1月28日 「和音」という秘境ライブハウス、発見!?
稽古にゲストお二人。今回衣装を頼んだ朝長靖子さん、友人でパイプオルガン奏者の原田靖子さん。稽古の後お二人と日暮里駅近くの
ライブハウス「和音」へ。噂に聞いていた邦楽系の音楽を中心に幅広いジャンルを紹介している空間である。この日ライブは無かったが、
たまたまいらっしやったオーナーの杉沼さんとお話できた。彼は日本屈指の尺八プレイヤーとしても活躍されているとのこと。興に乗って
演奏してくださり一同シビれる。図に乗って僕は踊る。どちらかに合わせて遠慮しがちになることもなく、思いきりよく全開にかつ、
しっかり相手を感じとる「愛」のあるセッションとなった。そうこうしているうち昨年お近づきになれた同じく尺八奏者クリスさんから
僕の携帯にたまたま電話が入る。クリスさんと杉沼さんは20年来のお知り合いということが判明。偶然か必然か!? 調子に乗って5月に
東京で僕が共演予定のモントリオールの音楽集団GaPaの単独ライブがここ「和音」でできないかと提案。即決快諾をいただく(5/19日の
19時より予定)。何か縁が縁を結んで吸い寄せられあったような晩であった。「和音」では夜な夜な斬新なライブとこんな出会いがくり
返されている模様。店内は邦楽楽器多数展示・演奏可能・酔っぱらうだけの酔っぱらいは皆無・長居歓迎・飲食安価・電気の走るような
ご主人の尺八の音も聴けマス。日暮里駅南口下って、ロータリーの左側、ラーメン馬賊の道挟んで向かいの「日暮里駅前ビル5F」
tel03-5850-8033。耳からしみ入る元気がほしい時オススメです。
1月15日 アイルランド音楽と幼稚園とダンス・笛と人生の達人に出会う
ワークショップで関わっている東寺尾幼稚園でアイルランド音楽特別コンサートがあるとのことで観客及びダンス飛び入りでお邪魔
させていただく。実は、20代前半より、世間でこんなに流行る前からアイルランド音楽は大好きだった。守安 功 (笛多数)& 雅子
(打楽器・風琴他)ご夫妻の演奏。日本にないダンサブルな音楽だけど旋律は何故か懐かしい。3-6才の園児みなが吸い込まれるように
聴いている。お母さん方のまなざしもじんわりやわらぐ。僕は最後の曲で踊らせていただいたが、さすが達人!! ダンスの呼吸と音の
呼吸がぴったりと駆け引きしながらひとつの波を作っていくことができた。最後は園児も一緒に歌って踊って、いやー楽しかった楽し
かった! 休憩時間と終演後、守安さんから大きくて深いお話をいろいろお聞きした。アイルランドに伝統音楽(プロの音楽家ではなく
プロ級の市井アマチュアミュージシャンのみが存在するという)の採集と演奏目的で年の内半年は通っているとのこと。この地では
生活の中に音楽が息づいていたが、ここ十年、コンピューター&ニンテンドウが大人と子供を席巻し、家族が一同に集うライフスタイル
を破壊した。よって急速に家族の場で伝承されてきたアイルランド伝統音楽も衰退。皮肉なことに極東の島国からやってきたモリヤス
さんが、重要なアイルランド音楽の伝承者のひとりに現在なっているとのこと、などなど。お金イチバンではなく、本当に大切なもの
・ことを感じ、追い続けている守安さんのイチイチ説得力のある言葉だった。彼等は今頃アイルランドにいらっしゃることでしょう。
またどこかで御一緒させていただけたらなぁと、思います。国境を越えて地球の大気は巡るように、根っこにつながる表現はやすやすと
越境し、ヒトとヒトをつないでいくのだ。「芸能の力」を思い起こし、あらためて背筋の伸びる思いがした1日でありました。
12月31日 クリストファーさんちで年越し・弁天参り
お招きいただいてた尺八奏者クリストファー遥盟(ようめい)さんのお宅の年越しパーティーに。大掃除ままならずで到着が午後10時
