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14/5/1 こずえ鈴番組HP

黒柳「本当に初めてお目にかかるんですけども可愛らしいというかきれいな透き通るようなお客様が今日のゲストこずえ鈴さんです」


こずえ≪はじめまして≫


「鈴(りん)ちゃんがいいとおっしゃいましたね」


≪はい≫


「お父様が科学者でいらして」


≪そうですプラズマの研究をしていて≫


「プラズマというと電子レンジいわゆる”チン”というものの開発グループに入ってらした。今はどんなものを研究されてるんですか?」


≪今は宇宙から出る光を研究している。(後ろを振り向いて)誰か笑ってますね。≫


「(日本に来て)9年目で私すごいなと思うのは何の癖も無い日本語で。ブラジルで生まれてアメリカで育ったんで」


≪いやドイツで生まれて・・・≫


「ええ!!ドイツ。」


≪ドイツで生まれてちょっとブラジルで住んでアメリカに行きました≫


「アメリカはどちらでしたか?」


≪バージニア州です≫


「そこは全部英語の生活でしょ?」


≪そうです≫


「それで日本にいらして。お父様って全然日本語が上手じゃないって本当なの?お父様は日本の方ですよ。なのに全然日本語が上手じゃないんですって」


≪そうです。ちょっと英語なまりが入っていて≫


「お母さんがブラジルの方だそうですけども。弟さんがいらっしゃって」


≪はい≫


「私すごいと思ったのは日本の公立中学・高校にいらしたのが今のあなたの日本語にずいぶん影響を与えていると思いますね」


≪たぶんそうでしょうね≫



「来たときは全然できなかったんでしょう?」


≪”こんにちは””ありがとう”ぐらいですね≫


「お父様とはいつも英語ではなして」


≪そうです≫


「お父様は何事も突然なんですって?。なにかスイスに行ったときも」


≪スイスにいたときも突然スキーやりたいって言っていきなり山の上に上って≫


「あなたも準備がねえ」


≪スキーやるときはいろいろ必要じゃないですかウェアとか板とか。でもそんなのいらないって言って≫


「(スキーウェアなどを)向こうで借りたりとかして」


≪いや普通の服でコートだけを着て板だけは借りて。でお父さんだけスイスイどこかに行っちゃったんですよ。鈴ちゃんは泣きながらずっと待ってました。(会場笑)≫


「日本に9年前に行く時も前から行くぞ行くぞというのじゃなくて」


≪じゃなくて何週間前に「行くから」って≫


「それもひとり言のようだったんですって」


≪はい≫


「「行くから〜〜」見たいな感じで」


≪そうです最近も電話が掛かってきて「今渋谷」とか言って(会場笑)。≫


「お父様今までアメリカにいらしたんでしょ」


≪そうなんです≫


「じゃあ突然は驚かないですね」


≪うん・・・たまに驚きます≫


「いつも科学のことを考えてらっしゃるからそんなスケジュールのこととかは考えてらっしゃらないんですね。」


≪やりたいことはやっちゃうみたいな≫


「いつも科学のことが頭にあるんじゃないですか」


≪そんな感じがします。いつも勉強してます。≫


「私今キューリー夫人の舞台をやっているんですけどもいつも科学のことを考えてますね。だけどいきなり日本にい行くぞと言われた時は小さくて学校はどのへんだったんですか?」


≪ワコウ三中です≫


「イヤイヤそうじゃなくて何年生ぐらいだったんですか?」


≪中2です≫


「でも弟さんもいらして弟さんは小さかったんでしょう?」


≪小学校5年生ぐらいです≫


「いきなり日本に行くことになってあなたはアメリカのお友達と別れて」


≪そうです。辛かったです≫


「そうなんですってずっと泣いて飛行機の中でも泣いてたんですって」


≪本当に突然だったんでバイバイもちゃんと言えなかったんで≫


「でお父様が行くぞっていうことになって日本の学校に編入して全然日本語できないんでしょ」


≪そうです≫


「あなたは日本語もできないから嫌だなって思ってたんですけども弟さんは小さいからすぐに馴染んだんですって?」


≪小学生は英語を習っていないからみんな日本語で「あそぼうよ」とか「僕の名前は何々」とか言うじゃないですか。でも中学生は(英語を習っているから)「My name is」とか「This is a pen」とかいうじゃないですか。だからみんな鈴ちゃんに試すんですよ「This is a pen」とか言ってきて「(困った感じの口調で)分かってるー」みたいな(黒柳笑)≫
※This is a pen(これはペンです)と何回もいわれてもそれ以上答えようが無くて困った


