好みのマジック−その2−

目次
1カードの復活
2トライアンフのこと
3ポール・カミンスレクチャーの様子
4片倉氏の思い出
5「トランプと悪知恵」実演感想
6「トランプと悪知恵」実演感想〜追加
7リバースアセンブリ
8カクテルマトリクス・コインボックスバージョン!
9飛行するカード
10「ジプシー・カース」・・ジプシーの呪い・・

カードの復活

 カードマジックに、破いたカードを元に戻すというテーマのマジックがあります。とても魅力的なテーマです。自分もマジックやり始めた当初から興味があり、いろいろと調べたりしていました。
 最初に見たのは、テンヨー製の「テレパシーボックス」という道具を使ったものでした。
 お客さんが選んだカードを、細かく破き、一片を客が持っていて、残りの断片をケースにいれて、お呪いをかけると、カードが元に戻ります。しかし、よく見ると角が欠けていて、先ほど、お客さんが持っていた一片の断片を合わせると切り口が合う。というマジックです。
 よくできたマジックなのですが、道具を持っていないと出来ないという欠点があり、自分的にはそれほど気に入ったものではありませんでした。カードだけでやりたいと考えていたのです。

 その後、いろいろな本やビデオをみて、次のような復活のマジックを覚えました。
 お客さんが選んだカードを4つに折り、折れ線で4つに切ります。ひとつをお客さんに持ってもらい、残りをまとめて、ライターであぶると、バラバラだったはずの断片が、くっついてしまいます。(3/4状態)そして、お客さんの持っていた一片と切り口が合います。
 このマジックをやっていて、いつもお客さんが「この最後の断片はくっつかないの?」と、よく言われるのです。
 そこで、半ば強引に、断片をセロテープでくっつけて、「ほら、くっついたでしょう」といって、冗談めかしている最中に、スイッチするというルーチンをやったことが何回かありました・・・(ほんとに強引・・)

 そんな、ある日、マジックMLのオフ会の時に、Pさんという方が、すばらしい復活カードを演じました。
 お客さんが自由に選んだカードのバックに、お客さんがサインをして、それを4つに破いて、4つの断片を、1枚づつくっつけて、途中経過を見せるのです。
 1/4の状態から1/2の状態・・・・そして3/4の状態・・最後は、ちゃんと元通りの1枚に戻って、お客さんに渡せるのでした・

 これだっ!っていう感じで、Pさんに教えを乞いました。その手順は、特別な道具もいらず、よく考えられた手順でした。まさに「目から鱗がとれる」とはこのことでしょう・・
 実は似たような手順をそれまでに幾つか知っていたのですが、そのどれよりも、よく出来たものでした・・・
 早速、練習して一応レパートリーになりました。・・もつべきものはマジックの友人ですねぇ・・・


トライアンフのこと

 トライアンフという名称のカードマジックがあります。アンビシャスカードと並んで、定番ともいっていいマジックでしょう。 ほとんどのマニアのかたはご存知でしょうが、しらない方も読まれると思いますので簡単に現象を説明します。
 マジシャンは一組のカード(デック)を持って、シャッフルします。あるいは観客にシャッフルしてもらいます。
 カードを拡げて客に1枚のカードを選んでもらい、それを覚えてもらいます。 さらに、そのカードを返してもらいシャッフルしますが、「こんなきりかた、ご存知ですか?」といって、マジシャンはデックを半分にわけて、表と裏にして、それをリフルシャッフルしてしまいます。
 デック内が、表と裏のカードが混ざってしまったことを見せたあと、おまじないをして、デックを拡げると、全部のカードが同じ方向に戻っています。(ここでは裏向きとします)
 しかし、良く見ると1枚だけ表向きになっています。それが客の選んだカードです。
 こんなプロットのマジックです。

 さて、このマジックを行うには、自分の知る限りでは、おおまかにわけて3種類の方法があるようです。(ちょっと、ここからマニアアックな内容になっちゃいます・・・非マジックマニアの方すいませんです・・)
 1.トリックデックを使用する方法
    有名なのはSデック(名称は略称で書きます・・)を使用する方法。その他にはデックのうち半分がDF、もしくはDBのもの・・など