くらいになってしまう。映画評論家、ネイティヴ・アメリカンのパフォーマンス・アーティスト、声楽家、詩人、留学生らと多彩な方々、
「日本人」はここではマイノリティ。遅れてしまったので、みなさんの名前と顔が最後まで一致せず!?残念だった。 しっかりソバをいた
だいてのち十二時を目指し、クリスさん宅から歩いて井の頭公園の弁天様に初詣。のち、新年初セッションダンスを公園で、目玉のような
月が見つめる下、クリスさんの笛といっしよに。 2002年の運勢はいかに??? おみくじは小吉であった。やることをやってあとは天命を
待つの心境でいくべしと。
12月29日 岩下さん大森さんのダンス
新高円寺のギャラリーにて、玉城そのみさん個展会場での即興ダンス岩下徹さん+大森浩幸さんを観る。構成演出の妙がハナにツク
より、僕はこういった、いっそ体をサラシきる、いさぎいいダンスが今は大好きだ。即興はガチンコセメントマッチなので、うまくい
ってもいかなくてもその場を受け入れ肯定していく姿勢がやる・みる双方に必要な気がする。より積極的な「みる」は僕も踊り手だから
なのか今楽しい。どでかく美しい鉱物の自然結晶をみた・みせられたというより、足下の砂粒を虫眼鏡でよくみたら、ひとつひとつが
輝く水晶のつぶだったというような感じがした。
12月24日 来春の公演地、伊陸IKACHIに訪問で会場天神さん境内を下見
朝10時広島駅出発して、山口県柳井市に向かう。いつ来ても瀬戸内海の風景には心ひかれる。海幸多き豊かなこの地にかつては海賊
水軍が活躍したり、多くが移民として海外に出ていったり、猿回しなど庶民芸能の復興をもプロデュースしたわが敬愛する民俗学者
宮本常一を輩出したり・・と海無し県サイタマ生まれとしてはスケールの大きさを勝手に想像し憧れてしまう。さて来春の五月の公演、
IKACHI国際舞台芸術祭会場の柳井市伊陸にお昼着。ボランティア市民スタッフの三浦さん、吉田さん、芸術祭プロデュースのみどり会館
久保田さん・にしださんらと打ち合わせ。のち公演会場の天神さん境内に。不安と期待の中、カナダ打楽器集団GaPaとのプロジェクト
Gravityがモントリオール・トロント・東京を経由しての最終公演地がここだけに、いい舞台をやりたいという気持ちがはっきり高まる。
ローテク・ローコスト・ハイクオリティ・観客参加のお祭りスタイルでいくぞと。広島空港にて最終便で羽田にもどる。
12月23日 「広島加部線ローカル線車内でダンス」ミュージサーカスな1日。
あわただしく、今年のダンス踊り納めで、広島に朝便で飛ぶ。東京からの参加者即興ピアノ奏者千野秀一さん(なんとかつて元ダウン
タウンブギウギバンドのメンバーで作曲をしていらした)らと合流、一路、広島市内の可部駅へ。御当地名物お好み焼きを食べた後、集合。
まさに老若男女が東西南北より集った。親子連れ、おばちゃんグループ、ローカル線存続問題の研究者、音楽関連の人々、パフォーマー
あれこれ。130名あまり乗車率100%で特別貸し切り列車2両は終点の「三段峽」めざして出発13:05。同空間での同時進行の音楽コンサート
形態としてジョン・ケージが発案した「ミュージサーカス」の電車版としての企画である。2両の車内の四ケ所で走行中同時かつ次々に、
さまざまな音楽やパフォーマンスが行われる。ざっとこんな感じ・・・朗読、オペラ歌手、ホーミー、口琴、舞踏、ダンス、オルゴール
多数、ハープ、バンジョー、鍵盤ハモニカ、バイオリン、ギター、カリンバ、能・謡、シチリキ・雅楽、そしてキノコのおにぎり等
手作り弁当車内販売。終点の「三段峽」で一旦下車。旅荘にて温泉、大広間にて大宴会的コンサート、ののち帰りの車内で、また即興
セッションに興じたのでありました。再び可部駅につくころには、月天心でした。その後、広島中心街のタイ料理店にて打ち上げ。
広島市内に泊。川村龍俊さんという東京からの「出演者」かつジョンケージ研究をされている方が近くのホテルに滞在とのことで意気投合、
