| 左顧右眄 曹植 |
| 季重足下前日常調に因りて密座を為すを得たりと雖も 讌飲日を弥ると雖も 其の別遠く会稀なるに於は 猶其の労積を尽くさざるがごときなり 若し夫れ觴酌波を前に陵ぎ 簫笳(しょうか)音を後に発し足下其の体の鷹揚し 鳳観虎視するや謂えらく 蕭曹も儔するに足らず 衛霍もr(ひと)しくするに足らざるなりと 左顧右眄するや謂えらく人無きが若しと 豈君子の壮士に非ずや |
| 季重殿と先日席を供にすることが出来ましたものの その席でゆっくり酒を酌み交わすことが出来ましたものの ふだんは遠く離れた地にいて滅多にお会いすることができませんので その積もる思いを言い尽くせないような気がします あなたが並々と注がれた注がれた酒を飲みほし 音楽の奏でられる中で悠然とした態度で 鳳凰のような虎のような眼差しで辺りを見回した姿は 蕭何・曹参も敵わず 衛青・霍去病も肩を並べることはできないでしょう その時の左顧右眄するありさまは傍らに人が無いようでした あれこそ壮士ある君子の姿なのでしょう |
| 季重とは呉質の字。 曹丕の腹心。 どこでこの二人が出会ったのかは不明。 曹丕の時代になると呉質は倣岸になったようですから、後継者問題に決着がついた後なんでしょうか? 曹真を笑いのネタにしたそうですから、ある意味恐ろしい男かも(^^ゞ 曹操の出兵の際に、呉質は曹丕に無言で涙を流して見送るよう進言。 対して曹植は自信のある歌を持って、あらん限りの言葉を費やし見送ったそうです。 この二人を見比べて曹操は曹丕の方に心が傾いたといわれています。 言葉より涙が雄弁と言うのは女性だけの技(?)ではないようです(笑) 右顧左眄・・・いつから意味が変わったのでしょう? ここでの左顧右眄は気概溢れる姿なのに。 今では周りを伺う様子という意味になってしまっています。 「顧」は「振り返る」、「尋ねる」、「かえって、反対に」等、他多数意味があります。 「眄」は「流し目」、「かえりみる」、「睨む」と言う意味があります。 前に戻ります((HOME)) |