スポーツにおいてよりよい成果をあげるためには、科学的トレーニングと疲労した体の回復を早め、バランスある栄養補給は欠かせない。
体をつくり、体を動かすエネルギー源を補給し、そして身体機能の調節をする栄養素を常に意識して摂ることが必要である。

糖質
(主食となる穀類やイモ類)3大栄養素のなかで最も重要なエネルギー源で、運動初期と全力運動の無酸素運動、それに神経細胞唯一のエネルギー源である。
糖質の摂取不足は、筋力・筋持久力・中枢神経の疲労から、運動機能・判断力の低下がみられ、糖質を補給すると回復することから、その重要性は明らかである。過剰摂取は中性脂肪(体脂肪)として蓄えられ、動脈硬化などの生活習慣病、身体運動の低下などがある。
糖は消化吸収されると血中グリコースと、筋・肝臓にグリコーゲンとして蓄えられ、その貯蔵量は僅か1800kcalである。ハードな運動ほど脂質より糖が消費されることから、1〜2時間前に十分に摂りたい。
糖代謝にはビタミンB1(豚肉はNo1の補給源)やクロム(ヒジキ、貝類、ジャガイモ)を補給し、不足すると不完全燃焼になる。

タンパク質
体を構成する骨や筋など身体構成の主要成分で、常に分解と合成を繰り返えすので一定量3食摂る必要がある。激しい運動の後ほど筋の合成が早く、直ちにタンパク質を摂り、糖質も補給すると合成が効果的に行なわれる。
過剰摂取は筋が増えるわけではなく、脂肪に形を変え蓄えられるか排泄され、不十分だと筋・骨などの発育障害・免疫力低下などの弊害がある。
食事からタンパク質を摂ると、酵素によってアミノ酸まで分解され、小腸で吸収され肝臓から血液タンパクとなり、各組織に運ばれ身体の構成要素になる。
エネルギー源としての役割は、糖質・脂肪に比べて二次的なものである。
動物性タンパク質は栄養価は高いが脂肪が多く、植物性タンパク質とのバランスを考え両方から摂る。

脂肪
糖質・タンパク質の2倍以上のエネルギーを持ち、1g9kcalの熱を発生することから、持久運動のエネルギー源に適している。
動物性食品などから摂取した脂肪は、酵素によって脂肪酸とグリセロールに分解吸収され、体内で中性脂肪として皮下・腹腔・筋の間に蓄えられる。
糖質やタンパク質の過剰摂取により余った糖・タンパクからも脂肪に変換され、摂り過ぎはあっても不足することはない。
動物性脂肪の摂りすぎは高コレステロール化を招き、動脈硬化から心筋梗塞・脳梗塞といった生活習慣病のリスクも高まり、低脂肪動物性タンパク(モモ・ヒレ)を煮る・焼くといった調理法が必要である。


体を作る5大栄養素と食品

ネルギ
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糖質 運動・脳のエネルギー源 
精神の安定 筋肉.肝臓に貯蔵
ご飯 パン 麺類 イモ類 パスタ 
タンパク質 身体(骨・筋肉・血液)を作る 
体タンパク質は常に分解と合成
肉 魚 卵 木綿豆腐 牛乳 豆類
脂肪 エネルギー源最大の貯蔵庫
体温保持 臓器の支持
動物性・植物性油 バター マヨネーズ
代謝
調
ビタミン 生理機能の調節
物質代謝を完全にする
A.皮膚粘膜.ニンジン B1.糖質代謝.豚肉
C.アミノ酸代謝.野菜 E.抗酸化力.落花生
ミネラル 体を構成する有機物質
コンディションを最良に保つ
Ca.骨組織.小魚 Na.浸透圧維持.醤油 
Fe.酸素運搬.卵黄 Mg.筋収縮.魚.海藻
.................................... . ....................................

