじゃん。』
きっと,自分の秘密を,ハンマーで叩き壊してまで守ろうとしている人は余りいない。
それは,ただ単に自らの情報を守ろうとする意識が足りないのか。
或いは,秘密というのは結局そこまでする価値が無いのかもしれない。
人から被害妄想だと云われるのが嫌なのかもしれない。
そこまで考えて,ふと我に返る。

(自分の『秘密』に,価値なんてあったかな)

Jan 17 2003 [ It's a wake-up call. It's a rallying cry. ]

Link to : ZDNet 『米最高裁、議会による著作権期限延長を容認』

人通りの少ない道を歩く。夕方にもなると,まだ冬の寒風がきつい。
たまにすれ違う人々も,自分の帰り道以外に目を向けることなく歩き続けている。
 (冬は個性すら殺す)
皆同じ方向へと歩き続けるまばらな人の流れにのりながら,そんなことを考える。
ふと目を空に向け,また道に戻したとき,そんなステレオタイプの流れの中に,
不自然に開けた空間を認める。そして,そこに座る人物と周りの油絵を。
―夕方の路商というのも,ステレオタイプかもな―
そう思っても,まぁ他の通行人よりは確かに興味を引く。
ちょうど横を通るときに,何気ない感じを装い立ち止まって絵を見てみることにする。
一枚一枚全て感じは違うが,絵は全てゴッホの『ひまわり』だった。
 「安イヨー。コレナンカドウ?」
目があったときに座っていた男がすり減らした笑い顔で声をかける。
絵のことなど判りはしないが,良い出来のように見える。5,000円。まぁこんなものか。
 「売ってるのは『ひまわり』のコピーだけですか?」
そう聞くと,答えを準備していたのだろう,男は急に流暢に語りだす。
 「コピーじゃないよ。コレは『カヴァー』よ。
ゴッホはインスパイアされたけど,コレはオリジナルなワタシの作品よ。」
 「どう,違うんですか?」
 「ゴッホはこの絵を描いてないよ。良く似てるケド違うよ。」
私は苦笑する。確かにそうだろう。これはゴッホの作品ではない。それは明らかだ。
そして,インスパイアされたというのであれば,それもまた本当だろう。
しかし,ゴッホのひまわりを持ってきて,『カヴァー』と言い切るのはどうだ?
そこまで考えて,唐突に答えに思い至る。明確な区切りなど存在しない,と。
ならば,なぜ『コピー』と『カヴァー』という言葉が存在する?
もう一度,目の前の男に聞いてみる。
 「『コピー』と『カヴァー』はどう違うんですか?」
 「誰でも真似できるようなのはコピーよ。ゴッホは誰にも真似できない。
だからワタシのセンスでワタシの『ひまわり』を描くよ。
これは正真正銘,ワタシの作品よ。ゴッホが欲しい人はどうせコレ買わない。
ワタシが売っているのはワタシの作品よ。
それでも,どうしてもコレをコピー呼ばわりするなら,
それは簡単にコピーされるようなもの作る方が悪いのよ。オリジナリティ無しよ。」
なるほど。一理ある。
簡単に真似できないからこそ価値がある,というわけだ。
男は続ける。
 「だからワタシはカヴァーを描くよ。オリジナルへのリスペクトを払って。
カヴァーは悪くない。でも法律では悪い。間違ってる。偉い人にはソレが判らないよ。」

 「そうですか。じゃあ,やっぱりコレは買わないことにします。
オリジナルへのリスペクトを払って。」
 「そういうこともあるよ。」
男はそう云って笑った。

Jan 14 2003 [ Let's be better. ]

