キヤノンFLシリーズ
一眼レフ


奇を狙ったようなデザインのRシリーズとうってかわり、オーソドックスなデザインと巻き上げに関係なく開放に復帰するFLレンズの採用で他社に近づいてきました。
しかし、ニコンFのようなフラッグシップ機を持たないキヤノンはプロにはあまり受け入れられず、キャノンはアマチュアレベルの一眼レフしか作れないなどとささやかれていました。

ペリクルミラー・12%部分測光・QL(クイックローディング)・低照度測光用のキャノンブースター・蛍石(フローライト)レンズなどキヤノンならではの特徴あるシステムもニコンFにはたちうち出来ませんでした。
それでもブランドイメージと価格で販売台数は好調だったみたいです。
プロよりアマチュアのほうが圧倒的に人数が多いもんね(^_^)



奇抜なデザインのRシリーズに変わり、キヤノンらしいスマートなデザインのFLシリーズ
の一号機「FX」です(昭和39年発売)
このカメラデザインの金型は基本的に「FTb−N」まで共通のようですので、少なくても
12〜13年間、輸出仕様も含めて9機種を一種類の金型で作った事になります。
さすがキヤノン!商売上手だね〜
「FX」はFLEXのFとアルファベット最後のXを合体させた型番です。
シリーズ最初のカメラに末尾のXをつけちゃうところがキヤノンらしいですね!

「7S」と同じくシャッタースピード連動の高低二段切替式のCds外部露出計を内蔵して
います。時代はすでにTTLに移行しておりましたが、開発が間に合わず「FX」の発売と
なったようです。それでもRシリーズに比べたら、だいぶ洗練されたデザインとシステム
ではないでしょうか?個人的にはキヤノン一眼レフの元祖はこの「FX」ではないかと
思ってます。Rシリーズは「試作機の期間限定発売」ということで(笑)


「FX」と性能は同じですが、内蔵露出計を省いた姉妹機「FP」です。
「FP」のPは「RP」と同じくポピュレールのPです。キヤノンはPが好きだね〜
内蔵露出計は不要だとのプロの要望で作ったらしいのですが、なぜか後付けの
外部露出計「FPメーター」も発売しています。
それだったら初めから「FX」を買えばいいのに・・・と思います。

左右非対称のFPメーターを付けると、なんかSFチックですよね?
まるで片目だけ暗いところや遠くを見れるサイボーグのような気がします。



「FX」と「FP」発売の翌年、昭和40年にキヤノン初のTTL機「ペリックス」が発売され
ました。通常のクイックリターンミラーの替わりに半透明ペリクルミラー(極薄フィルム)
を固定取付けして、一眼レフの欠点であるミラーショックとシャッターを切った時の
ファインダー像損失を防ぐ工夫がされています。
その反面、本来は100%フイルム面に届く光をファインダーに分岐しているので
レンズF値が1/3暗くなるのと、ファインダー内も決して明るくありません。
特にこの年代のカメラはプリズムやファインダースクリーンなどの性能が今より良く
ないので、余計にファインダーの暗さが目立ちます。

測光は他社の平均測光に対して、中央部部分測光(約12%)を採用しています。
面白いのはレンズを絞り込むとCds受光部が立ち上がり、フイルム面の直前で測光
をするというシステムです。受光部をプリズム周辺やミラーに内蔵させた他社に比べる
と精度が高く、絶対値測光などと当時は呼ばれていたようです。
「ペリックス」のペリクルミラーと部分測光はキヤノンの特徴の一つとして後々の一眼レフ
に引き継がれましたので、キヤノンの歴史上価値ある一台だと思ってます。


TTL2号機、昭和41年発売の「FTQL」です。
ペリクルミラーを通常のクイックリターンミラーに変更して「キヤノネット」で好評だった
QL(クイックローディング)簡易フィルム装着機構を装備しています。
測光素子の位置は「ペリックス」と違いますが12%部分測光は受け継いでいます。

考えてみるとこの「FTQL」を先に発売して、その上位機種としてペリクルミラーの特徴
を持った「ペリックス」を次に発売するのが普通のメーカーの考えではないでしょうか?
世界初が好きなキヤノンはペリクルミラーを開発しちゃったもんだから、早く発売したくて
順番が逆になったのかなぁ?ん…なんかキヤノンらしいや(^.^)

また、「F−1」の発売は昭和46年ですが、開発に5年の歳月をかけたと公表しています。
ってことは、この「FTQL」を発売した頃に「F−1」の開発がスタートしたことになリますね。

「FTQL」にはキヤノンブースターという
低照度測光用露出計が装着できます。
EVー3.5(F1.4・23秒)までTTLで測光
出来るスグレモノだけど、変なデザイン…
FPメーターとどっちが変かなぁ?
この露出計の思考は後の「F−1」用
ブースターTファインダーに引き継がれ
ました。デザインもね(^_^;


「FTQL」の発売と同時に「ペリックス」のマイナーチェンジ
があり、「ペリックスQL」になりました(昭和41年)
QL(クイックローディング)簡易フィルム装着機構をつけ、
キャノンブースターも装着できるようになってます。
でも、販売価格や使いやすさで「FTQL」のほうが人気が
あったみたいです。
このカメラはまだ所有していないので、そのうちGET
しようと思っていますが、売れていないので台数が少
ない。そんな訳で中古価格が結構高いっす!
販売価格を下げるために「FTQL」をスペックダウン
させた輸出専用機「TL」です(昭和43年発売)
シャッタースピードの最高速を1/500秒に抑えて
QL機構を省いただけですが、海外ではいくら安く
なったのかなぁ?ほとんどがQL機構なしみたいですが
QL付きも後半に少数販売したみたいです。
この頃、キヤノンは「F−1」の開発に力を入れていたんで
新機種が少なめですね。


このFL時代は各社の一眼レフも外部測光又は露出計なしからTTLに変わっていった変革期です。
開放測光のニコン・ミノルタ・トプコンと絞り込み測光のキヤノン・ペンタックスに分かれていましたが、実際に絞り込んで測光する絞り込み測光のほうが露出が正確だとか、開放測光のほうが使いやすいとか色々と論議されていたようです。

のちにキヤノンはFDシリーズで、ペンタックスはM42マウントのままで開放測光に変更していますから、やはり開放測光のほうが正解だったのでしょう。
でも、キヤノンFLシリーズもペンタックスSPシリーズも基本設計はちゃんとしてるんで、まだまだ現役で使えますよ!
ちょっとだけ使いづらいけどね(笑)



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