手術の日  日記風


平成13年8月21日(火)遂に手術の日がきた。午後1時に始まる。夕べ眠剤を飲んだのでよく寝れた。麻酔がきかなくなるからタバコは吸えない。朝から点滴を開始する。ブドウ糖、ビタミン剤、抗生剤を合計5〜6本。右手の手首付近の外側に針を刺す。テープを貼って固定する。キャスター付の点滴を掛ける棒に点滴をセット(パラマウント社製)。高さの調節は自在である。午後1時から手術するので、それまでに腸の中を空に、しなければならないので浣腸するためトイレに呼ばれる。病棟のトイレは一般のトイレと違い便座の横にドアが無くカーテンで仕切ってある。検査用の尿が保管されていたり普通のトイレと違う雰囲気だ。トイレから戻り暫くすると、今度は麻酔が効くように肩から注射する。力を抜くとあまり痛くない。10時過ぎに妻が私の実家の母親と兄と一緒に来た。しばし雑談する。憂鬱な私を察してか、皆無理してるのがわかった。2回目の浣腸をする。胃の中には何も無いけれど、腸の中を徹底的に空にする為だ。水に近いものが出た。少し茶色だと言うと、もう1回浣腸するとの事。3回目、殆んど水のようなものが出た。腸には何も残っていないようだ。昼になり皆ご飯を食べに行った。手術前の準備にかかる。吊りカーテンを引き着替える。下はT字帯だけで寝巻きを着る。風呂は昨日病院で入ったので、これで準備は終わり。12時40分ごろ皆が帰ってきた。ご飯食べてみたいでうらやましい。1時になり処置室へ呼ばれる。ここで先ず着ているもののチェック。腕時計を妻に渡す。キャスター付の担架に乗る。頭には紙の帽子をつける。手術室へ担架に乗せられながら、移動する。天井を見ながら手術のことを考える。手術室へ到着する。外科の先生が4人、手術看護婦2人。中は、宇宙ステーションのような明かりがついている。野球場の明かりと言えば解かりやすいと、思う。BGMは、私の頼んでいた曲がかかる。担架の高さと手術台は、ほぼ同じ。先ず着ているものを脱ぐ。腰椎麻酔にかかる。手術台の上で脚を抱え海老のように丸くなる。背骨の腰に近いところへ何箇所か注射する。10分後位すると下半身が温かくなってきた。手術台に仰向けで寝る。両足をV字に開き足を固定する器具へ乗せる。女性の人は解かると思うが産婦人科の器具と同じ様なものだ。バンドで閉める。両腕も左右に大きく開きやはりバンドで固定する。上半身にバスタオルを何枚か掛けてもらう。手術のセットは終わった。S先生が私にお尻に針のようなものを刺すから「痛いか教えてください。」と言う。麻酔のきき具合の確認だ。触れている感覚は有るが、痛くないのでいよいよ手術に入る。手術室の時計を見ると1時30分だった。尿管をセットする。これも感覚で解かる。お尻に手を置いているのでいよいよメスが入る。カチャカチャ音がしメスやはさみをたくさん使っている。相当悪いようで大掛かりなようだ。S先生が他の先生に指示を出す。若い女性の先生もいるので、丁寧な指示だ。実は腰椎麻酔と言うのは全身麻酔と違い、私のように手術中起きていることがあるそうだ。でも音が聞こえると怖い。少しウトウトするが殆んど覚えている。1時間ぐらい立ったころだんだん足を開いているのが、つらくなってきた。それを手術看護婦のNさんに告げた。Nさんは前日病室へ来たくれたので、手術中いろいろ話した。時計は3時を回ろうとしている。 「もうすこしだ」とS先生の声が聞こえる。やった終わるんだS先生に「癌は無いですか?」と聞く。「ありません」と言われホットした。
手術が終わった。両腕の固定バンドをはずす。V字に固定してた足のバンドもはずされた。浴衣を着せてもらう。担架へ4人がかりで私の身体を持ち上げてもらい移動する。手術室を出て病棟へ戻る。再び天井を見ながら進む。病室へ到着。時間は3時20分ぐらい。約2時間の手術であった。癌の手術など6時間から12時間かかるのはザラなので、朝に手術が始まり夜中までかかる。それに比べれば楽勝だ。病室に家族が待っていた。私は意識があったことを言い、少し怖かったと教えてあげる。疲れたので寝ることにした。夕方目が覚めた。下半身が麻痺している。妻が心配そうに待っている。もう大丈夫だと皆に言い帰ってもらうよう頼む。今日も俺の食事は点滴だ。腰椎麻酔を行った患者は首を決して動かしてはいけないと昨日言われた。でもどうしても動かしてしまい、それが後になってから頭痛と首の痛さとなった。手術の痛みよりこの痛みに苦労するようになる。9時の消燈が来ても眠れない。それを見かねた看護婦さんが眠りやすくなる点滴を打ってくれる。明日はずす筈の尿管が痛い。小便が常に尿管から垂れている。ベッドの脇に尿を入れる袋がある。余りに痛いのでナースコールする。かわいい看護婦さんが尿管をはずしてくれた。みてビックリ。尿管の先はカエシが付いていて、シリコン製の硬いものを尿道へ入れていた。そこにかなり太いゴム管をつないで尿を
処理する。その太さに驚いた。お尻には、出血を抑える為ナイト用のナプキンがしてある。トイレには行けないので尿瓶で小便をする。尿管をはずした影響で激痛が走る。患者によっては、1年以上付けたままだと聞き再び驚く。点滴が聞き出して眠気が襲い就寝することにした。・・・


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