 2.レギュラーデックを使用してかつフォールスシャッフルを使用するもの
   プッシュ・スルー・シャッフルやトライアンフシャッフルを使用するもの。もっとも有名でマニアの方はほとんどこれだと思われます。(ザローシャッフルもそうですね)

 3.レギュラーデックを使用して、フォールスシャッフルを使用しない方法
   上記のフォールスシャッフルが、難しめなので、他の方法で解決してシャッフルは正当なシャッフルをする。ちょっと変わったカットを使用することが多い。

 とまぁ、こんなところです。
  どの方法も一長一短があり、好みの別れるところでしょう。自分も3種類やったことあります。

  さて、数年前になるのですが、こんなトライアンフを、あるプロマジシャンから見せていただきました。
  最後のリボンスプレッドにするところまでは、見た目はまったく同じなのです。そして最後に、裏向きのカードの中に1枚表向きのカードがあり(ハートの5としましょう)、マジシャンが「ハートの5があなたのカードですね」といって、リボンスプレッドされたカードを端からすべて、表返しにします。
 すると、表向きのカードの中に1枚の裏向きのカード・・・先ほどマジシャンが「あなたのカードですね」といったカード(ハートの5)に違いありません・・・
 しかしです。そのカードは、客の選んだカードではないのです。「いえ、違います。スペードのJです」と客が言うと、その1枚の裏向きのカードをスプレッドされた中から取りだし、「えっ違いましたか。ではこうしましょう。」と言って、その裏向きのカード(ハートの5だったはず)をはじいて表にするとスペードのJに変わっています。

 ちょっと、味付けの利いたトライアンフではありませんか。気に入って、そのプロに教えていただきました。彼は、トライアンフシャッフルの変形でそれを実現していましたが、自分にはどうにも難しいハンドリングでした。

 それから、かなり長いこと考えたのであすが、自分にあったいい方法がみつかりませんでした。
 そんな、ある日友人が上記の3に分類されるトライアンフを教えてくれました。そしてそれを練習しているとき、ふとひらめいたのです。
  あっ、あのトライアンフにつかえるっ!!!すぐに、ハンドリングを考えて実用に耐えうるようになりました。
  何回か、普通のひとにも、マニアにも披露しましたが、おおむね好評のようです。

 こんな風に、ちょっと難しいマジックでも、自分流にやりやすくしようと考えるのもマジックの面白さでしょう・


ポール・カミンスレクチャーの様子

 9月20日、今日は横浜でポール・カミンスというアメリカのプロマジシャンのレクチャーがあります。
 マジックレクチャーというのは、マジック愛好家に対して、主にプロマジシャンが自分のパフォーマンスのやり方(タネもふくめて)紹介する催しものです。
 なので、集まるのは当然マジックの愛好家ばかりです。ちなみに、2時間のレクチャーを受けて料金は5000円。レクチャー受ける人数はそのときによりますが、30人〜50人くらいでしょうか・・
 この5000円は、マジック愛好家でない方がには高いと思われるかもしれませんが・・自分の感覚からいうと「安い」です。
 横浜のマジックハウス(リンク集からリンクしてます)が主催していまして、1年に2回ほど海外のプロマジシャンを招待してマジックレクチャーをやっていただいています。
 もう、何回も参加させていただいていますが、やはり実際にプロとして働いているマジシャンのレクチャーなので、そのタネ以外の細かな部分は大変参考になりますし、素晴らしい技術も見ていて惚れ惚れとするものばかりです。

 さて、今回のポール・カミンス氏・・アメリカのフロリダのプロマジシャンで、コインとカードしかやらないという紹介でした。
 時折日本のバーなどで働いているプロマジシャンに聞くと「カードやコインだと受けないんですよ」という言葉を聞くのですが、アメリカはやはりマジックを楽しむ客の気質が違うのかなぁとか思ったりします。

 がっしりとした体格のポール氏、カードマジックから始めます。難しいものもありますが、中にはテクニックをあまり使わないものも紹介されます。
 しかし、見せ方に特徴があったり、ちょっとアイデアを加えたりと、客を楽しませる演出が非常に参考になります。