「「This is a pen」って言われても(笑)」


≪分かてるんですけども≫


「弟さんの場合は向こうは日本語で言うしかないしどんどん日本語に馴染んでいくけどあなたは「What your neme?」と言ってくるわけ。大変ですね」


≪大変ですよ。しかも教科書風に言わないと向こうは分からないんで「(日本語発音で)My name is」みたいな。≫


「それもあなたには良くは分からなかったでしょうね」
※日本語発音の英語は良く理解できなかった


≪分からなかったですね≫


「英語というものは切れ切れに言うものじゃなくてズルズルズルとくっついて言うのが正しいんですって」


≪そうです≫


「私向こうにいった時にスピーチ習いに行った時に言われました。どうも東洋人は語尾を切ると。英語はできることなら続けて書きたいけど切って書かないと読めないんで言う時は続けていってください」


≪そうそうそう≫


「ずいぶんいじめにもあったんですって」


≪そうですね見た目が外国風なんで目が大きくてまばたきしてみろよとか言われたりして。頭にきて英語でバカーみたいなこと言ったら向うへ行っちゃたんですけども≫


「それでいじめられる子はどうしたらいいかって自分で対処したんですって?」


≪そういじめる方も悪いと思うんですけどもいじめる方もすごい自分に自身が無いと思うんですよ。なにか1つだけできたら全然いじめられないと思うんですよ。勉強できたら「あの子頭いいよね」とかスポーツできたら「あの子すごいよね」とか言われるじゃないですか。≫


「あなたは何を?」


≪鈴ちゃんは明るくいこうと思って日本語覚えたのを全部しゃべって毎日明るくしたら人が集まってきて友達もすぐにできましたね≫


「ちょっとやったら変わるものですね」


≪そうこんあに変わるもんだねって≫


「でも自分から明るくして行くって言うのは大変だったでしょ?」


≪はい。でもいいやってやっちゃえって≫


「でも話し掛けても相手が話し掛けてくれなくてずいぶん待って話し掛けてくれるかなって。そこのところはずいぶん待ったんですって」


≪そうなかなか話し掛けてくれなくて。でもその間に自分を変えなくちゃと思ってメガネだったのをコンタクトレンズにかえて≫


「メガネだったの」


≪歯の矯正もしてたのをとって≫


「あのころはまだ日本の子は歯の矯正なんかしてないからなんでハリガネ見たいのをいれてんだって」


≪言われたり。取ったらまた明るくなってバーと行ったら来ましたね≫


「いじめられてる人には自分のほうからある程度行かないとダメっていうのがあなたの(アドバイス)」


≪うん。自身をもってください≫


「でも明るく話し掛けても全員がすぐに話し掛けてくれたわけじゃないでしょ?」


≪でも毎日毎日話し掛けないと≫


「そうとうがんばらないとね」


≪がんばりましたね≫


「今うかがってるだけでも涙が出そうになってそうとう涙ぐましいんですけどもそれをやることによって(中学を卒業して)次の高校に行ったときは」


≪もうファーーって。本当に楽しかったですよ。≫


「修学旅行も行ったんですってね。」


≪中学は京都に(行きました)。高校は北海道に行きました。≫


「アメリカでは中学の時とかは校則は無かったんですって?」


≪無いんです。自由で。ご飯食べる時もカフェテリアなんで自由に自分の好きなものを食べれるんで≫


「あと頭の髪をしばるゴムは何色って決まってる」


≪ああ!あれは何でなんですかね?≫


「それは目立たないようにじゃないですかね」


≪そうなんですか。≫


「ゴムは黒に決まっていた。それとブルマも嫌だった」


≪ブルマは嫌ですよ。パンツと変わらないじゃないですか。あれは恥ずかしかったですよ。≫


「アメリカはブルマ見たいのははかないの?」


≪ないです自分の普段着に着替えて≫


「自分の持ってきた短パンに着替えて。私なんかもそうだったんですけどもスカートのヒダがいくつってすっかり決まってんですよ。それをちょっとでも多くしたいと思うのね。別に多くしたから良いわけじゃないんだけど」