瞬発力 .....高タンパク・低カロリー.....
低脂肪動物性
タンパク質
植物性
タンパク質
ビタミンB6
タンパク質代謝
瞬発力を考える場合、体重が同じなら筋力があり体脂肪が少ないほど瞬発的パワーが発揮できる。
一瞬の動きを遅らせる体脂肪をつけないようウエイトコントロールすること、つまり日常から高タンパク・低カロリーを心がける。
脂肪の少ない小魚類、赤身の肉、鶏肉の動物性
小魚 豆腐・納豆 にんにく
低脂肪牛乳 きな粉 ノリ
卵白 豆乳 大豆
タンパク質と、大豆、大豆加工食品である豆腐・納豆などの植物性タンパク質が高タンパク・低カロリーである。肉、魚とも高タンパク質の基準であるアミノ酸スコアは変らないが、バラ肉、鶏皮、しもふり肉は飽和脂肪酸が多く、摂り過ぎるとコレステロール値を上昇させる。
体脂肪の燃焼は、食事前の低血糖時に有酸素運動や筋力トレーニングを行なうと、エネルギー源であるグリーコゲンが枯渇しているので、脂肪を燃焼させ瞬発力アップに繋がる。食後はグリーコゲンがアップしているため、運動で使われるエネルギーは脂肪より糖質中心になる。
タンパク質代謝には、ノリ・大豆・まぐろなどのビタミンB6、体内で貯蔵される時に必要なFe。

筋力アップ
.....タンパク質が筋肉をつくる......
動物性
タンパク質

植物性
タンパク質
サプリメント 筋が発育するためには、筋力トレーニングと直後の栄養補給、休息それにオーバーロードが筋力アップの基本である。
超回復に必要なタンパク質は体重1kgあたり2gで、体重70kgは140gが必要とされ、食肉100gのタンパク質量は僅か20gである。
140g確保するには3食定期的な補給と間食にもタンパク質を摂りたい。
肉・魚 100
そば粉 91
ホエイ
プロテイン
牛乳 100
豆腐 82
100
精白米 62
貝類
大豆・あずき 70
食事直後のトレーニングは消化器官に血流が集中しているため、ハードな運動は食後2時間位してから始め、トレーニング後は30分以内にタンパク質と糖質を補給すると、筋の合成と疲労回復が早まる。
トレーニング後の栄養補給は食事から摂るのが基本であるが、カロリーオーバーもあり、サプリメントも考えたい。
牛乳から作られるホエイプロテインをジュースとシェイクするとエネルギー源である糖質も摂れる。            (表数字はタンパク質の良質指標であるアミノ酸スコア)

持久力 .....糖質が持久力アップ.....
糖質
エネルギー源
糖代謝
ビタミンB1
酸素運搬
運動のエネルギー源は3大栄養素である糖質と脂質が主に使われる。
糖質は全力パワーの無酸素運動と負荷の低い有酸素運動にも利用されるのに対し、脂質は無酸素運動では使われない。
糖は僅か1.800kcalしか貯蔵されないのに対し、脂肪は、体重70kg体脂肪20%として、14.000g
穀類 豚肉 レバー・卵黄
イモ類 ピーナッツ ノリ・ヒジキ
パスタ 大豆・ノリ にぼし・貝類
14.000g×7kcal(体脂肪はエネルギーにならない水分等を含んでいるので9kcal→7kcal)=98.000kcal、
約10万kcalも蓄えられている。
そこでいかにグリコーゲン量を高めておくかが,持久力の鍵になるので、主食の穀類を十分摂ることにより、体内グリコーゲンが貯蔵され、高強度の持久的運動も可能になる。
グリコーゲンの節約を考える必要もあり、前途したような瞬発力の食事同様、除脂肪体重も持久力向上に重要である。
持久運動は、大量の酸素を細胞に運搬する鉄、疲労物質乳酸の処理を早めるビタミンB1、激しい運動によるストレス耐性を向上させるビタミンC、筋へのエネルギー供給と運動能力を高めるビタミンE、発汗によって失われるビタミンミネラル(Na,K,Ca,Fe,Mg)の補給が必要な栄養素。