お邪魔させていだきコーヒー、とっても楽しく深く、音楽・演劇・ダンス・雑多なお話、平田オリザ発ジョンケージ経由、古今亭志ん生
着で深夜まで2時間夜行!! キャベツと焼そば具タップリの広島のお好み焼きのように、いく層にも味わい深い1日でした。
12月19日 作業に追われて誕生日
各種助成金の申請作業4件に追われて、このDiary執筆は滞るは、徹夜は続くは、のコノところの日々。スタッフ友人知人ネコの手マゴ
の手に至るまで、みなさんを動員しての24時間事務局フル稼動の状態が続いている。社会的時間に関係なく誰かがこの部屋で常に働き続け
ているこのカンヅメ状況を誰ともなく名付けて「宇宙船KARADAKARA号」(笑)。faxやメールで海外からも申請書の原稿を送ってくれる友人は
さしずめ地上管制センターか。クルーの一致協力団結によって、「2002年3-5月カナダとのプロジェクト」と「2003年3月のハンガリー
ブダペスト春のフェスティバル招請公演」という、二本の海外共同公演企画書を書き上げている。僕のようなインディペンデントな規模
では海外公演など大きなプロジェクトを動かすのは実に大変なのだ。かといって万全大所帯スタッフ体制も維持継続にかけるエネルギーを
思うと望めない。最小規模スタッフならではのフットワークの軽さという良い面もあるのだが。とはいえ本当に感謝です! クルーの皆様。
といううちに誕生日を迎えた怒濤の35才でありました。
11/14(水)
昨日に引き続き名古屋菊里高校。今日は音楽科の生徒対象に約二時間の授業を連続3コマ受け持つ、しかもひとクラス各40名あまり。
音楽科以外、国語・理科・社会・家庭科などいろんな科目の先生、校長先生までが入れ代わり生徒に交じって体験授業。この高校は先生が
まずやわらかいのがすばらしい。僕が自作した「ポリ大幕」を使って、全員で波を作り、のち空気ドームを作り、液体・流体としての変幻
自在なカラダの中身のイメージを共有することから始める。これでツカミはOKであった。この導入はいろんなところで試したがほぼ例外
なく参加者が盛り上がり一気に集中が高まる。あっという間に時間が過ぎていく。最後は三年生のクラス。受験を前にして、演奏技術の
問題打開のため真剣に参加してくれる生徒。お悩み状態で「リラックス」を求めてひたすら和みに向かう生徒などいろいろ。参加の
あり方は多様でいいと思う。ただ始まる前から気になる生徒がひとりいた。前日、担任の先生から「ある子が受験が迫っているのに音楽に
向き合えなくて悩んでるんです。最近面接したら涙ぐんだりして・・でも明日楽しみにしてますって言ってましたよ」との話し。名前を
伺ってその生徒の顔が浮かんだ。ユニークなあの男の子だ。前夜に少し「作戦」を練り、野口体操をちょっと離れて、音とダンスの即興
遊びをワークショップの最後に入れることにした。僕も「作品としてのダンス」という枠に、こだわりすぎると「からだから素直に沸き
起こるわくわくのエネルギー」が見つけられなくなったりする。「ダンス」が喜びから、おっくうになる。そんな時こそ「遊び」の感覚が
大切。素朴な感覚に立ち返ってただ面白い! に集中する。目的なんぞは放棄して遊んじゃう。この日は輪になって「音を動きに」、
「動きを音に」してからだ全体で「音」を遊んでみるメニューを試みた。件の彼は「ひゃーおもしれー」なんて言いながら、この日一番
いい顔になった。で僕もいい顔になった。新幹線で帰京。くたびれたー、けど清々しい気持ちだ。たくさん教えてたくさん学んだ一日
だった。
11/13(火)
ここ5年ほどにわたり継続的にお声がけいただいている名古屋市立菊里高校音楽科での野口体操ワークショップの講師で名古屋に発つ。
3時から先生方に向けた「大人の野口体操」10名ほどの参加。なんと教頭先生も参加してゆらりぶらりと。野口三千三先生教室での