≪フフ(笑)≫


「スカートの丈も決まってたでしょ?」


≪決まってました≫


「靴下も黒で長さはとか決まってて」


≪はい。靴下も黒ですごく短い。ハイトリミ無いくらいのすごく短い≫


「校則が馴染めなかった」


≪苦手でしたね≫


「そうですか。でもいまは慣れてテレビやなんかでは活躍されていて。でもそこまで来るのが大変でしたね。今振り返ってみてどうでしたか中学高校時代は?」


≪中学は慣れなかったことが一杯あったんですけども高校は本当に明るく楽しくできたんで本当に良かった≫


「自分で明るくしたことが良かったですね」


≪それが良かったですね変身したこと≫


「高校のときは言葉はもうできて」


≪中学3年のときに言葉はできてたんで≫


「私すごいなと思うのは英語のなまりの無いお友達と話しているような日本語ですものね」


≪でもたまに変になったりしますよ。マネージャーさんにそれ違うよとか≫


黒柳「鈴ちゃんのファッションですけどもファッションには関心があるでしょ」


こずえ≪大好きです≫


「若い人は鈴ちゃんは何を着るんだろうってとても関心持ってるそうですけども」


≪そうなんですか?≫


「そうなんですよ。モデルをやってらっしゃるんですけども原宿とか歩いてると一日で何枚も名刺が集まっちゃうんですって?」


≪たまにゲームみたいに友達と今日は何枚もらえるのかなって言って≫


「すごいわね。」


≪その時はちょっと調子に乗ってましたね(笑)≫


「これだけ可愛らしいとそうだと思うんですけどもね。スカウトの人から名刺をもらうと家に帰って今日は何枚名刺貰ったって」


≪その中でちょっと気に入ったのがあると面接受けにいってたりしてたんですけども鈴ちゃんのやりたいこと全然聞いてくれなかったんでダメだって思って≫


「そういうのアメリカでお育ちということもあるんですけども全部自分で決めて自分で選んで。それでモデルをやって雑誌の表紙なんかにでたりしてとっても可愛いんですよ”裏原宿スタイル”というのが当時新しくて」
※雑誌登場


≪これは事務所に入る前なんですよ≫


「次に”QUES”という雑誌の表紙になってこれは事務所に入ってから」


≪いや入る前ですね。これも知り合いのカメラマンに撮っていただいてただの作品だったんですけどもそのカメラマンがどっかの雑誌に持っていったら使っていただいてでもその頃は事務所に入っていて。よく分からないんですけども昔の写真を最近使ったんですよ≫


「目標は女優さんだったんですって?」


≪”マイガール”という映画を見てちょうど同じ歳の子供たち出てたんでうらやましくてこの人たちできるんだたら鈴ちゃんできるでしょって思って高校のときにこういうお仕事をし始めたんであきらめずにやってみようかなって≫


黒柳「本当に可愛らしいから何でも言えばやってくれるかと思えばとんでもないあなたはこれがやりたいこれはいやとはっきりしてらっしゃるから」


こずえ≪はい≫


「今の事務所にはいるまでにずいぶんいろいろなところの面接を受けてここは確実というところを自分で探して」


≪そうです≫


「自分のやりたい仕事をやってくれそうだと思って」


≪そうです。履歴書送って≫


「やっぱり不安はあったでしょ」


≪ありますね≫


「今度曲をお出しになるそうで私はビデオ見てないんですけどもバンドを作ったそうで。歌も歌いたかったの?」


≪はい。音楽が大好きなんですよ≫

〜歌っているVTR再生〜

「あらまあ”CRIZZLY”というバンドで。あなたは話してらっしゃる時はそういう声なのに歌ってらしゃるときは自分強い声になるのね」


≪うん。がんばります(笑・会場笑)≫


「今22歳におなりになるんですって。”22”という本をお出しになってその中にもずいぶんおしゃれのこととか写真とかもあるんですけども(表紙の絵を見て)これあなたなの(笑)」


