伏見人形
恵美須神大黒(二福神:戎、大黒)・大黒ねずみ
俵依り大黒
  鯛持ち戎 鯛のり戎 
大黒ねずみ (明治時代) 高さ17cm  (2005.6.16追加)
吉田義和氏から贈られ村上敏明所蔵
鯛持ち戎 明治初期 高さ17cm
吉田義和氏から贈られ村上敏明所蔵 09.10.23追加
鯛のり戎(明治前・中期) 高さ6.8cm村上敏明所蔵 「鯛のり戎」の裏面 左側の画像と共に08.6.4追加
俵依り大黒(明治中期から大正初期) 高さ6cm 9.5cm
裏面に「城山」の刻印がある。
吉田義和氏から贈られ村上敏明所蔵 (2005.10.14追加)
鯛持ち戎 昭和初期 (富士忠製・清水茂吉の作と思われる)
 高さ 22cm 村上敏明所蔵 2007.07.21追加
吉田義和氏から贈られ村上敏明所蔵
 「中野土人形の型は伏見の型・・・が多い。しかし、(中野人形の場合)彩色は独特の味があり、大黒様は黒の強い寒い国柄を思わせる。(雑誌「竹とんぼ・1972年、第U−3号の表紙の絵・ねずみ大黒の説明文)「ねずみ大黒は、伏見の型そのままである。(郷土玩具(3)土:牧野玩太郎編・1969年刊・にこの大黒と同じ画像が紹介されている。)こうした文章から、古伏見としてご紹介いただいた吉田さんの言葉がさらに裏付けられた。
 なお、「大根とねずみ」を組み合わせ文様、「だいこくうねずみ」と読める。この「大根とねずみ」の文様が、かんざし・帯留や石灯篭の文様に取り入れられている。このことからもこのねずみと大黒さんに一層愛着が持てる私です。(村上敏明記)
参考(広辞苑より) 大黒ねずみ―シロネズミの別称。ドブネズミの飼育品種。大国主命(大国様)の使いとされた。

 大黒・恵比寿

恵美須神 大黒天(高さ28cm) (2003.11.08追加) 村上敏明所蔵
江戸末期、明治初期の土人形
(残っている顔料「朱と緑」、大黒天の座っている岩の描き方や振ったら「からから」という音がするなどで伏見人形とも思われますが断定できません。塩見晴嵐氏らは、「全体金で塗ったもので彩色ものは少ない」と述べています。)

恵美須(戎・恵比寿)神 (えびすじん)
 めでたい鯛を抱え、ふくよかにほほ笑む恵美須(えびす)さん。商売繁昌の神としてみんなに愛されていますが、その姿からもわかるように、もともとは海の神なのです。
 一説によると恵美須(えびす)さんは、「いざなぎのみこと」と「いざなみのみこと」の間に初めて生まれた子どもといわれています。海に流された後にいつしか海の神になり、海を守る神、つまり漁業の神として登場します。また異人を表す「エビス(夷)」という言葉から、異郷より福を持ってきてくれる神としても信仰されてきたようです。海に囲まれた日本においては、漁業も農業とともに国の繁栄のためにたいへん大切なものでした。海の神も農耕の神とともに縁起のいい神として多くの人々に崇められてきたのです。そして、それは商売繁昌につながっていきます。
 鯛を抱え、釣竿を持ったその姿。漁業の神ということで、いつごろからかこのスタイルが考案されてきました。確かに漁業の神らしい姿ですが、なぜ網ではなく、一本の釣竿を持っているのでしょうか。ここにこそ大切な意味が込められているのです。『論語』 に「釣りして綱(こう)せず」という言葉があります。「むやみに殺生しない」「一網打尽にしない」という意味で、ここに商売の原点があるといわれています。つまり、お客様というものをひとまとめにした商売をせず、一人ひとりのお客様を大切にするということです。恵美須(えびす)さんは網や延縄(はえなわ)ではなく一本の釣竿を持って、そのような誠意ある商売の仕方を説いているのです。また、釣った魚を物々交換で米に変えるという商売の道を開いた神ともいわれています。こうして、漁業の神はいつしか商いの神として信仰されるようにもなりました。
 そして、穏やかで優しい雰囲気の恵美須(ゑびす)さんは、平和の神としても愛されているようです。出雲族と大和民族が対立した時に、血を流すことなく和合させたという話も伝わっています。そんなところからも、むやみに殺生をしない釣りが好きなのかもしれません。誠意をもって心美しく働いていれば恵美須(えびす)さんが必ず福を授けてくれます。恵美須(えびす)さんはそうした生き方を教えてくれているのです。

大黒天(だいこくてん)
 大きな福袋を担いでやってくる、福々しい笑顔の大黒さん。俵に乗っているその姿が表すように、もともとは五穀豊穣の神なのです。
 由来をたどると、元来インドの神であったのが、中国では厨房や食堂の守り神として祀られ、それが日本に伝わり、大国主命と重ねて信仰され、五穀豊穣の神となったといいます。 そして、農耕民族にとって大切な農業の神として、漁業の神である恵美須(えびす)さんとともに、たいへん縁起のいい神とされ、開運招福や財福の神として広く信仰されてきました。恵美須(えびす)さんと大黒さん、この二神が商売繁盛の神として並んでいる光景もよく見かけます。
 俵は、農業の収穫を象徴する大切なもの。 その俵の上に大黒さんが乗っているのは、お米を司る、管理しているという意味で、五穀豊穣を司っているのです。 左手に担いでいる大きな袋は、福が入っている福袋。現在、お正月に売られる福袋もこの大黒天の担ぐ袋に由来したものです。お金やお米が入っている袋ではなく、福が入っている袋を担いできて、その福を分け与えてくれるのです。
 そして、右手には、まさに開運招福を表すものとして有名な、打出の小槌。打出というのは、打って福を呼び出し幸福を与えるという意味です。ですから、ただ持っているだけでなく、この大黒さんに振ってもらい、幸福を授けてもらわなければ意味がありません。もともとこの大黒さんが持っていた小槌が、今や独立した縁起物としてたいへん人気を集めています。
 それから、大黒さんには、お仕えしている使者がいます。よく横に侍っている鼠です。鼠は、台所を守る神といわれていますから、食料などを守って大黒さんのお手伝いをしているのです。  (以上「京の宝づくし縁起物(えんぎもの)」岩上力著 光村推古書院(2003年刊行))より」

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