ウインドサーフィンのボードリペアに挑戦
簡単なリペアなら自分でやってみませんか?
ウインドサーフィンのボードはサーフィンに比べると、強度的には頑丈に出来ていて多少擦ったくらいでは破損したりしないものです。しかし、ブローで飛ばされてのブームパンチ等、やはり壊してしまう時はあります。ボードを傷つけてしまったらその日はセイリングしないのが理想ですが、少しくらいの傷ならセイリングを続けたいのは当然の心理だと思います。しかしその状態でボードを海に浮かべれば小さな傷からでも海水を吸収し、最悪の場合修理が不可能になるほど大変なダメージを受ける場合もあります。特にウインドサーフィンのボードの場合、材質的に水分を吸収しやすいので注意したいところです。
応急処置としてはウインドのボードはサーフボードと違い、クラッシュテープが張りづらいので速乾のパテやレジンがおすすめです。(絶対にエポキシ系を使用して下さい)その際、傷口の周りの水分は「これでもか!」というくらい完璧にふき取り、海水の進入のないように使用し、完全に硬化するのを待ってセイリングしましょう。ただしそれはあくまでも応急処置です。よくそのままの状態で何日も乗り続ける人を見ますが、後々のボードの事を考えれば応急処置で乗るのはその日だけにして、きちんとリペアするのがベストです。
ウインドサーフィンのボードの修理は、一般的にサーフボードの修理に比べて難しいと言われています。
1.構造が複雑である。
2.エポキシレジンを使用する。
3.使用する材料の種類が多い。
4.ボードの内部が見えないので、ダメージがわかりづらい。
等が主な理由だと思われます。
ここでは基礎知識を身につけながら、簡単で単純なリペア方法を解説していくます。時間のある方はぜひチャレンジしてみましょう!
1. ボードの構造

ボードの中身をコア、外皮をシェルといいますが、コアが俗に言うフォーム、シェルがFRPです。写真で茶色に見えるものはサンドイッチフォームといわれるものでフォームの硬度を上げ、ボード全体の剛性を高めるものでウインドサーフィンのボードには必要不可欠なものです。
一般的なボードの場合、構造としては内部から、発泡スチロール→ガラスクロスorカーボンクロス→サンドイッチフォーム→ガラスクロスorカーボンクロス→ゲルコートor塗料となっています。
2. フォームが溶けてしまったボード

少しの割れだからといってポリエステルレジンを使ってリペアしようとして、中のフォームが溶けてしまった例です。(ここまで溶けていても見た目にはわからず、本人はそのまま使用していて、内部は水浸しでした。)
見た目ではわからなくても割れがフォームまで達している場合がありますので、応急処置でも絶対にポリエステル系のレジンやパテは使用しないでエポキシ系を使用して下さい。
3. 最初に用意する材料
4. レール部分が割れているボード

ハーネスのフックをぶつけたらしく、レール部分が割れています。
まずは目で見て、手で触れ傷口の診断です。写真ではわかりづらいですが、外部塗料がはがれ、内部のがラスクロスもさけて、少し穴があいている状態になっています。
5. 傷口のサンディング

まずは60番のサンドペーパーをサンディングブロックを使って、傷口の周りを削ります。
一般の方はボードを削ることに抵抗があるようで、この作業を行いませんが、後々の作業効率を考えても必要なので怖がらず、気合いを入れて?サンディングして下さい。コツとしては大胆かつ繊細に!です。削る範囲は傷口よりひとまわりちょい大きいくらいで、深さは内部のガラスクロスを少し削り取るくらいです。決して内部のフォームまで削り取らないで下さい。
6. 水抜き

もしもサンディングした後に傷口から水がにじんだりした場合、そのまま傷口をふさいだりせず、しっかりと水分を取り除く必要があります。一番簡単な方法としては傷口にティッシュペーパーを付け水分を吸収させる方法があります。水がボトボトと垂れてくるような場合をのぞいては、この方法で対処できます。何度も乾いた物と交換し、ティッシュに水がつかなくなるまで完全に水抜きしましょう。
7. エポキシパテの作成