≪そうですこれ鈴ちゃんなんです≫


「中にもお写真があるんですけども(写真を見て)こんなのもあるの」


≪ちょっとバニーガールになってみようかなって。好きですね可愛くて≫


「寝転がってるの可愛いわね。でもあなた髪の毛を短くしたらずいぶんお顔が変わるのね」


≪そうですか≫


「さっきの歌ってらっしゃる時のとは全然違うものね」


≪ありがとうございます≫


「そしてあなたは国籍は日本人をお選びになって」

≪はい≫


「日本人になってらっしゃるんですね」


≪日本人です(笑)≫


黒柳「日本人ですって(笑)。アメリカから泣きながら成田(空港)についてずっと悲しがってた女の子だったんですけども弟さんの方は早くみんなと馴染んだんでこの先僕(弟)は(日本の)中学に行きたいんだと。あなたは本当は向う(アメリカ)に帰りたかったんだけど日本にいようと思って今まで日本にいてどうですか?」


こずえ≪うん。楽しいです。毎日が≫


「バンドもできて歌も歌えるし。これからどういう風にしたいっていうのはあります」


≪いやーいろんなことができるタレントさんになりたいですね≫


「女優さんにもなってみたい?」


≪そうですね≫


「本当にね可愛いからこうやって顔を見ているだけでもいいんですけどもみんなから顔を見て可愛いねっていわれるでしょ?」


≪そんなこと無いです≫


「そおお(笑)。でもお父様は高校だけはちゃんと卒業して欲しいといわれて卒業できたんだからね」


≪はい。良かったです≫


「ハハハ(笑)。ありがとね」


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14/5/2 きむらゆういち番組HP

黒柳「絵本作家のきむらゆういちさんです。よくいらして下さいました。”あらしのよるに”というほんが大変ベストセラーになっていまして絵本なんですけども。今日のゲストのかたはその絵本の文章をお書きになった方で絵の方はあべ弘士(ひろし)さんという方が」


きむら≪ええ。≫


「北海道旭川の動物園の」


≪飼育係をやっていた人でいまは辞めて絵のほうに専業しています≫


「なんといっても”あらしのよるに”は芝居にもなって劇団”円”で」


≪はい≫


「それに第一冊目が出たのが94年ですから」


≪8年ぐらい前ですね≫


「はじめはこの1冊のつもりだったんですって?」


≪どうなるかわからないという感じで1冊目が終る方がいいかなって1冊で終るつもりだったんですがその後いろんな方からその後どうなるんだってお便りがきまして書こうかなと思った前にいろいろ賞とかをいただいちゃったんですね≫


「そうなんですね講談社出版文化賞、日本図書館協会の選定図書とかに選らばれまして6冊まで6巻までかかれてこれで完結と」


≪そうですね≫


「全部書くのに7,8年かかってるというふうになりますかね」


≪そうですね≫


「後がどうなるその先どうなるという。つまりオオカミとヤギが嵐の夜に暗闇で会ってしまったというお話なんですね」


≪はい≫


「有名な方が推薦文を書いてるんですけども第六巻に脚本家の内舘牧子さんがこのように”一遍のどぎつさも無いのに息を呑むサスペンスで読み始めたら大人でも止まらなくなります。子供に読み聞かせたらきっと生きる楽しさや重さが静かに胸に入っていくでしょう”。それから宮本亜門さん。宮本さんはちょうどNYの同時テロのときにNYにいらしたということで”ぼくはあの9月11日NYにいた。翌日町中を包んだ世界貿易センタービルの灰は痛く切なく僕たちに降り注いだ。その灰は心にしみ胸を圧迫した。なぜ人は分かりあえないのか。しかしそれが人間がやった事実の行為だった。そんな時にこのヤギのメイとオオカミのガブにあった。うつくしいエンディング。これは一瞬の奇跡。本の中だけの夢?それでもいい。もっとも必要な心を教えてくれたから。人生において愛すべきお話がまた生まれた。世界中の人たちに読んでもらえたらと心から願うばかりだ。メイとガブは僕にとって国であり民族であり宗教であり恋愛であり本来この地球上に生を受けたあらゆるもののすがたである”とこんな風に激賛して」



