医薬翻訳の通信教育・添削講座


医薬翻訳を始めたいので、とりあえず通信教育でも申し込んでみようかなぁ〜と思う人は結構いると思う。通信教育って有効なんだろうか?医薬品では有効性を調べるときに臨床試験をする。患者を試験に登録して、A群には新薬を投与し、B群には偽薬(プラセボ)を投与する。有効性の評価項目に関してA群の方が良い結果が出れば、その新薬は有効性があると判断できる。このとき登録する患者は誰でも良いというワケじゃない。新薬の効果が出やすい患者を選ぶ。有効な薬でも末期患者に投与したら効かないし、喘息の薬を糖尿病患者に投与しても糖尿病には効かない。当たり前だよね。では、医薬翻訳の添削講座を受けて効果が出る学習者ってどんな人だろうか。

辞書を持ってない人が通信講座を受けても効果は期待できない。5万円の通信教育を申し込む前に、5万円分のCD-ROM辞書をパソコンにインストールしておく。リープラとかランダムハウスのような英和辞書のほかに、医学辞書を買っておく。英辞郎は便利だが、それひとつだけでは到底無理だ。8万円の添削講座を受けるなら、8万円分の辞書をインストールしておこう。

添削を申し込む前に、医薬品の添付文書をひとつ音読しよう。自分が花粉症だったらアレルギーの薬、父親が高血圧だったら降圧剤とか、興味が持てる分野の添付文書をダウンロードしよう。添付文書はタダだけど、非常に勉強になる。できれば、経口剤と注射剤の添付文書をひとつずつ読もう。それで、どーもよく分かんないという部分があったら、その用語を調べておこう。

医薬翻訳を始めるなら、英語で書かれた医学論文をひとつ読んでおこう。米国医師会雑誌(JAMA)なら毎週1報タダでPDFをダウンロードできるので、とりあえず1回音読する。図表も読む。理解度は問わないけど、最後までひと通り音読する。将来はこんな文書も翻訳するんだな〜としみじみしよう。なんかやんなっちゃったと思ったら、通信教育を申し込む前に少し考えよう。なぜ「いやになっちゃったんだろうか?」ひとつは、普段からまとまった量の英文を読んでいないのかもしれない。試しに駅前のコンビニで英字新聞を一度買って、数ページ読んでみる。やっぱりイヤになったら、医学知識が問題ではなく、英文を読む量が少なすぎるのかもしれない。和訳するしないに関係なく、まずある程度の英文を読めないことには始まらない。英字新聞なら苦痛ではないが、JAMAのPDFはしんどい場合・・・英語で書かれた「患者向けのパンフレット」をネットで探して音読してみよう。それで内容に興味が持てるなら大丈夫だと思う。やっぱり面白くないと感じたら、ほかの分野を考慮した方がいいかもしんないね。

NEJMのアブストラクトは、翻訳学習者のために存在するようなものだ。元々は英文だが、和訳が毎週掲載される。英文と和文を比較して勉強しよう。これがタダなんだからホント感激だ。これを毎週勉強すれば、あえて通信教育を受ける必要はないと思う。ほかにもタダで勉強できるサイトは山ほどある。インターネットで探せば、毎日3時間勉強しても全然足りないぐらい、無料の勉強材料がワンサカある。

大型書店に行けば、翻訳のマニュアル本がいっぱい置いてある。まずはこれを買って読もう。1万円も出せば数冊買える。まず500ページ分の情報を学ぶ。「こういう訳文はダメ」というパターンを頭に入れる。ダメパターン30種類をチェック表にまとめておく。自分が翻訳するときは、そういうダメ文を書かないように注意する。

上に書いてあることを全部やればそれで十分だと思うけど、それでもどーしても添削を受けたいと思ったら、お金を払って通信講座に申し込もう。よーく、考えよう・・・お金は大事だよ♪

通信教育とは違うけど勉強の話。ぼくは最初、医薬翻訳をするなら医薬に絞って勉強するのが効率的だと思った。確かにそうなんだけど、別の分野のマニュアル本も1冊は読んだ方が良いと思う。たとえばビジネス翻訳の本だ。分野が違っても普遍的な注意点もあるし、訳し方の良し悪しが異なる部分もある。異なる分野に共通する所は非常に重要だと思うし、相違点があれば文書の種類によって使い分ける必要があるかもしれない。あれこれ手を出してもダメだけど、視野を広げるのも大切だと思う。


おまけ:DHCでは添削講座をやってます(英日メディカルコースとか英日メディカルコースADVANCEDとか結構高い)。それとは関係ない話だけど、ぼくはDHCのマルチビタミンを飲んでます。普段の食事が貧弱だからビタミン剤ぐらい飲んでおいた方がいいかな〜と気休めです。90日分で1260円だから安いよ(^ー^)。

医学翻訳ねっとう