コラム  国道な日々

 


Date: 2006年12月20日
Title: 平成の大合併と新しい地名



少し前の話で恐縮だけど、沖縄に行ったとき、国道の案内標識に「うるま市」という見慣れない地名を目にした。

「うるま市...どこだろう?」

と考えたけど、わからない。あたりまえである。最初から知らないのだから。
じつは、2005年4月1日に、それまでの石川市、具志川市、与那城(よなしろ)町、勝連(かつれん)町の4市町が合併して、うるま市となったのである。私は地図を見るのが趣味という変わった人間なのだが、うかつにも知らなかった。この1〜2年の市町村の合併ブームはまさに爆発的であり、とてもではないが、全部は覚えきれない。
平成の大合併には、いくつかのパターンがあるようだ。
 

<寄らば大樹の陰型>

都市名 合併した市町村
浜松市 浜松市、天竜市、浜北市、春野町、龍山村、
佐久間町、 水窪町、舞阪町、雄踏町、
細江町、引佐町、三ケ日町
静岡市 静岡市、清水市、蒲原町、由比町


<旧地名型>

都市名 合併した市町村
安曇野市 明科町、豊科町、穂高町、三郷村、堀金村
津軽市 木造町、森田村、柏村、稲垣村、車力村
霧島市 溝辺町、横川町、牧園町、霧島町、隼人町、
福山町
天草市 本渡市、牛深市、有明町、御所浦町、
倉岳町、栖本町、新和町、五和町、天草町、
河浦町


 
<ばくぜん型>

都市名 合併した市町村
西東京市 田無市、保谷市
北名古屋市 師勝町、西春町が合併
愛西市  佐屋町、立田村、八開村、佐織町
東広島市 西条町、八本松町、志和町、高屋町、
黒瀬町、福富町、豊栄町、河内町、
安芸津町


 
<なりあがり型>

都市名 合併した市町村
さいたま市 浦和市、大宮市、与野市、岩槻市
四国中央市 川之江市、伊予三島市、宇摩郡土居町、新宮村


 
<どこだかわかんねーよ型>

都市名 合併した市町村
中央市 豊富村、玉穂町、田富町
さくら市 喜連川町、氏家町
みどり市 笠懸町、大間々町、東村
うるま市 石川市、具志川市、与那城町、勝連町


 
<やけくそ型>

都市名 合併した市町村
南アルプス市 八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町
伊豆の国市 伊豆長岡町、韮山町、大仁町

 
 
市町村が合併するのは、地方交付税交付金や各種補助金といった地方自治体への歳出の削減を目的としている。つまり、地方行政のリストラを推進しているわけであり、それはそれで結構なことである。1999年に3232あった市町村の数は、2005年4月には1820にまで減少したという。けれども、私たち中高年にとっては、今日も日本中で、どこだかわかんない地名が増えているのである。
いくつかの町が合併するのは結構なことだけど、地名まで完全に変えてしまう必要ってあるのだろうか。地名は生きた歴史である。合併により漠然とした地名、わけのわからない地名が次々と生まれるのは、私には郷土史の自殺のように思えてならないのである。

私は思うのだけど、合併により無理に新しい名前をつけなくても、「○○地区合同庁舎」と、市役所の名前だけ変えれば、それですんだ話だったのではないだろうか。普通に生きている人々にとっては、それでもまったく不自由はなかったと思うのである。

今後、道州制が導入されるのであろうが、そうなると、単純に「東北州」だと芸がないとかいって、「みちのく州」だとかいった名前をつけることが流行るのだろうか。そうなると、また、なんだかなあ、と思ってしまうことが多くなりそうである。


      本文は、Blog「国道な日々」に掲載していた記事を、多少加筆したうえで再掲したものです。

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