≪ええ、うれしかったです。≫


「じゃあせっかくなんで飛ばしてですがちょっと絵本を読んでみます。
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(黒柳さんの読まれた絵本の内容を要約したものを以下に書きました)
ヤギの肉が大好物のオオカミと草好きのヤギが嵐の夜に小屋で出会う。
暗闇なのでお互いの存在がわからない
ヤギはオオカミのことをヤギと思い
オオカミはヤギのことをオオカミだと思っている。
すっかり友達になった2匹は明日この小屋の前で会う約束をする。
その時にお互いが分かるように合言葉を決めて別れる

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そして次の日にこの2匹が小屋の前で会うとどうなるのかというのが一回目の終わりだったんですけども。」


≪ぼくそれで気付いたんですけどもハラハラドキドキするものって敵がいるんですね。でもこれは敵がいなくてドキドキするっていう。おもしろい今までとは全然違ったものだなって≫


「お互いが分からないからどうするんだろうって私たちがドキドキするって」


≪それと立場が違うということでいろんな意味でドキドキするっていう。≫


「それと中ではオオカミはヤギの肉はうまいなって頭で思ってヤギは草はおいしいなってお互いが話し合ってるんだけども言葉に出して(草とかヤギとか言わない。おいしいとしか言わない)言わないからヤギはオオカミを恐れていないという。どんどん巻が進むと明るいところで会っちゃったりするんですよね」


≪2巻目のキャッチフレーズがあって”友達だけどごちそうで仲良しだけどおいしそう”っていう苦しむ。葛藤する≫


「ロミオとジュリエットじゃないけど(笑)。それで心を許してヤギがお昼寝なんかをするとオオカミがガブッと行こうとするんだけどもいやいや友達だからやめとこうと。この辺を子供たちはすごく読み込んでいて食べちゃえばいいのになんて言ってる子はいなくて。子供たちが感想とかこの後自分だったらこういう風にするとかを送ってくれたりして。実に子供たちがよく読んでるなってびっくりしますね。」


≪普通感想文が来るんですけどもこの本は続きを書いてくるんです≫


「感想文よりも自分たちが続きが書けるというのが面白いのかもしれませんねえ。学校なんかでもずいぶん読んで聞かせているところもあるそうですけども」


≪小学4年生の国語の教科書に乗って1年から6年まで全校生徒が読んで続きを書いてからその後で作者の書いた続きを読んでみようという授業がありまして。全国から続きがきてそれが結構面白くて≫



「いい状況ですね。でもこれは単純な話でもあるからですよね」


≪うん。それを聞いてから僕は続きを書いたら楽かなと思うぐらい(黒柳笑)≫
※全国から”あらしのよるに”の続編を読んだ子供たちが自分たちで続きを書いてきむらさんの元に送る


黒柳「その中で1巻目が終った時にきむらさんの所に送られてきたのを読んでもらっていいですか」
※子供たちが考えて書いた(作った)絵本の続きをきむらさんが読む


きむら≪”そしてヤギとオオカミは小屋の前であいました。ヤギは恐くて恐くてでもあの人との約束を守るためにと。ところがいきなりオオカミが襲い掛かってきました。「け・け・結婚してくれ」とオオカミは言いました。「はい」といってしまいました。そしてヤギはオオカミに連れられバクバク谷に住むことになりました。ヤギは100匹もの子供を生むことになりました。半分はヤギで半分はオオカミです。ここにいるとオオカミに食べられてしまうので別のところに住むことにしました。そしてヤギとオオカミは末永く暮らすことになりました”と≫


「食べられちゃうから別々に住むと」


≪ええ他にもいろいろなものがあって雨が降ってたんで止んでから行こうと思ったんですねヤギは。で遅れていったらオオカミだと気付いたんですね。でもオオカミは病気になってて(さらにオオカミは)目も見えなくなってた。オオカミだから帰ろうと思ったんだけどずっと待っててくれたオオカミをほっておけなくて目も見えないんで一生だまして暮らしましたとか。≫


「すごいですね」


≪それは小学校2年生ので。≫


「とにかくみんなこの友情を成立させようとしてるんですものね。別れちゃえばいいっていうのはなかったですものね。今の子供たちって優しさがないとかいうんだけども大丈夫だなって思うところが随分ありましたね」