 氏は、よくサイドスティールしたカードをパームするハンドリングを使ってましたが、自分は気づかなかったことが何回もありました・・
 コインボックスを使ったコインマジックもレクチャーしました。会場で、コインはほとんどの人が持っていますが、コインボックスを持っている人はさすがにボクだけでした。(笑)
 コインボックスは好きな分野なのでじっくり見させていただきます。初めてみる手順で、是非とも自分の手順にしたくなります。とても、おもしろい手順なので、自分のものになってから、紹介しましょう・・(笑)

 そして、お目当てのコインマジック・・・スタンディングで、数人で取り囲まれた状態で演技します。
 ワンコインと、4枚のアクロス・・・まさに鮮やか・・ちょっと難しいテクニックを使っているのですが、とても自然なハンドリングで、見ていて本当に不思議です。
 1枚のコインが消えてでてくる・・・それだけを、とても鮮やかに見せます。
 4枚コインのアクロス(移動)もしかり・・わざわざ改めるって感じではなく、自然に両手を改めているハンドリングで魔法のように1枚づつコインが移動します・・
 マジック愛好家の我々がみても、本当に魔法にみえるってすごいですね・・

 他にもカードマジックで、ボクの好きなチャド・ロング氏(ポール氏の友人らしい)といっしょに考案したというマジックは、興味深いアイデアのマジックで、さっそく練習しました。かなり、お気に入りになりそうです。
 現象だけ紹介しましょう。テーブルにおいた2枚のジョーカーと手にもった4枚のQの交換現象・・のもの
 もうひとつ、ランダムに選ばれたカードがすべて客の選んだカードになったと思ったら、一瞬に4枚のAへ・・客のカードは??と思うと、手にもったはずの4枚のAが客のカードへ・・
 のこった、デックを4等分してトップカードを表にすると4枚のAが再度出現・・・・・
 そういえば、チャドのコインボックスやカードアクロスもいいなぁ・・

 今回もとても収穫あるレクチャーで、購入したレクチャーノートにいつものように、サインをいただいて、帰宅しました。
 次回も楽しみです・・


片倉氏の思い出

以前にも、MMLで同じこと書きましたが、やはりもう一回書き留めておこうと思いまして、再度書いています。
 片倉雄一・・・・トリックスのディーラーというだけでは片付けられない、プロマジシャンです。
 よくご存知の方もいるでしょうし、若いマジシャンの中には、彼の伝説的な名前だけ知っている人もおられるでしょう・・
 マジックをやらない方には、全くの無名のマジシャンですが・・・

 意識して、彼を初めて見たのは、東京八重洲のトリックスでした。それを最初として、彼の手品をみたくて、何回も通うことになったものでした。
 本来、トリックスのディーラーなので、そこで販売している商品を実演して販売するのが本業なのですが、マジックが好きなのです。カードマジックでもコインマジックでも、なんでもやってくれます。
 こちらがマニア(トリックスに来る客は基本的にマニアですが)と認識すれば、テクニックなど、出し惜しみなく教えてくれました。

 彼の操るカードマジックに何度驚嘆したことか・・・・

  それは、いつものようにトリックスでびたまって、片倉さんのマジックを楽しんでいたときです。
 「このマジックのこのコントロールは便利だよね」といって解説してくれました。
しかし、自分にはどうやって、選ばれたカードがコントロールされたか、まるでわかりませんでした。
 これは、教えてもらわねばっ!!!ということで、教えを請うと、いつものように「こうやって、カード選んでもらうでしょ。それで、これをこうすると・・・ほら一番下にコントロールされる。」

 って、全然わからん・・・他のみんなもわからない様子・・それを察して片倉さんは何回もやってみせます。
 それは「コンビンシング・コントロール」でした。
 不遜にも、自分はカード選んでデックにもどしたあとの、動きのときに、下から見たのです!(って、どうやっているかみたかったんだもん・・笑)

 と、ところがです、何回みても、下からのぞいたときには、すでにボトムにコントロールされているではないですか!!やり方が、わからん・・・・と、みんなも同じでした。
・・その後、片倉さんはゆっくりと解説してくれました。

