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Last Update : Mar 25 2003 JST
特に関係のない画像
Photo : A Man Thinking Over.
以前に書いた,そこらへんのトピックです。まぁ,日記代わりみたいなものかも。


Mar 25 2003 [ バックアッパー ]

Link to : BBC News 「Firms 'ill-prepared for disaster'」

今日は,一日中デスクトップに向かって,報告に使う資料を作成していた。
今は年度末だ。オフィスにいる殆どの人間は同じような姿勢で,
同じように頭を抱えて資料とのにらみ合いを続けている。
暫く動きを止め,急に動き出して少し文書を変更してはまた考え込む集団。
―傍から観ると甚だ非効率な集団かもしれないが,
自分がその一員だと思うと笑う気にもなれないな―
そういうことを考えていると,ふいに,誰かが文字通り天を仰いで絶叫した。
 「凍ったー!」
一瞬,皆がそいつの方を向き,そして,誰も何も言うことなく,
幾許かの同情と,“俺はPCがフリーズしても取り乱したりしない”という表情をうかべ,
それぞれが「Ctrl-S」を一度押して,また自分の作業に戻る。
しばらくして,また誰かが絶叫する。
 「起動しない!」
再び,皆が声の方を向き,そして,誰も何も言うことなく,
幾許かの同情と,例の“俺は取り乱したりしない”という表情をうかべ,
そこで,自分のデータが,自分のPCにしか入っていないと言うことに気付く。
また声がする。
 「え?これってウイルス?…俺もだ。起動しない」

オフィスの全員が,“取り乱してないぞ?”の顔で,凍りついた。

Mar 17 2003 [ 言霊 ]

Link to : CNN.com 「Study: Spell-check can worsen writing」

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
いつものように窓際のテーブルに陣取り,コーヒーとサンドを注文して
スタンバイ状態のノートPCを広げて,画面に映っている作業途中の文書を推敲する。
五月蝿い給仕のナカジマの相手もせず,一心に文書の世界に没入していく。
…ここはこう表現した方が良いか?いや,それだと断定のニュアンスが強すぎる…。
あれこれ考えながら,PC画面のWord文書をいじくりまわしていると,
いつのまにか,画面の文書には赤や緑の,波線のアンダーラインができている。
その表現は間違っていると,ソフトウェアが教えているのだ。
しょうがない。
ひとつため息をつき,何度も読み直した文書をもう一度,読み直す。
文の一部を直すときは,全体の脈絡を常に意識する必要があるからだ。
するとまた,他の箇所の表現が気になりだす。やはりここも別の表現にすべきか…。
きりがない。もうひとつため息をつき,すっかり冷えたコーヒーを飲む。
 「よく分からないけど,頑張ってますねぇ。」
おかわりのコーヒーを注ぎながら,ナカジマが話を振ってくる。
 「大したことじゃないけど,ちょっと文の校正をね。
なかなか思い通りの表現ができなくて,ちょっと煮詰まってたんだよ。
自分の云いたい事を適切に表す表現を考えるなんて事は,他に頼めないしな。」
 「へぇ,なんか書いてるんですか。ちょっと読んで良いですか?」
 「あぁ,というか,こちらからお願いするよ。いい文章を書くには,読み手が必要だ。
それは自分ではできないことだし,機械が代わりにやってくれるわけでもないしな。」
 「機械はやってくれませんか?」

 「あぁ。絶対に無理だろうね。」

Mar 12 2003 [ 小さなムッシュ ]

Link to : NE Online 「世界最小の本格的ロボットシアター」
Link to : ZDNet 「SDカード新規格「miniSD」発表 携帯電話用にさらに小型化」


閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店の,窓側のテーブルにノートPCを広げ,
私はふと思い出したように,傍目にも慌てて鞄の中を漁っていた。
 「何か無くなったんですか?」
 「いや,ちょっとメモリーをね。バラで鞄に放り込んだから,
書類に紛れ込んだみたいで。…お,あった。」
ブレンドコーヒーを持ってきたナカジマの質問に答えながら,メモリをPCに差し込む。
 「へー,最近のメモリって,そんなに小さいんでしたっけ。
確かにどっかいきそうだなぁ。逆に不便なんじゃないですか?そう小さいと。」
 「どうだろうな。まぁ,慣れだよ,慣れ。」
 「そんなもんですかね。」
 「最近は何でも限界まで小さくなるからねぇ。便利かどうかは知らないけど,
小さい方が場所とらないのは確かなんだからやっぱり便利なんじゃないか?
小さくなればなるほど値段が高くなってるような気もするし。」
ふーんと唸りながらナカジマはカウンターへと戻る。
 「小さい方が値段が高いなら,ウチもそうしようかな。
ブレンドコーヒーはカップ半分で値段2倍とか。ダメかなぁ。やっぱり。」
 「それは困る。」
苦笑して,ナカジマの呟きに答える。
 「何でも小さきゃ良いってもんでもないだろう。ダイエット食品じゃあるまいし。」
 「そうか。ダイエットコーヒーって名前にすればいけるかも。」
 「おいおい。そもそもコーヒーにダイエットも何も関係ないだろう。」
 「あーそうか。残念〜。でも,小ささだけがウリの商品って多いですよねぇ。
何でスゴい気がするんだろ。だって小さいだけなのに。」