≪名古屋の大学の先生が小学生から社会人までの500人に絵本を読ませて続きを書かせてそのデーターを取って論文を書いている人がいたんですね。結末が年齢が上がっていくに連れて悲劇が多くなっていくそうです≫


「世の中がわかると段々悲劇が多くなってくる」


≪いろんなものが出てきて面白い本だなと≫


「お書きになってる本人が面白いとおっしゃってるんで。絵本作家でもあるんですが玉美の卒業?」


≪はい。≫


「子供のための造形教室とかもやってらしていつか大人も子供も読めるものを書きたいと思ってたそうなんでこれは8歳から80歳まで読んでるっていうデータが出てるそうなんですけども。これのヒントは小さいお嬢さんがまだ赤ちゃんだった時に?女性誌をみて」


≪それは前の本のときですね。それは”赤ちゃんの遊び絵本”というのがありましてそれは良く売れて大ベストセラーになったんですけども。僕は本というのは文字を読むもんだと思っていて赤ちゃん向けの本というのはどういうものかなあと思ってたんですけども(きむらさんの)子供が生まれてみたらちゃんと子供も本を読む≫


「どんな風に読んでたんですか?」


≪読み聞かせをしてあげたら好きな本も好きなページもあって≫


「食べ物の写真があったらそれを食べる真似なんかをしてるんですって?」


≪食べる真似したり。ふと見ると座り込んで婦人雑誌を読んでるんですね赤ちゃんが。そこに載ってる赤ちゃんの顔写真を見てただけなんですけどもすごいなって平面をちゃんと理解するんだなと≫


黒柳「なるほどね平面を理解するっていうのは人間の持っている素晴らしさかもしれませんねえ。さっきの”あらしのよるに”に戻りますけども考えてみたら(ヤギやオオカミは)男とか女とかなくてヤギのしゃべり方が女ぽかったりするんだけども別に男とか女とかは書いてなくて」


きむら≪じつは意図的にそうしているんです。ある読み聞かせの人たちのグループがあって集まってその話になったらヤギを男と思っている人と女と思っている人が半分ぐらいいました。≫


「私は男っぽく読んだんですけども名前はメイっていうんですからどっちとも取れるんだと思うんですけども」


≪本当はヤギは男なんです。もちろん大人の人が読めば恋愛とも取れるように書いてるんですけども男女にするとただの男女の話で終ってしまうんですね。男女にしない方が先ほどの宮本亜門さんの文章にあったとおりお互いの国の違いであったり階級の違いであったりいろんな風にも取れると思ったんでむしろそういう風にはしなかったんですね。≫


「私も男と思って男同士というか人間同士の友情がいいなって思ってね合言葉っていうのが私結構好きなんですけども。民族同士の争いはここのところアフガニスタンをはじめいろんなところであるのでみなさんおわかりだと思うんですけどもそういうことから考えればみんなが合言葉を作って一人一人が友情を持てばねえ」


≪姿とか形とかいろんな余計なものを取り去れば友達になれるかもしれないというところから始まってるんですけどもねえ≫


黒柳「高校生の時に同人誌を作ってらして」


きむら≪最近見てずっと忘れてたんですけども蜘蛛と蝿の話を書いてたんですね。蜘蛛が巣にかかった蝿を食べようとした時にたまたま蝿と話をしちゃってだんだん食べれなくなってという話が高校のときの同人誌にあったんですね。もしかしたら僕がやりたかったことがこの本を書くまでにはいろいろな仕事をしてきたんですけどもやっとそこに辿り着いたのかなって≫


「いつか大人も子供も読めるものが書きたいと思ってらしたものがこの”あらしのよる”」


≪そうですね。やっと到達して入り口にきたかなって≫


「白百合女子大の文学部の児童文化学課というのがあっていまでもそこで教えてらっしゃる?」


≪そうですね≫


「先生もしてらっしゃる。どうしましょうねこれ6巻で終っちゃたんですけど」


≪ええ、オオカミは永遠のテーマなんでオオカミの話は書き続けていきたいと思ってます≫


「オオカミの話は。みなさんありがとうございました」