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Last Update : Feb 23 2003 JST
特に関係のない画像
Photo : A Man Thinking Over.
以前に書いた,そこらへんのトピックです。まぁ,日記代わりみたいなものかも。


Feb 23 2003 [ アナログへと進むデジタル ]

Link to : Wired com 「Why Analog Is Cool Again」

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,しかし私はくつろいではいなかった。
 「お仕事ですか?大変ですねぇ。」
コーヒーのお代わりとミラノサンドをテーブルに持ってくるときに,
大変とは露ほどにも思っていない口調でナカジマが云ってくる。
 「まったく,下手にパソコンや携帯とかが普及したせいで,家でも外出先でも,
仕事から解放されるときがない。ITで効率とか革命とか色々云われるけど,
効率が上がったとか云っても,結局は自由な時間なんて増えやしない。」
だからつい,愚痴ってみたくなる。
アナログからデジタルに変わって,本当に効率は上がったのか?
本当に仕事のやり方は変わったのか?そもそもデジタルってなんだ?
 「アナログとデジタルの違い?コピーや編集が簡単になる,それだけですよ。」
ナカジマが答える。分かるような分からないような話だ。
 「要するにですね,アナログデータはほぼ無限のデータを持っています。
ただ,それだとデータが多すぎて完全なコピーが取れませんし,
例えコピーしてもそれはオリジナルとは別物になってしまいます。
だから,データを間引いて少なくし,完全なコピーを取れるようにした。
それが今現在云われている『デジタル』です。
つまり,デジタルになって仕事の効率が上がる要素といえば,
『コピー』が簡単になる,という事だけなんですよ。」
そう云われると分かる気もする。PCを使い出して,コピー機を使う機会は確かに減った。
ナカジマは続ける。
 「今の『デジタル』は,だから完全ではありません。
コピー可能なまま,間引くデータを如何に少なくするか,
言い換えれば,如何にアナログに近づくかが,『デジタル』に残された課題です。
そしてそれができたとき,初めて,仕事全部がデジタルの恩恵を受けられるのですよ。」
 「デジタルの恩恵って?」
ナカジマはちょっと勿体ぶって答える。

 「アナログ,つまり実体をコピーしてネットワークで再生できる。
つまり,擬似的な『ワープ』ができるようになるってことですよ。」

Feb 17 2003 [ 有害な研究 ]

Link to : BBC News 「Bioterror fears muzzle open science」

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,私はくつろいでいる。
空になったカップをテーブルに置き,買ってきていたビジネス雑誌を広げる。
毎週のように登場する新技術。これらを把握することは非常に重要だ。
 「おや,何か目新しいものがありましたか?」
コーヒーのお代わりを持ってきたナカジマが聞いてくる。
 「うーん,目新しいといえばどれもそうだけど,『これ』ってのはないなぁ。」
 「最近の注目技術ってどんなのでしょうね?」
 「やっぱりバイオとかナノテクとかだろう。医療とか電器とか利用分野も広いし,
実際,これから伸びそうな感じもするし。でも詳しくはないけどな。」
答えると,カウンターでカップを拭くクロスも話しに加わってきた。
 「バイオテクノロジーとかって,話を聞くことは多いですけど,
詳しい話となると,専門誌とかを見てもあまり見つかりませんよね。
噂だけが先行して,結局ホントのことが判らなくて,
UFOとかみたいに,誰か重要な情報を隠してないかって疑いたくなります。」
 「UFOみたいにっていうと,やっぱり軍事利用とかのためでしょうかね?」
 「そうでしょうね。あと最近はテロとかに過敏ですから,『使える』技術は
公開なんてするわけにはいかないのでしょう。特にアメリカは。」
 「でも,そしたら,ウイルスに対するワクチンの技術とかも開発が遅れるな。
メリットよりもデメリットの方が大きそうだ。」
カップを拭く手を止めて,クロスは少し考え,答える。

 「あの国はそんな長期的なデメリットまで考えてませんよ,きっと。」

Feb 13 2003 [ ニューロマンサーへの軌跡 ]