Link to : CATMAN series II Episode 7, shockwaveアニメーション

閑散としたコーヒーショップの通り側の席で,読むでもなく本を開いている。
ふと窓の外を見ると,相変わらず人通りも殆ど無い。
 「ホント,平和ですよね。」
しみじみとナカジマが云う。
 「そうだな。」
今,この時も世界中の何処かで確かに戦争が起こっている。別にその事を
考えていたわけではないが,ふと,自分が余りにも惰性で生きていると感じる。
 「平和というのは,無知の裏返しかもしれない。
そう考えると,このまま無為に過ごしていいか疑問に思うけどな。」
 「哲学ですねぇ。」
ナカジマがのんびりと返す。別に他意もないようなので,
ブレンドを一口飲んでからそのまま続ける。
 「人は多かれ少なかれ,平和なり満足なりを求めて生きている。
だったら,無為を平和と勘違いするのはその人にとって不幸と云う事になるだろう?
平和と言うのはあくまで永遠の到達点であるべきで,現状ではないはずだ。」
 「やっぱり哲学ですねぇ。普通の人はそこまで考えませんよ。」
やはりのんびりと返しながら,ナカジマはテーブルの向かいの席に腰掛ける
(本来なら店員の行動ではないが,誰も気にするわけでもない)。
 「―てことは,普通考えないことを考えるきっかけがあるわけですよね?」
 「きっかけって程でもない。ただ現状に満足してないだけだ。」
 「へぇ?」
ナカジマが聞き返してくる。イラつく反応だ。
 「ただの暗示だよ。もっと良い未来があるっていう,な。
いや,未来じゃないな。きっと,もっと良い『自分』がいるっていう暗示だよ。」
 「自己啓発ってやつですか?自分と対決して見つめなおすっていう。」
 「どうだかな。」
云って,立ち上がりながら伝票をナカジマに突きつける。
 「お帰りですか?―困ったな,まだ閉店まで時間があるのに,
お客がいなくなっちゃう。まぁ,暇なのもいいけど。」
苦笑しながらナカジマはレジを打つ。
 「有難う御座いましたー。またお越しくださいませー。」
独特のイントネーションで決まり文句を云いながら,ナカジマが云い添える。
 「外は平和じゃないですよ?」
 「だから楽しいのさ。」
ドアを開け,外に出る。
そう,だから楽しいのだ。平和は求めるもの。
いつの間にか暗くなっていた空に星を求めながら,雑踏の中に歩き出す。

Jan 10 2003 [ ハイスピード ]

Link to : Apple's Web browser, or [ safari ]

閑散としたコーヒーショップの通り側の席で,読むでもなく本を開いている。
ふと窓の外を見ると,いつの間にか人通りも殆ど無い。
 「平和ですよねー。」
後ろのカウンターからナカジマが平和と言うよりは暇そうに云う。
私も暇そうに言葉を返す。客扱いされてないのが気になるが,雑談は悪くない。
 「平和というよりは不景気だな。」
 「全くですよ。暇なのはいいんですが潰れたら元も子もないですし。
ホントに潰れてしまったりしたら,そのときは別の仕事探しますけどね。」
 「潰れる前にクビになるさ,こんな五月蝿いバイトは」
 「確かにそうかもですねぇ。でもまぁ良いじゃないですか。
別にクレームつけるお客さんもいないんだし。実際ヒマなんだし。」
 「ここに『お客さん』がいるんだが?」
 「あぁ,大丈夫です。次の注文のときはちゃんとしますよ。」
 「じゃあ,ブレンドお代わり。」
 「はい。ブレンド入りまーす。」
2秒と待たずにテーブルのソーサーが取られ,
代わりに湯気を立てる新しいカップがテーブルに置かれる。
 「早いな。」
 「有能なバイトですから。」
 「へぇ?」
 「そこらの有名ショップより,3倍はサーブが早いですよ。当社比で
別に,売り上げが上がるわけでもないし,だからどうだと云われると困りますが,
このストレスを感じさせないスピード。これだけは譲れません。」
 「確かに早いな。だったら有名ショップで働けば良いのに。」
 「私はこの店の雰囲気が好きなんですよ。ちょっとばかり閑散とはしてますが,
この優美さと落ち着きは有名ショップには出せません。」
私はカップに口をつけ,窓の外の変わらない風景を見やる。