 「気のせいだろ。気のせい。」

Mar 06 2003 [ 表玄関の扉 ]

Link to : Wired Japan 「グーグル検索を利用してデータベースを簡単にハッキング」

仕事を終えた家への帰り道に,いつも気になっていることがあった。
それは近所の家の物置のことだ。
その家からは完全に死角となっている庭の隅に建つその物置は,
外からも微妙に中が見えるくらい,いつも扉が開いていた。
目を凝らすと,中にはなにやら骨董品や調度品の類が見え,
価値が有るかどうかは分からないが,それでも十分に私の興味を引いた。
そしていつか,帰り道にその物置を眺めることがちょっとした日課になっていた。

ある日,いつもと同じように怪しくないように気をつけながら物置を覗くと,
いつもなら見えるはずの骨董の壺や香炉が,無かった。
相変わらず扉が開いていることを考えると,誰かが片付けた,という訳ではないだろう。
きっと,私と同じことに気付き,ちょっと悪戯心が強い者がいたのだ。
ふと家の方を見てみるが,別段変わった様子も無い。きっとまだ気付いていないのだ。
自分の家が泥棒に入られたことに。

そこまで思い至ったところで,急に背筋が寒くなった。
自分の家は大丈夫だろうか。自分の世界に,閉じていない扉はなかっただろうか,と。
もしくは,そもそも自分が存在すら知らない扉がどこかにあるのではないか,と。
その考えは,一度思いつくと中々頭から消えなかった。

Mar 02 2003 [ 動き出す,神の拳 ]

Link to : Wired News 「Net Gurus Rally Anti-Spam Forces」

閑散とした通りに面した,目立たない一軒のコーヒーショップ『CLOSED』。
当然のように客のいないその店に入り,ブレンドとサンドを注文して,
テーブルの上に新聞を広げ,PDAでメールをチェックし始める。
ここ最近の日課だ。例えば今日のような休日でも,欠かすことはあまりない。
 「ベーグルサンドとブレンドコーヒーになります。なんか面白い記事ありました?」
給仕のナカジマの声を聞き流し,紙面の文字を追う。1面,2面,3面,…。
息抜きにスポーツ欄と広告を見ながら,メールを【緊急】【重要】【ゴミ箱】に分ける。
特に最近は【ゴミ箱】のメールが多い。訳の分からない広告メールの類だ。
いくら迷惑メールに設定しても,その数が減ることはない。
手を変え品を変え,発信元も変えながらメールを送りつけてくる。
 「特に際立ったニュースはないな。そこのスーパーの特売くらいだ。
メールの方なら,一攫千金とかいろいろ来てるけど。まぁ所詮はゴミメールだし」
 「一攫千金ですか。面白そうじゃないですか。ちょっとやってみたらどうです?」
 「別に応募したって返事なんか返ってこないさ。この手のダイレクトメールの多くは
メールを送りつけること自体がビジネスで,中身は問題にならないんだ。
それこそ詐欺の役にも立たない,ただジャマなだけの文章さ。」
 「へぇ。じゃあホントに完全なゴミメールなんですねぇ。その手の広告って。
なんか詐欺とか一部に需要があるとか,そういうもんだと思ってましたけど。」
 「そういうのもあるさ。」
 「どうやって見分けるんです?」
 「まぁ,無理だろうな。個人の対処としては,無視するってのが精一杯だ。
組織でも,今までは倫理感覚や会社の規約でしか対応できなかったしな。
最近では,法を整備してその強制力でなんとかしようとし始めてるが,
それにしてもまずはゴミメールかどうかの見分け方を決めるのが先だろうな。」

 「誰かにとってのゴミが,誰かにとっての宝の山かも知れませんしね。」
 「だからってゴミを送りつけるのを許すわけにはいかないがな。」

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