■行政代執行法についての覚書

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行政代執行法に関するまとめがき・覚書です。ご参考までにどうぞご覧ください。

■行政代執行(Verwaltungsersaztvornahme)

●代執行の定義

第1条 行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる。

第2条 法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(「他人が代つてなすことのできる行為(1)」に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、「他の手段によつてその履行を確保することが困難(2)」であり、且つその不履行を放置することが「著しく公益に反する(3)」と認められるときは、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は「第三者(4)」をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から「徴収(5)」することができる。

(1) 行政代執行の対象は「代替的作為義務」である。

※「国家公務員宿舎に入居し、退職後猶予期間を経過しても尚宿舎を明渡さない入居者に対し、宿舎管理者は行政代執行法に基づき明渡しの強制執行をすることができる(国家1種)」(×)。

(2)(3) この要件があるので「義務者の義務不履行を理由として直ちに代執行の手段をとることは許されない」。

※「行政庁は義務者の不履行があれば、他に容易な手段があっても代執行を行うことができる(地方上級)」(×)

(4) 代執行手続は、義務履行を強制しうべき権限を有する国の行政官庁および地方公共団体の長に代わる「第三者」よってもこれをなしうる。

※「代執行は行政庁が自ら行うことができるほか、私人である第三者に行わせることもできる(地方上級)」(○)

(5) 第6条参照。

●代執行の手続

第3条 前条の規定による処分(代執行)をなすには、「相当の履行期限(6)」を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、予め「文書で戒告(7)」しなければならない。

2 義務者が、前項の戒告を受けて、指定の期限までにその義務を履行しないときは、当該行政庁は、代執行令書をもつて、代執行をなすべき時期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用の概算による見積額を義務者に「通知(8)」する。

3 非常の場合又は危険切迫の場合において、当該行為の急速な実施について緊急の必要があり、前2項に規定する手続をとる暇がないときは、「その手続を経ないで(9)」代執行をすることができる。

履行期限の設定(6)→文書による戒告(7)→代執行見積額などの通知(8)

(9) 「非常又は危険切迫」の場合、(6)〜(8)省略化。

※「行政庁は、代執行を行う場合には、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされにあと帰は代執行をなすべき旨をあらかじめ文書で戒告しなければならず、非常の場合又は危険切迫の場合でもこれを省略することはできない(国家1種)」(×)。

第4条 代執行のために現場に派遣される執行責任者は、その者が執行責任者たる本人であることを示すべき証票を携帯し、「要求があるとき(10)」は、何時でもこれを呈示しなければならない。

(10) 執行責任者たる本人であることを示すべき証票は「要求があれば」提示しなければならない(要求がなければ提示しなくともよい)。

「代執行を行う場合には、現場に派遣される執行責任者は、本人であることを証明すべき証票を携帯しなければならず、代執行に着手する時には、相手方の要求の有無にかかわらず、これを提示しなければならない(国家1種)」(×)。

第5条 代執行に要した費用の徴収については、実際に要した費用の額及びその納期日を定め、義務者に対し、文書をもつてその納付を命じなければならない。

第6条 代執行に要した費用は、国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。

2 代執行に要した費用については、行政庁は、国税及び地方税に次ぐ順位の先取特権を有する。

3 代執行に要した費用を徴収したときは、その徴収金は、事務費の所属に従い、国庫又は地方公共団体の経済の収入となる。

参照田中二郎『新版行政法上巻』全訂第2版(1974年・弘文堂)173−174頁