ダイエット .....効果的なダイエット.....
低脂肪動物性
タンパク質
植物性
タンパク質
ビタミンB12
脂肪代謝
摂取カロリーと消費カロリーの収支バランスが必要で、糖質と脂質の制限が中心となり、タンパク質、副食は減らさない。
肥満の多くは夕食の過食であり、消費しきれない血中のブドウ糖は中性脂肪として脂肪細胞に蓄えられる。夕食30分〜2時間後、ジョグやウォークなど中程度の有酸素運動が、余った血糖を効果的に燃焼させる。
又、体組織で脂肪を燃焼させる最大組織は筋であるから、筋力トレーニングにより筋を肥大させ、基礎代謝及び生活活動代謝をl向上させることも有効である。
筋力アップの項目同様、体脂肪の燃焼は中程度の運動を食前に、糖の燃焼にはややハードな運動を食後に考えたい。
...用語...
基礎代謝(体温保持・呼吸など生命維持に最小限のエネルギー)
生活活動代謝(スポーツや日常生活など、意識的な動作)

有酸素運動(220-年齢の60%の心拍数)は運動開始時から約20分はグリコーゲンと脂肪酸をエネルギー源とし、体温の上昇によって脂肪の燃焼に移行する。つまり、中程度の運動負荷で長時間が基本になる。
10分位の運動でも運動後に脂肪は燃焼され続けるので、こまぎれ運動も効果は同様。30分継続=10分+10分+10分。
短期減量は運動時間、運動頻度、運動強度を増やす。
牛豚モモ・ヒレ 豆腐・から 乳製品
マグロ赤身・カツオ 納豆・こんにゃく 貝類・ノリ
鶏ささみ きのこ類・海藻 卵・牛レバー
調理法
煮る ゆでる 網焼き
高カロリーメニューと熱量
焼きそば 796
736
ビッグマック 563
五目そば 796
ナポリタン 704
ちらし寿司 552
天丼 784
鉄火丼 580
牛丼 515

摂取カロリー < 消費カロリー
.................................... . ....................................
脂質消費率 体脂肪燃焼に効率的な運動強度は最大酸素摂取量の60%。
40%と70%では脂質消費率の差は少ない。

運動強度が増すほど脂肪の燃焼は減少し、糖質の燃焼に移行していくことが解る。

運動頻度  週3回だと効果は顕著になり増すほど当然大きくなるが、効果の差は3回に比べると増えるほどしだい小さくなる傾向がある。
運動強度
最大酸素摂取量
糖質
(%)
脂質
(%)
脂質
消費率
20% 50 50
40% 52 48 1.9
60% 61 39 2.4
70% 70 30 2.1
80% 82 18 1.4
弱い運動ほど脂肪が消費されるが、運動強度が増すほど消費エネルギーが増えるので、運動強度、運動時間、運動頻度、全消費エネルギーを考える。
年齢 最大心拍数(60%)の心拍数
20代 117
30代 110
40代 105
50代 100
60代 95
70代 90
年齢 最大心拍数(75%)の心拍数
20代 145
30代 140
40代 130
50代 125
60代 115
70代 110
(左図)最大酸素摂取量を計測するのは難しいため最大心拍数を最大酸素摂取量とする。
BMI値  標準体重=(22×身長m×身長m)は筋量と体脂肪量を区別なく決定され、運動する者にとって無意味で全く参考にならない。
脂肪量を簡単に計測できる現在、いまだに日本赤十字社、医療機関などBMI値を肥満度を表す指標にしている。
PRIDEヘビー級チャンピョン、エメリヤ-エンコ・ヒョードル(182cm/103kg BMI値による標準体重は72.8kg)、ハンマーの室伏広治(187cm/97kg)は太りすぎであろうか。

(左上図)学芸大加藤邦彦氏の脂質消費率(最大酸素摂取量20%の運動強度を1としたときの相対比)
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