 その日は、当然のように家でコンビンシング・コントロールを一生懸命練習しました。
 のちに、あの辛口の三瓶さん(ミカメクラフトの社長さん)が「片倉はうまかったなぁ」と言っていたくらいです。
 さて、そんな伝説的なうまさの片倉さん、若くして(確か30歳台)亡くなってしまいました。
 一説には自殺との説もありますが、自分は真相を知らないので、そういう噂があったという程度にしておきます。彼の繊細さなら、考えられなくもないのですが・・・

 当時、自分が仲良くしていたディーラーは横浜そごうのディーラーでトリックス製品を扱っていました。
 彼から、片倉さんが亡くなられたことを聞き、ひどく驚いたものでした。そして彼から、こんな話を聞きました。

     ************************
 「ボクら会社にいるとき、昼休みなんか、みんなカードとか持って、マジックやってるじゃないですか。それで、片倉さんがね、やってきて,「デックをよくシャッフルして好きなカード引いて覚えてみろ」・・って言うのでその通りにやったんですよ。
 それで、片倉さんが「もう一回、よくシャッフルして貸してみろ」っていうので、シャッフルしてデック渡して・・・・
片倉さんが「好きな数字いってみろ」っていうので、数字言うとその枚数目のカードを開けて、「これか?」って聞くんですが・・当たるわけないですよね。違いますって言ったら、「そうだろうな・・これで当たればいいんだけど」・・・とかいって、も戻っちゃったんですよ・・・
その後、2−3日して亡くなっちゃったんです。
     ************************

 何か、マジックにどっぷりつかって、泥沼から抜けられなくなった天才マジシャンって感じがふと頭をよぎったのでした。

「トランプと悪知恵」実演感想

 表紙にも書いたとおり、佐藤総さんという若手クリエータのレクチャーノートを購入。当初より、凄い評判で、関西関東とも3日で売り切れるという、この手のレクチャーノートにしては、破格の売れ行きでした・・
 内容は、題名のとおりカードマジックの本・・・たしかに、斬新なアイデアでちりばめられています・・・・
 内容的には、ちょっとテクニカルなものから、セルフワーキングに近いものまで・・・何というか、マニアにありがちな偏りがない内容だなぁと思ったものです。

 購入の際にマジックハウスの二川氏にいくつか実演して頂き、マジック自体もかなり斬新であった印象があり、とても楽しみに読んだのでした。
 一応、いくつか実演してみました。

1.クロス・アセンブラ
 実演みたとき、アイデアみたとき、2回も「おぉっ」と思いました。
 4つのパケット上に置いた4枚のQ、上の左右のQ下の左右のQを1枚づつ入れ替えるだけ・・・・4枚のQがリーダーパケットに集まる。

 これは凄いアイデアだ・・と、感じいざ実演・・・
 どうも、普通のお客さんには、普通の4A系との差が、はっきりとは伝わらないよう・・不思議なことは不思議には見えるらしいのですが・・・・
 演技がまずいのか・・・笑

 しかし、このアイデアは、マニア心をくすぐります。

2.陰陽ディバイド
 これは、自分としては、あまり好みのパターンではない、セルフワークのメンタルマジック・・・
 小道具を使うので、作成しました。
 直径25mmのコインの両側に紙を両面テープではり、陰陽のマークはちゃんと円定規を使って描きます・・予言の数字もテンプレート使います・・そうしないと、読めないかも・・笑
 実は演技直前にあわてて作ったのですが・・・・
 セルフワークなので、せいぜい、気の利いたセリフとセットをくずさないフォールスシャッフルするくらい・・・
 お客様の中に、陰陽道を知っている方がいたので、ちょっとそれらしいセリフで・・・

 努力とはうらはらに、客受けはとてもよいです・・・まぁ、数字の合計が当たるのですが、「これで、赤黒が分かれたらもっとよかったね」なんて言われて、ちょこっと汗・・・

(そういうときもある・・・とは言えずに・・笑)
 とはいうものの、この手のマジックにありがちな、いろんな状況に対応するために覚えることが、非常に少なく、受けたこともあって、気に入ってしまいました。(ゲンキンな奴・・)