「姉弟子」にあたる内藤恵美先生の全面サポートで基礎をおさえたワークショップができた。名物うなぎのひつまぶし(うなぎの茶漬け風)
で夕食。ホテルにて明日の授業で使う和紙を補修。早めに寝ようと思うが明日の授業のことがアタマを駆け巡り結局いつもと同じくらいの
時刻に。
11/11(日)
新宿朝日カルチャーセンターで羽鳥操さんの野口体操教室に特別参加。ダンサーどうしということもあり、この教室に通い始めた
ギリシャからの現代ダンサー・イオアンナ(名前通り「いいオンナ」の方でした!)さんへの通訳の大役!?を仰せつかった。この日の
授業のテーマのひとつは「21世紀の身体文化」について。このテーマは羽鳥さんがある講演の依頼を受けた際、主催者側から提案された
もの。野口体操の立場から、その意味合いと可能性を問い直す授業であった。さて「身体文化」って耳慣れないよなぁ、と思いつつも
そこはさすが羽鳥さん、明解な切り口。ともに地球でつながり生きる「いのち」として、自然な動きに基づく素朴な身体感覚の深部に
各々がいたった時、異文化相互間の理解に望まれる「共通言語」が身体に見出せるのではないか、そこから、人間が不得意とする「ゆるし
あうこと」が可能になるのではないか。そんなように僕は理解した。くしくもギリシャという「遠い文化」からきたイオアンナさん。
羽鳥さんが長年所持されていて「読解不能」だったというギリシャ音楽の楽譜(詩と舞踊譜つき)をイオアンナさんに読み解いてもらい、
お披露目していただくことから授業が始まった。僕は一緒にみんなの前で踊ることに・・、変拍子のステップになんとかついてゆく。
ジャパニーズな僕に対して彼女の優美な身のこなしに異文化の隔たりとそれを越えた魅力の両方が感じられ教室は暖かい空気につつまれた。
その後彼女から「身体文化」についての話し。「こういった時代だからこそ自然の動きに基づいた共通の身体文化は相互理解に必要なこと。
但し自分がよって立つ固有な文化の背景を持たずして、他の異文化との交流は難しい。ギリシャでは今でも青い空・青い海を見たら、
老いも若きも踊るものなのです」(僕の英語力なので超意訳ですが) この話しは羽鳥さんの授業のテーマを僕が通訳する前に彼女から自然に
語られたもの。野口体操的身体文化論との一致にびっくり。彼女が、かの異文化混在都市ニューヨークに長らく暮らしていたことも大きい
かもしれない。日本では決して社会一般に主流とは思えないこの「身体文化」への視点。世界的に見たら新しい潮流として確実に流れて
始めているようだ。また流れてほしいと祈る。この後、この日は夜から「体奏研」(友人との身体ワークショップ手法の研究会)、特別ゲスト
としてイオアンナさんを招く。他5名の参加者。和紙の波をテーマに野口体操を中心に行った。羽鳥さんの教室・イオアンナさんから
いただいた元気でことのほか盛り上がる。
11/4(日)
昨日にひき続き大須NAW展。1回目ふれあい広場にて午後1時・音楽を生演奏に変えて。観客数、反応ともに上々。2回目浅間神社社務所前
午後3時・事前のまちねりあるき宣伝が奏功し、観客60人ほど、通りがかりのおじさんがダンスに一部参加!?したりして大いに盛り上がる。
のちせっかくだからというので、NAW展の他の展示を観て廻る。人形作家の岩田一美さん。曼陀羅のような自作パッチワークの人形衣装
(といっても人が着られるサイズ)を街行く人に着せてポラ写真をとって展示。「衣装を着て自分が人形になる」というコンセプト。
楽しい展示に僕も「衣装」をまとって踊らせてもらう。こうした積極的な「関係」を生み出していくアートは「まち」を元気にしていく。
岩田さん夫妻とは再会を願って意気投合。のち大道ダンス3回目浅間神社にて午後4時半。「投げ銭」にて夕食は名物うなぎのひつまぶし!