紙コップにエポキレジンをいれ、(スプーン一杯程)そこにパウダーを入れ割り箸で撹拌し、エポキシのパテを作ります。堅さは粘土くらいになるまでパウダーを入れて下さい。このパテは傷口の穴をふさぐために使用します。
その他にも穴をふさぐ方法はありますが、このパテはフォームを溶かす心配もなく、接着力も完璧で作業時間も短縮出来ますので是非お試しください。
8. 傷口をふさぐ

完全に水分がぬけたことを確認したら、穴の部分にパテを埋めます。ヘラをしごくように使用し、出来るだけ表面がなめらかになるように塗り混みましょう。
9. ガラスクロスのカット

4オンスのガラスクロスを使用する場合、4〜5枚を使います。写真のように傷口全体を覆おうようにカットし、少しずつ小さくカットして用意しておきます。
10. クロスの積層

一番小さなクロスを傷口の中心に起き、順番に大きなクロスを重ね、最後に一番大きなクロスを重ねてマスキングテープでとめておきます。
11. レジンの用意

ラミネート用に新しくレジンを用意します。今回くらいのリペアなら大さじ一杯ほどでOKです。ラミネート前にはよく撹拌(50回はかき混ぜます)し、液温は20度以上で使用してください。(気温が低い場合はドライヤーなどを使って暖めるのも一つの方法です。)室温が低いと完全硬化しないので注意して下さい。
12. レジンを浸透させる

ヘラを使いレジンをガラスクロスに塗り込みます、うまく浸透するとガラスクロスは透明になります。余分なレジンは軽くしごくように取り除き、レジンが垂れないようにして下さい。
※この画像と次の画像は都合により違うボードの画像になっていますのでご了承下さい。
13. レジンの硬化後テープのカット

レジンが完全に硬化したら(今回使用するチューブ式レジンの場合は室温30度以上なら8時間ほど、20度以上なら12時間ほど時間がかかります。)カッターナイフを使いマスキングテープをカットします。後でサンディングしやすくするためなので、完璧にカットしなくてもOKです。
14. クロスのサンディング

サンディングブロックに60番のサンドペーパーをセットし、硬化したクロスを削っていきます。まずは周りに残ったテープのバリをとるつもりで削り、ボードの形をイメージしながら形を出すつもりで削って下さい。手作業で削るのはたいへんな作業ですが、いっきに仕上げようとしないで根気よく丁寧に行って下さい。間違っても全部クロスを削り取ったりしないで下さい。
15. パテを塗る

よけいな部分にパテが付かないようにマスキングテープを貼り、適量の硬化剤を撹拌したポリエステルパテを塗り込みます。まずはクロス目を塗りつぶすように塗り、それから全体を覆うように塗るのがコツです。後でサンディングすることも考えて厚くならないようにするのも大切です。塗り終わったらテープははがしておきます。
16. パテのサンディング

20分から30分でパテは硬化しますので、(室温が20度以上の場合)150番のサンドペーパーをブロックにセットしパテをサンディングしていきます。この作業で仕上がりの形が100%決定します、丁寧に作業して下さい、削りすぎたりへこみや穴があった場合はもう一度パテを塗り直しましょう。大切なのは丁寧さと根気です。
17. 塗装について

一般的にここで缶スプレーを使用して塗装をすると言われていますが、ここではあえて使用をおすすめはしません。缶スプレーを使用してもただ色が付いているだけで、塗装したとは言えません。なお当工場では塗装前にもう一度目の細かいパテを入れ、細かい削りかすはエアーで吹き飛ばし、専用の液体で細かな汚れを拭き取ってから室内でウレタン塗料を使い塗装しています。ここまでやって初めてきれいに塗装はできます。パテのままの色でも一般の方の修理はいいと思うのですが。
※缶スプレーの成分は「乾燥」するのに対し、ウレタン塗料は「硬化」します。硬化後はサンディングしても剥がれづらく、シンナーでも溶けず、エポキシ樹脂などの素材と科学的親和性が高い。
18. 完成!

塗料の硬化後細かなカラーリングをしたらノンスリップ加工を施しリペア完成です。
見て下さいこの仕上がり、完璧です!!