3.山火事トライアンフ
 トライアンフの、シャッフル無し版。デックを、4パケットに分けたのち、数枚づつバタバタと表裏にぐちゃぐちゃとテーブル上で混ぜてしまうトライアンフで、この混ぜ方こそが、面白いトライアンフです。
 混ぜ方が、練習不足のせいか、はたまたやり方によるのか「あざやかでない」という印象があるらしいです・・
 もともと、鮮やかにサッとやらないことが、このマジックの売りなんだけど・・・

 普通のトライアンフみたことあるお客様だったので、現象も覚えてらして、「前のほうが綺麗だった」と言われます・・・

 この手の、無骨な雰囲気でやるマジックというのは、かえって練習を要するものではないかと、思う次第でありました。
 レナト・グリーンのカードの落とし方を練習する・・という逸話を思出だしました・・

 とりあえず、以上ですが、他にも「ソリューションズ」と名づけられたメンタルもかなり興味ひくもので、そのうちに実演しようと思っています。

 このレクチャーノートの冒頭に「コインにしばらく浮気をしていても、カードにもどってくるマニアは多いはずです。」と書かれてましたが・・・コインに行ったきりになっている、ワタクシ目のようなものも、ほんとうに楽しめた1冊でした。


「トランプと悪知恵」実演感想〜追加

 前回の続きです。もうひとつだけ、是非やってみたかった作品があって、普通の人相手に(笑)実演する機会がありましたので、実演後感想を・・・
*SOLUTION
 "Any Card at Any Number"のテーマに対する、佐藤氏の解法(Solution)という形で、書かれています。
 現象は、客が指定したカードが、やはり客の指定した枚数目から現れるという、究極のようなカードマジックです。昔から、いろいろな解決法があるようです。佐藤氏はそれらを研究しつつ、今回の手順を発表されてますが、あくまで「ひとつの解法にすぎない」とおっしゃられています。
 二通りの解法が示されてますが、レギュラーデックで出来る方が好みでしたので、そちらを実演しました。

 このマジックは、やはり解説みるまえに二川さんに演じてもらったのですが、自分がマニアのせいか、最初のマジシャンズチョイスに気づいてしまったので、解説読んだあとも、実は「実演はどうだろう」と、半信半疑でした・・・

 実際にやってみると、まず枚数は、本当に自由選択(制限はありますが)で出来ますので、やりやすい枚数に誘導するくらいです。
 さて、カードの選択ですが、これは実際にやってみると、とても巧妙に手順が構成されていることに、やりながら気づきました。
 無理のないマジシャンズチョイスが最初の1回あるだけです。それ以降は、自由選択でカードを絞っていくのですが、やはり「完全に自由にカードを指定した」と、お客様は記憶されるようです。
 そして、最後に一回だけ、ちょこっとカードテクニックを使用します。

 客の反応もとてもよいものでした。手順もセリフとともに、よく考えられており、この手のメンタルにしては、非常にやりやすい手順だなぁ、という印象でした。

 また、おもしろいアイデアとして、デックを時計バンドで、しばってテーブル上においてそこから1枚づつ取ってくるというのがあります。その通りにやってみて、たしかにこのデックの置き方は、いろいろな動作が「公明正大」に見える面白い方法であると思います。

 他にもトリックは記載されていますが、とりあえず、感想の報告はここまで・・・・
 では、気になった皆様は是非購入されて、実演してみてください。


リバースアセンブリ

 テーブルの4隅に置いた4枚のコインが一箇所に集まってしまう、コインアセンブリというマジックがあります。このサイトの別の記事でも何回か名前がでていることで、わかるようにコインマジックとしては非常にポピュラーなマジックです。
 さらに、アセンブリには、一箇所に集めたコインが、またもとの場所に戻ってしまうという現象もあり、「リバースアセンブリ」とか「リバースマトリクス」とかよばれています。
 本サイトにも、コインボックスを使ったリバースアセンブリの記事があります。

 そういえば、先日のオフ会で「せっかく、集めたコインをまた元の場所にもどしちゃうなんて手品っていうのはくだらないことするもんだねぇ」と某ベテランさんが、ふと仰っていたことを思い出しました。(笑)