みなさんお疲れさまでした。さてこういった企画が東京でも可能だろうかとしばし考えた。観音さまに見守られたここ大須には、人と人と
の距離の近さと外から来たものを包み込む懐の深さを感じた。「気持ちいいこと・面白いこと」を第一にともかく行動してしまう力が経済
効率や文化学術的価値の地下に脈々と太く流れている感じだ。だから東京の下町とも、まちづくり先進地域世田谷区ともちがうナマの
「ハミデタ面白さ」がある気がする。乱暴無礼なやり方は論外だけど、アートの社会参画にはこの「ハミダシ」が適度にないと教科書的
ツマラナサに陥る。ひさびさに元気を充電した。来年の秋は、また「七ツ寺共同スタジオ」のダンス企画「身体の地平線」で踊る予定。
しばらく「大須」から目が離せないぞ、という気分だ。
追記: この晩も「七ツ寺共同スタジオ」に泊、同行の古賀くんは生まれて初めての「霊体験」。関係者曰く、「あぁ、また出ましたか。
悪さはしないです」とのこと。気配を察知して恐怖を感じた彼は「冷静に科学的にいっとこう」と思い立ちまず携帯で出没時間を確認した
とか、何のこつちゃ!? ・・・
緊急時の対応は人さまざま。
11/3(土)
あいにくの雨の中、名古屋・大須の街を「舞台」とした綜合アートイベント<美術+パフォーマンス>NAW展(名古屋アートウエープス)に
参加するため、昼に東京を発つ。同行、音楽担当・古賀久貴、記録制作・早川るみ子。名古屋で60年代から小劇場文化の拠点としてがんば
っている「七ツ寺共同スタジオ」の支配人フタムラさん・ダンス企画のアートディレクター土屋さんにお世話になる。フタムラさんは60年
代以降のアンダーグランドな舞台芸術の生き証人のような方、土屋さんは劇場企画運営とともにご自身の劇団「双身機関」を主宰している。
NAW展はアートによるまちづくりを掲げて今年2回目とのこと。大須は「大須観音」を中心とした古くからの門前町で、そこにアーケード
商店街が縦横無尽に走り、一角には西日本最大といわれる電気街(新製品とジャンク屋)がひしめき、浅草とアメ横と秋葉原を足して3で
割ったようなパワフルな街だ。最近は若者向けの古着屋やカフェ風飲食店も進出して古いもの(人)と新しいもの(人)が混然としている。
そこでアートによって異なる世代や文化をつなごう、とNAW展の企画が地元から持ち上がったそうだ。能に取材した「双身機関」のパフォ
ーマンスを拝見したあと、僕らは、地元の音楽家オノさんと合流、簡単な打ち合わせの後、早速小雨の中、大道ダンス1回目、アーケード
の辻にあるふれあい広場にて午後6時スタート。観客は雨と時間が遅めのため20人ほど。即興で観客やNAW展の展示オブジェにからむと笑い
が起きる。オノさんのロパートフィリップばり!?のギターの音と古賀くんのノコギリバイオリンの音で20分ほど踊る。稼いだ「投げ銭」
にてブラジル料理で夕食(この街なぜか南米系の方々も多い)。のち路上にてNAW展オープニング鍋パーティー。NAW展主宰の写真家柴田さん
・京都のダンスグループ花嵐さん、環境美術とパフォーマンス(この日に赤フン行列をやった!)大木さんらと。銭湯(からだ・足の臭いの
きつい方お断り、のはり紙アリ)に行き「七ツ寺共同スタジオ」に泊。
10/20
来年3-5月のカナダ-日本プロジェクトの助成金申請書作りに追われる中、IKACHI国際舞台芸術祭(山口県柳井市)の芸術監督・久保田さん