Link to : ZDNet 「ニューロンとチップを直接接触、電気信号読み取りに成功」

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,私はくつろいでいる。
ちょうど本を読み終わり,ふとテーブルに目を戻すと,
頼んだ覚えのないコーヒーが湯気を立てていた。
 「これは?」
 「いつもご贔屓にしてもらってますから,サービスです。」
カウンターからクロスが答える。彼自身もコーヒーを飲んでおり,
どうやら自分の休憩用のついでに淹れてくれたらしい。
 「ありがとう。ちょうど何か頼もうと思っていたところでした。」
 「やはりそうでしたか。そういう気がしてたんですよ。」
 「何故?」
 「いや,理由を聞かれても困ります。なんとなくですよ,なんとなく。
でも,結構『なんとなく』ってのも侮れませんよ?実際。
どっかの偉い学者さんならハッキリ答えられるかもしれませんが,
それよりも感覚で気分を読み取るってのが風流じゃありませんか。」
そこまで云い,クロスと私はそれぞれ自分のコーヒーを飲む。
 「じゃあ,気分を理論的に読み取ったら『風流』じゃないんでしょうかね?」
 「さぁ,どうでしょうか。風流の定義にも因るんじゃないですか?
例えば今,『自然』という言葉が,打ちっぱなしのコンクリートも含んでしまうように,
言葉の定義や,人の感覚は,常に環境に応じて変わっていくでしょう。」
 「もしかしたらそのうち,機械を使った人とのコミュニケーションが,
『風流』だと云われるようになったりするんでしょうかね。」
 「もしかしたら,既にそうなっているかもしれませんよ。」

そういってクロスはこちらを見る。
 「機械はいつでも,人間を理解しようとしているのですから。」

Feb 08 2003 [ 迷惑防止ツール ]

Link to : Social Mobiles 「How do YOU feel about mobile phones?」

家へ帰る電車の中,誰かの着信メロディが鳴り響く。
 「あーもしもし,俺だけど。え,何?知らねーよそんなの。…」
近くの席に座っていた男性にかかってきた電話のようだ。
別に電車で電話使うなとは云わないが,それにしても声が大きい。
まぁ,慣れればそれほど気になるものでもないし,
注意してからまれるのも嫌なのでそのまま我慢していると,
同じ事を考えていた人が居たのか,会話が聞こえてきた。こちらは小声だ。
 「電話の声ってどうにかならないんかなぁ。周りには声が聞こえない電話とか,
そういうのがあったら凄い売れると思うんだけど。」
 「どうだろ。なんか喋ったら電撃とか,罰ゲームをつけるってのはどうだ?
電気イスやってないと通話できないとか,なんかポーズを決めないとダメとか。
恥ずかしくてきっと人前では電話できないぜ。」
 「ヤな電話だな。たぶん効果あるだろうけど,誰も買わないよ。」
 「そうかなー。結構いいアイディアだと思うんだけど。
あ,そうだ。ドクター中松の『ウデンワ』とかだったら,絶対人前で出せないって。」
 「電車で喋ってる奴に嫌がらせできる機能とかも欲しいね。できれば匿名で。」
 「うーん,それもいいかもなー。」

話を聞くでもなく耳に入れながら,ひとりごちる。
 『実はあるんだよなぁ。』

Feb 04 2003 [ 紛い物の星 ]

Link to : HOTWIRED JAPAN 「ブラウザーを乗っ取るアドオン・ツールバー『Xupiter』」

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店内で,私はくつろいでいる。
読んでいた本を閉じ,窓の外を見ると既に暗くなっている。もう時間も遅いようだ。
窓の外―東の空を見ると,木星が昇ってきていた。
 「星が良く見えますね。」
云うと,カウンターから,カップを拭く手を止めずにクロスが答えてくる。
 「え?あぁ,そうですね。今日は良い天気でしたから。
それに,このあたりはちょっと閑静な通りですから,余計に良く見えるのでしょう。」
 「閑静というよりは,閑散と云うほうが合っている気がしますけど?」
 「否定はしませんけどね。」
苦笑しながら,クロスもカップを拭く手を止め,窓の外を見る。
 「ホント良い天気ですね。今夜も冷え込みそうだ。
あれが冬の大三角形で,こちらが蟹座―でしたっけ。木星も見えますね。」
クロスは,木星とは微妙に違う方向を指しながら云う。
 「木星はそっちじゃないですよ。」
 「あれ?じゃああれは何だろう?」
私が訂正すると,クロスは首を傾げる。しばらく虚空を見あげ,そしてまた首を振る。
 「まぁ,UFOということにでもしましょうか。」
 「UFO?」
 「星になりすまして人間を欺くような,悪い奴等ですよ。きっと。
どっかの星で罪を犯して,地球に逃げてきたところなんです。」
クロスは適当に,しかしどこか楽しげに云う。
 「木星になりすましても,すぐにバレるのは目に見えてるだろうにねぇ。」
私も付き合って答えると,クロスがまじめくさって答える。

 「知らない人間にはバレないもんですよ,意外と。
そして侵略されてから云うんです。『あの時のあれがそうだったんだ』ってね。」

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