 それはさておき、アセンブリにしろ、リバースアセンブリにしろ、テーブル上に置いたコインをカードで隠すのが普通です。
 コイン4枚にたいして、使用するカードは、


@4枚使用するタイプ
A2枚使用するタイプ
B1枚使用するタイプ
Cカードを使用しないタイプ


の4通りが知っている限りではあるようです。

 そして、リバースアセンブリの現象的としては、

(a) 1枚のコインのところに、2枚目、3枚目が移動します。(3枚あることは客にみせる)その後4枚目は消えて移動したと思わせて、一気に4枚が最初の位置に戻る(4枚あることは見せられない)タイプ。
(b) 4枚目のコインが、移動して4枚のコインが集まっているところを見せられて、一気に最初の位置に戻るタイプ。
(c) 4枚目のコインが、移動して4枚のコインがあつまっているところを見せて、その後一枚づつ最初の位置にコインが戻るタイプ。

 の3種類が知っている限りでは、あるようです。
 (カードの下からコインがすべて消えたり、別のところから出てくるものはリバースアセンブリの範囲ではないので、除外しています)
上の組み合わせだけでも何通りかあるので、現象としてそれだけ種類があるようですが・・・・普通の人が見ると、「ほとんど同じマジック」と認識してしまうことは間違いありません・・笑

 そして、使用する道具として
(T)レギュラーコインのみで行う
(U)Dをつかう(SIMコインも含む)
(V)Sをつかう
(W)コインボックスのような別途道具を使う。
(X)使用するコインに、JやMをつかって加工しておく

 などがあります。(D,SIM,S,J,Mは申し訳ありませんが、ネタの名称ですので頭文字で対応しています・・・マニアの方はわかりますね・・)
 この場合は(W)をのぞいて、見ているほうは、区別がつきません・・・

 最近、カード4枚使用タイプで、1枚づつコインが戻る現象を考えていて、以前からSIMコインを使用する方法は、ビデオで見て知っていたのですが、DやSを使ってもできることに気づき、それぞれ手順を考えてみました。
 オフ会でも、そのうちのひとつをやってみました。
 しかし、今回考えた方法は、どの方法でやっても、観客からみれば、「まったく同じマジック」にしか見えません。マニアというのは、「まったく同じマジック」にしか見えないマジックの方法をいくつも考えて練習して、傍からみれば、これもくだらないことなのかもしれませんね・・・

 しかし、とくに現象の限られているコインマジックでは、こういうことは多いようで、いいろな方法を研究するのも、マニアならではの楽しみでしょう。


カクテルマトリクス・コインボックスバージョン!

 年に2回ほど、海外マジシャンのレクチャーに行きます。その中でもフランスのデビット・ストーンはとても素晴らしいマジシャンでした。パフォーマンスも非常に楽しく、さらにはそのテクニックも素晴らしかった記憶があります。
 その、デビット・ストーンのレクチャーノートやビデオで「カクテル・マトリクス」という作品があります。写真の様に4枚の銀貨を4隅に置き、アセンブリを行うのですが、銅貨がちょっとした味付けをするマジックで、とてもしゃれた現象です。
カクテル・マトリクス
 銅貨には特別な力があるといって、ポケットにしまいます。4隅の銀貨を1枚づつ両手でもつと、左下の銀貨が右上に、右下の銀貨が左上に・・・・さらには、その銀貨が右上に移動します。
 3枚の銀貨を客に握ってもらい、最後の銀貨をマジシャンが握り「先ほどの特別な力のある銅貨」の話をすると、その銀貨が銅貨に変化します。客の手からは4枚の銀貨が現れます。

 と、こんな現象なのです。実際に原案通りやって、とてもうけのよいマジックです。

 しかし、自分的に気になるところが2箇所あります。

1.銅貨をポケットにしまう。
2.DFコインを使用すること。

 こういうことに気が行くのはマニアにありがちなことなのですが、せっかく気になったので、別バージョンを考えてみました。
 そこは、コインボックスマニアの自分が考えること(笑)・すぐ、ポケットにしまうかわりに、コインボックスにいれてテーブル上に置くことを考えちゃいます。
 DFコインのほうは、コインボックス使いながら手順考えていたら、DFの必要がないことに気づき、自動的にDFコインを使わなくてよくなりました。