から連絡。来年から地元の住民が実行委員となった形式で行うとのこと・事務局からの人的サポートが減少すること。突然のさまざまな
プラン変更が必要となり大いに混乱する。久保田さんが新人劇作家賞最終選考にノミネートされていること、彼の劇団が活躍・注目度
著しいことによる多忙と限界、地元との関連づくり育成、といったさまざまな要因からの事態。結局、昨年までの会場と近くの神社双方で
ワークショップと公演を観客参加のかたちで行うセンでプランを練り直すことに。こども百人による観客参加型バンブーオーケストラに
よる音楽とダンスというアイデアも出てくる。地元の「実行委員」予定の方にもTELする。「ぜひ、来年もきてやってほしい」という率直な
気持ちを各々からいただく。そもそも山間の集落伊陸(いかち)での舞台芸術祭での試みに、大変ながらも可能性と面白みを感じて過去2回
参加してたのだ。「ここでしかできない」ことをぜひともやろう。期待と初めてのことなので不安、いつになくシリアスな気分。
10/9
友人の埼玉のお百姓 Sナガさん(以下ダダさん)宅へ、稲刈りを終えての打ち上げを兼ね、栃木に地そばを食べに行き、埼玉の鷲宮にある
自噴温泉(化石海水温泉)に行く。僕の日々のお米は彼が作ってくれたもの。命の親玉の作り手に感謝しつつ、農業問題から駄話まで、
築百年の重厚な農家で深夜におよぶ歓談。
10/8
曇天の中、東寺尾幼稚園の運動会に「親子体奏ワークショップ」の指導のため行く。この幼稚園はシュタイナー教育を取り入れつつ独自
のプログラムを行っている。身体表現の授業や職員研修・親子ワークショップに関わって3年ほどになる。(ここのこどもに「こんにゃく
先生」というアダ名をたまわりました) 、で運動会もふつうと違って、競走や玉入れのほかに創作ダンスがある。3日前に授業に見学指導に
行ったとき僕がこどもと遊びの中でやってみせた動きのアイデアが早速振り付けに取り入れられている。園児100人以上による集団パフォ
ーマンス。いいなぁ、奇をてらわない動きと関係。あっとおどろく展開(こどもの作った海の話し、お化けの話しなどなど)。「親子体奏
ワークショップ」は残念ながら雨で中止。帰ってTVプロレス観戦。力道山から続く純プロレスK-1人気の流れからくる格闘技プロレス(真剣
勝負風)が両方やっている。どちらの気持ちもわかるなぁ。
10/7
体奏研(僕が友人らと立ち上げた、野口体操・ダンス・表現全般のワークショップのゆるやかな研究会/毎月一回)での「ねんどワーク
ショップ」の活動。陶芸の早川るみ子さん・美術教育研究の島田よしえさんが今回のリーダー(テーマによって毎回リーダーが持ち回り。
身体系のときは僕が担当)。ふたりは障害者施設でのねんど造型の授業をタッグチームを組んでここ数カ月担当していた。その経験から、
ねんど造型以前の素材としてのねんどの感触・存在を五感で(実際なめて嗅いだ)味わってみようというもの。やってみて驚いた。ダンスの
「からだの内側の内臓感覚・するするさらさら・どろどろ・ぐちゃ・ずろーん、、、」という感じがそのままからだの外に延長された
感じだった。からだの内と外がひっくり返った感じだ。いやな言葉だけれどなぜか「癒された」そしてエロチック。イケナイ大人の喜びへ
踏み込んだか。陶芸家はこのぬるっとした感覚を味わうためにツボやサラを言い訳にして粘土と戯れているのではないかとすら思う。
そういったことも含め僕にとってダンスと似ていた。おそるべしねんどの世界!