 「落ち着き,ねぇ。」
 「そ。落ち着き,です。」
落ち着きなど微塵も感じさせない口調で,ナカジマも窓の外を見やる。

Jan 08 2003 [ ビーフサンドの味 ]

Link to : Wired News 『クローンベビーはでっち上げ』

読んでいた本を閉じる。
見渡すと,相変わらず店の中に他の客はいない。
すっかり冷めてしまったコーヒーを一気に胃の中に流し込み,
口直しに,カウンターの中にいるバイトにビーフサンドとコーヒーをもう一杯注文する。
 「パストラミビーフサンドと,ブレンドですね」
ナカジマという名札をつけたその男は,そう云いながらも視線を離そうとしない。
 「ホントは食べる前のお客さんにこんな事言っちゃだめなんですけどね,
チラシにも書いてないんですけど,このビーフってクローンなんですよ。」
 「え?」
ついナカジマの顔を凝視する。悪戯が成功した子供のような顔。
 「もちろん嘘ですよ。ちょっとした冗談。でも,そう聞くだけできっと,
このビーフサンドの味は変わっちゃいますよね。もちろん実際にはクローンじゃないし,
例えクローンだったってそこら中にありふれてる。でも,いきなり云われるとやっぱり,
何というか…,びっくりするでしょう?これがこのメニューの隠し味ってわけです。
はい,パストラミビーフサンドとブレンドコーヒーどうぞー。」
悪びれずに云う。メチャクチャな隠し味もあったもんだ。
トレイを受け取り,とりあえず席についてビーフサンドを食ってみる。
確かにそう云われると変な味がするような気もする。もちろん,プラスの意味ではなく。
表情に出たのだろう,ナカジマが言い訳するように,
 「あはは…,あ,気分を害したのならすいません。悪気は無いんですよ。ただね,
味が変だってことは,クローン=何か悪いものってイメージを持ってるって事でしょう。
それってつまり,カルトっぽいイメージと合致しちゃうって事なんですよ。
だから,どっかのアホ宗教団体が,嘘のクローンをでっちあげたりするんですよ。
実際,それだけで一気に知名度が上がったりしてますし。
 「まぁまぁ,そう怒らずに。何の因果かお客さんはあなた一人。
ちょっとばかり雑談してたっていいでしょう。暇なんだし。」

なんとなく怒る気も失せて,変な味のビーフサンドを平らげる。
まぁ,確かに暇なんだし,こいつの雑談に付き合うのも悪くない。

Jan 07 2003 [ ネタが無いのでとりあえず戯言 ]

Link to : None

目の前の人通りはそれなりに多い,でも店内は閑散としたコーヒーショップの中。
頼んで直ぐに出てきたブレンドコーヒーを一口飲み,先ほど買ってきた本を取り出す。
本屋をぶらぶらしていて,別に買おうと思っていたわけではなく,
気がつくと手に取っていた本。著者も内容も知らない。
別に興味があるわけではないのでそれはそれで当然なのだが,
あくびをかみ殺しながらハードカバーの表紙をめくり,もう一口コーヒーをすすり,
むしろ意識的に,かかっている音楽を頭から追い出して,未だ見ぬ世界に没頭する。
別に面白いわけではなく,劇的なわけでもなく,日常的で,退屈で,
だけど先に待つストーリーが読めない世界に。

現実では,2003年が動き出していた。
本のページをめくる音よりも静かに。

鉄腕アトムが誕生するかもしれない年。
イラクが戦乱に巻き込まれるかもしれない年。
北朝鮮が,国ではなくなるかもしれない年。
もしかしたらアメリカの大統領が暗殺されるかもしれない年。
ほぼ間違いなく日本経済が破綻する年。
何かを見守っているのか,息を殺して潜んでいるのか,それとも耳が遠いのか,
政治の,経済の,産業の音は聞こえず,ただ遠くに遠雷に似た音が聞こえるのみ。

とりたてて言うことが無い,余りにも無い一年の始まり。
それはつまり,ネタがないということでもある。

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