質問(京都市立稲荷小学校5年生より 2002.1月) 虎と竹の人形がありますが、なぜ虎と竹の組み合わせなのですか。
答 「竹に虎」ということわざがあります。取り合わせのよいものという意味です。昔から絵などによくつかわれました。めでたくて聖なる竹と百獣の王というとりあわせは昔からあったのですね。
いつごろからというと、奈良の法隆寺(ほうりゅうじ)というとても古いお寺(およそ1400年前に建てられた)にある「玉虫厨子」(たまむしのずし)に「竹と虎」の絵が描いてあります。その後、いろんな有名な画家が「竹と虎」を描いています。およそ200年前、深草の石峰寺に住んでいた伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)も「竹と虎」を描いています。この画家は伏見人形の絵も残しました。伏見中央図書館の本だけでも、20以上の「竹と虎」の古い日本画があることをで調べることができました。みんな世界に誇ることのできる画家の作品です。絵画のほか、鎧や食器,建物の彫刻などにも「竹と虎」は図像として使われてます。参照(図説 日本のことわざ・絵と図像の文化ー時田昌瑞著ー河出書房新社 1999)
なぜ、伏見人形になったのでしょうか。「竹と虎」が縁起(えんぎ)がよく人々がその図柄をもとめたこと、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)等のいろんな芸術作品の影響があるかもしれません。また、伏見人形が盛んになりつつあったころ「竹と虎」が出てくるお芝居がとても人気になりました。1715年です。そのお芝居(正しくは、人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり))「国姓爺合戦(こくせんやかっせん)」(近松門左衛門(ちかまつ・もんざえもん)の作)は3年間も続けられるほどものすごい人気でした。
主人公「和藤内または和唐内(わとうない)」が明国(昔の中国)の広大な竹やぶの中で虎と戦い最後には自分に手なずける場面があります。昔から虎は百獣の王といわれていましたがその虎に勝った「わとうない」はとても勇気があり強かったのです。虎にまたがる「わとうない」の人形もありますが、「わとうない」が戦ったところが竹やぶの中だったのです。お芝居の人気もあったのかもしれません。
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