不眠症について

不眠症の定義

 最近社会構造の複雑化とともに、不眠症に悩まされる方が増えています。不眠症とは、夜眠れないことで苦しみ、そのために翌日の社会生活が障害されるものと定義されています。
 細かく言いますと、下記のとうりです。
1)寝つくのに2時間以上かかる入眠困難。
2)途中で2回以上目が覚める中途覚醒。
3)いつもより2時間以上早く目覚めてしまう早朝覚醒。
4)眠っているかに見えて、眠ったという満足感のない熟睡間の欠如。
上記4つのうち、少なくとも1つが週3回以上あり、これが1ヶ月以上続いている状態といわれます。


不眠症の治療方法 
 不眠の原因となる身体疾患や精神疾患の治療をまず行いますまた、不眠の原因薬物を中止します。一方、睡眠に関する正しい知識や睡眠を上手にとるための生活習慣を身に付けます。その上で睡眠薬が必要な場合は専門医に相談のうえ自分の不眠のタイプにあう睡眠薬を処方してもらいます。最近良く使用されているのはベンゾジアゼピン系の睡眠薬はとても安全な薬です。


不眠症の治療期間 
 
不眠症を期間別に分けると、一過性不眠、短期不眠、長期不眠の3つに分類されますが、一過性不眠と短期不眠数回の範囲内の睡眠薬使用ですみますので問題はありません。問題となるのは睡眠薬の長期使用が必要となる長期不眠です。原因がないのに不眠に悩む精神生理性不眠で、いわゆる不眠症のほとんどがこれに属します。20〜30歳から始まり、女性に多い不眠です。治療期間は個人差があって一概には言えません。睡眠薬を使用して不眠症状が治ったら、専門医の指導のもとに徐々に薬の量を減らしていくことで、完全に睡眠薬をやめることも出来ます。


不眠症になりやすい病気
 ストレスの多い現在ではうつ病や不安障害(神経症)などが考えられます。心療内科や神経科の専門医に相談されることをお勧めいたします。

不眠の分類


1)環境因性不眠〜騒音・気温・明るさなど。
2)ストレスによる不眠
3)身体疾患に伴う不眠〜睡眠時無呼吸症候群・周期性四肢運動障害・むずむず脚(レストレスレッグス)症候群・消化性潰瘍・呼吸器疾患・皮膚疾患など。
4)中枢神経疾患に伴う不眠〜脳血管障害・パーキンソン病など
5)精神疾患に伴う不眠〜感情障害(うつ病)・神経症圏疾患・精神分裂病・老年期痴呆など
6)アルコールや薬物使用に伴う不眠〜アルコール、睡眠薬などの依存・退薬・各種治療薬の使用。
7)老人性不眠〜浅眠・多相性睡眠型・社会的要因・レム睡眠行動障害。
8)概日リズム関連性不眠〜時差症候群・交代勤務睡眠障害・睡眠相後退症候群など。
9)精神生理性不眠〜身体化された緊張と学習された睡眠妨害的連想の相互強化による。(神経質性不眠)


不眠症の原因ー5つのポイント(Erman,MK,1989;beaumont,G.,1990)

1)身体的要因(physical)
 疼痛性疾患、発熱性疾患、痒みをともなう状態、腫瘍、感染症、血管性障害、心疾患、炎症性疾患、内分泌および代謝障害、頻尿(利尿薬使用または他の原因による)慢性閉寒性肺疾患または他の原因による低酸素症。
2)生理的原因
 時間帯域変化症候群(時差ぼけ)交代勤務、短期の入院。
3)心理的原因
 ストレス、重篤な疾患、人生上の大変化。
4)精神医学的要因
 アルコール症、不安、パニック障害、大うつ病。
5)薬理学的原因
 アルコール、抗がん薬、降圧薬、自律神経作用薬、カフェイン、中枢神経抑制薬、中枢神経刺激薬、モノアミン酸化酵素阻害薬、ニコチン、ステロイド、甲状腺製剤、theophylline.


良い睡眠をとるためのポイント
1、毎朝決まった時間に起き、毎晩同じ時間に寝るという規則正しい睡眠習慣を身に付けましょう。
2、昼寝はできるだけ減らすようにしましょう。
3、あまり早くから寝床につかないようにしましょう。また、朝目覚めたら、寝床から離れましょう。
4、昼間に運動や趣味やボランティア活動などをしましょう。また、午後には日光浴をするよう心掛けましょう。
5、寝室は眠るときだけに使いましょう。
6、就寝前には軽い読書をしたり、静かな音楽を聞いたりするなどして、気持ちをリラックスさせ、落ち着くようにしましょ  う。
7、就寝前に、勉強や激しい運動などで、心や体を興奮させることは避けましょう。
8、就寝前にコーヒーや、紅茶や、アルコールなどの刺激性のある飲み物を飲まないようにしましょう。水分も適量にと  どめましょう。
9、消化の悪い食べ物を寝る前には食べないようにしましょう。
10、就寝前の喫煙は止めましょう。
11、終身の1〜2時間前にぬるめのお風呂に入りましょう、熱いお風呂は避けてください。
12、ゆったりした気持ちで眠りにつくようにしましょう。
13、無理に「眠ろう眠ろう」としないことです。眠らなければならないという焦りが神経をさらに過敏にしてますます眠    れなくなります。
14、寝付けないときは一旦寝床から離れてみてください。


睡眠環境について
1、窓やカーテンに注意を払い、外からの音や光が、眠りを妨げないようにしましょう。
2、睡眠に快適な温度は、冬は約13度くらいで、夏は約25度くらいです。湿度は50%前後です。
3、自分の体に合った枕や布団を選びましょう。