 現象的にはこんなになります。
 4隅に銀貨、中央のコインボックスに銅貨を・・・銀貨が一枚づつ移動して、3枚集まったところで、3枚を客に握らせて、最後の1枚の銀貨が銅貨に変化します。
 ボックスをみると空になっていて、客の手から4枚の銀貨がでてくる・・・・

 しかし、デビット・ストーンは最後に手をクリーンにするためにDFを使ったのですが・・・ボクの場合は、より煩雑にしてクリーンになっていないという、マニアならではの改案になっています。(笑)
 でもまぁ、自分的には気に入っているので、そのうち実演してみることでしょう。
 アマチュアの場合は、こういう改悪モドキの改案を実際に確かめる楽しみもあります。

 見せられたかた、すいませんですね・・・・笑


飛行するカード

 カードマジックというと、いわゆるカード当てという分野がメインですが、カードが飛行する現象という分野があります。
 広い捉え方をすれば、選ばれてサインされたカードが財布の中にはいってしまうというのも「飛行」といえば「飛行」ではありますが・・・
 もっと直接的に、移動現象をメインにしたものがあります。

 ひとつのパターンとして、10枚程度のパケットを2つつくり、片方のパケットから、もう一方のパケットへ、何枚かのカードが「見えない飛行」をして、結果片方のパケットの枚数が減り、もう一方のパケットの枚数が増える。といった現象です。

 ここでは、そのパターンではなくて、最近なぜか気になっているマジックで特定のカードが飛行する現象の話をしましょう。

 マジックのプロットとしては、こういうものです。
マジシャンは4枚のAを取り出します。残りのデックはテーブルに置きます。
 4枚のAを左手に取り、1枚を右手で隠すと消えてしまいます。即座にテーブル上のデックを裏向きでリボンに広げると、中央にそのAが表向きになって現れます。
 その後、4枚のAを同じように飛行させます。(実は4枚目は1,2,3枚目とはちょっとやり方が変わりますが・・・マジシャンの都合ですが・・笑)

 さて、今参考にしている手順は、アラン・アッカーマンの「Vanishing 4Aces」とベベルの「Retoure Aux Sources」です。

 両方とも、非常によく似たルーチンなのですが、つぎのような違いがあります。
(A) アッカーマンの手順では、デック中央に現れた表のAを、取り出して、テーブル上に置き、デックは再度まとめます。
2枚目のAを消すと、再度デックの中央に現れます。 つまり、毎回1枚だけ、デックの中央にAが現れてくるという現象になっています。

(B) ベベルの手順は(原案では4Aではなくて、A234のカードを使っている)、消したカードがデック中央に現れるのは同じですが、そのままデックを閉じます。
 2枚目のカードを消すと、中央に先ほど現れた表になっているカードの横に並んで2枚目が現れます。つまり、デック中央に表になっているカードが1枚づつ増えていく現象になっています。
 さらに4枚目のカードの飛行方法が違っています。

(A)アッカーマンの手順・・・・4枚目(最後)のAは、今までとは逆にデックにいれてリフルすると、テーブル上においてあった、すでに移動した3枚のAのところに飛行する。
(B)ベベルの手順・・・4枚目のAは一旦デック上にのせて、右手でもって消した後に、デックをリボンでひろげると、デック中央に4枚のAがすべて表になって現れる。
 アッカーマンは、最後のAの飛行に変化をつけているのに対して、ベベルはあくまでも、デック中央に飛行させることに「こだわって」いるように感じます。

 おそらく、見ているほうからすると、4枚目の変化あったほうがおもしろいとは思うですが、ベベルの手順は最後まで同じ現象で通すために、その解決法はなかなか難問なのです。
 返って、変化つけたエンディングの方が、実は解決策は簡単だったりします。
 とはいうものの、両方の手順とも、非常に魅力的で、実際両方とも覚えて演じるのですが似ていながらも、違うところはまるで違うテクニックを使います。
 ただ、双方の手順の区別が時折つかなくなったりすることがあるのが困り物です・・・