9/23
北千住にての、まちおこしアートイベントに参加自主企画 尺八+ダンス「そらけ/空気」(そらけとは方言で夕立ちのこと、借景・
出前のダンスシリーズを今年からこう名付けた)。共演は尺八奏者クリストファー・遥盟さん。14時に質屋の蔵を改造した喫茶店「蔵」で、
17時に本氷川神社で踊る。「蔵」では観客キャパをはるかに越えたため(30名弱)畳二畳分の空間でおどる。喫茶店は営業していて、
パフォーマンスの最中にも踊っている僕の10センチ横をおばちゃんが何ごとも無いようにコーヒーを運んだりしていたのには、笑った。
本氷川神社では鈴のついた衣装を着て別バージョンのダンス。告知を知って来た客にまじって通りがかり住人も足を止めてくれたのは
うれしかった(50名弱)。まちで踊るのだから、まちとの関係が取り結べなくては意味が無い。下町の自然音・生活音と尺八の演奏の絶妙の
効果の中、踊る。2ケ所でお客からいただいた「投げ銭」(18,590円也)でスタッフらと焼き鳥打ち上げのち銭湯。ここの御主人に北千住の
銭湯経営の歴史をきく。なぜか当人も含め北陸出身者が多いとのこと。御主人の趣味で銭湯中庭には、いろとりどりの錦鯉の池。
9/18
月末の北千住でのアートイベントの稽古のため尺八奏者クリストファー・遥盟さん宅にスタッフ・カズくんとともにうかがう。
クリストファーさんは在日30年来のアメリカ人。必然的に話題はテロを巡る事ごとに。今、音楽やダンスに何ができるのか。僕がなぜか
偶然思いつきで持参していたローソクを数十本部屋中に灯して、尺八の音で踊る。クリストファーさんが吹いていたのは伝統曲「たむけ」
だときく。飲んだことのないようなワインと手料理を御馳走になる。生きていればこそ! 死んじゃったり、戦争だったりしたら、
こういうおいしい物も味わえないんだよなぁ。
9/11
台風が過ぎてきれいな夕焼け。友人の西尾温文さんが主宰するNPO「遊学会」の「身体ワークショップ講座(野口体操+身体表現)・
東京都大泉学園にて」の講師。西尾さんとは野口体操教室(故野口三千三先生の教室98年3月まで)の「同窓生」だ。そんな縁でお話を
いただいた。このNPOは子供の教育・遊びの環境改善を目的にワークショップを中心に活動を行っている。また西尾さんはフリースクールの
ような体験型綜合学習のユニークな「塾」もやっている。今回は塾の生徒小中学生と一般参加者が対象。いろいろな小道具で遊びつつ
野口体操の紹介ののち関係づくりや表現あそび。正直いって、今回はてこずった。参加者の年齢や動機がバラバラのため、なかなかひとつ
の集中が形作れない。最後の方は、ようやく乗ってきた。終わってビールを飲みつつ西尾さんとワークショップをふり省る。「こどもたちは
あれでも結構集中していた方じゃないかな?」とねぎらってくれる西尾さん。そんなものか。日々是修行なのだ。帰ってお礼かたがた
西尾さんに電話すると「アメリカでテロ」の情報。滅多に見ないテレビのニュースに釘付けとなる。まったく気持ちの整理のつかないまま
ニュースを見続ける。この夏東京で知り合ったニューヨークのダンサー、モリーンさんのことが頭をよぎる。
9/5
「東京オペラグループ」のオペラ公演「奥様女中」に出演(銀座 王子ホール)。といっても歌手ではなく「役者」として。この作品は
イタリア伝統芝居・歌だけでなくアクロバットやお笑いを含んだ綜合芸能コメディア・ディラルテの流れをくんだもの。日本でオペラ
というと原語上演+字幕が一般的、またはすべて日本語に翻訳して歌う(コレは格好わるい)。この作品では演出・代表の小鉄和弘さんが
大改訂して、僕が18世紀イタリアに渡った日本人という設定で狂言まわしよろしく日本語でストーリーをかいつまんでいく。歌の部分は
原語といういいとこどり。変装あり、お笑いありのニギヤカシのヴェスポーネというオイシイ役回りを僕が担当。この団体は「最小限の
規模で最高水準のオペラ」をモットーに声楽界の老舗「N期会」と「F原歌劇団」の実力派若手が超党派で作ったオペラ界の「小劇場運動」
のようなものだ。型にはまらない本来の芸能としてのオペラの楽しさ追求する姿勢に共感し、ずっと出演させていただいている。96年初演
以来今回で多分20回目以上の上演になる。スイスから僕の旧友の声楽家シブカワミカリさんも観にきてくれる。数年に一度帰国したとき
しか会えないので、いいタイミングだった。お客の入りも受けも上々、演出小鉄さんの友人のイタリア人の声楽家(この日に成田着)も
きていて「動きがコメディア・ディラルテの役者のようだった。お前、面白いからイタリアにこい! 顔もイタリアに合っている!」
というとお誉めの言葉!?を頂く。自称「体奏家」(=綜合身体表現家)として素直にうれしかった。
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