 実演する前には、ちゃんとどっちの手順をやるのか決めて、事前に復習する必要がありそうです。


「ジプシー・カース」・・ジプシーの呪い・・

 表題の通りの「ジプシー・カース」という名前のマジックがあります。
カードを数枚使用する、パケットトリックに分類されるトリックです。
 題名の通り、ジプシーの呪いをテーマにした演出をするトリックですが、一般的なパケットトリックやカードトリックでは、現象があって、それにあわせて、演者によって適宜な話を付加して演出するのが普通です。
 しかし、ジプシーカースの話自体がちゃんとした怪異譚になっていることに気づき、ひょっとしたら先に話があってそれにあわせてマジックが考案されたんじゃないか・・なんて思ってます。
 したがって、このマジックをするときは、どのマジシャンも同じ話を演出として使用するのが効果的なのでしょう・・・

 自分で実際に演じている「ジプシー・カース」という名前のマジックは2種類あります。
 ひとつは、タネン製のパケットトリックとして販売しているのもので、自分は東京ディズニーランドで購入しました。マジックランドでも同様の製品は販売しているようです。
 もうひとつは、ポール・ウィルソンが来日レクチャーしたときに、覚えたもので彼はタロットカードを使用します。(自分も偶然同様のタロットを持っていました。)

タネン製ジプシーカース
 双方とも基本的には同じプロットなのですが・・・・・複数枚のカードの中に1枚だけ当たりカードがあり、それがどこにあるかを当てさせるギャンブルを生業としている輩がいます。
 あるとき彼はイカサマをつかってジプシーのおばあさんの財産を全部奪ってしまいます。
 気づいたジプシーが彼の商売用のカードに呪いをかけてしまうと・・・・・
 彼のカードはすべて当たりのカードに変わってしまう・・というプロットです。

 タネン製のパケットトリックでは、この時点でマジックが終了です。
 タネンのジプシー・カースは7枚のカードをつかい、1枚の当たり札、6枚のハズレ札(黒い数字のカード)が7枚すべてが当たり札(絵札)に変わる・・という現象です。
 これだけなら、「話が最初にあった」とは思わなかったのですが・・・・

 しかし、ポール・ウィルソンのは続きがあります。彼は3枚のカードしか使用しないので現象も非常にシンプルです。
 続きの話はこうです。

 どの3枚を見ても当たりのカードになったイカサマ師は無一文になり、そのカードしか財産がありません。3枚を改めてみるとたしかに2枚のはずれカード(道化師のカード)に1枚の当たりカード(カップのカード)・・
 自分が負けるのは、あのジプシーの呪いのためだと気づき、その時のジプシーのおばあさんを探し当てます。
 そして、呪いを解いてくれと、頼みます。
 ジプシーは「賭けをしてお前がかったら呪いを解いてやる。負けたらお前は何をかけるんだね・」と・・イカサマ師はもう財産がありませんから自分の命を賭けます。
ポール・ウィルソンのジプシーカース
 ジプシーは3枚のうち2枚を表にして1枚を裏のまま・・(写真のとおり)・・

「この裏向きのカードが何かを当てたら呪いを解いてやる。間違えたらお前の命をもらう。」
彼は、それが自分のカードなので、間違えるわけがないと思っています。そして自信をもって・・・「それは道化師のカードだ!」と言い、裏向きのカードを開けました・

・・・・・しかし、そのカードは・・・・と、このエンディングがとてもよいので、ここではふせますね・


 この最後の部分の話は、マジックの演出の話としては冗長だし、エンディングも出来すぎな感じです。
欧州人はジプシーたちに対する、魔力みたいなものを感じていたのかもしれません・・
 そんなわけで、ポール・ウィルソンのジプシーカースを見たときに、「話が最初にあったのでは・・・」なんて思ってしまったわけです。
 そして、このマジックは、普通のバイスクルでも出来ますが、タロットカード使ったほうが、神秘的に見えて大きな効果が得られるようです。

  そのせいか、タネン製のカードも雰囲気をだすためにタロットサイズのカードにそれらしい絵柄を使用しています・・



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