Y
& T
(USA)
デビューは76年。当初はYESTERDAY & TODAYという情けないフォークバンドみたいなバンド名でした。何ら突き抜けたところのないアメリカンハードロックを2作続けた後、81年Y&Tとして再度デビュー、81年“EARTHSHAKER”でアメリカンヘヴィ・メタルの居城を完成させます。83年作品“MEANSTREAK”では力強さだけではなくアメリカン様式美スタイルを完成。ヨーロッパ産に牛耳られたメタル業界をワールドワイドな舞台にした功労者でもありました。
80年代中盤以降のお気楽アメリカンロック路線には真っ直ぐメタル君たちは怒っちゃったみたいですが、例えばナイト・レンジャーの素晴らしさがわかる人ならしっかり聴き込める曲スタイルだと思います。例えばヨーロッパのバンドによるお国柄そのまま路線はメタルファンにも自然にフィットしますが、アメリカという国のお国柄路線ではやはり湿っぽさのない明るさをして自然に、とはいかないようです。91年のライブアルバムを最後に活動を停止しましたが、95年再編。97年の再編2作目“ENDANGERED SPECIES”、そして同時期リリースされたリーダー、デイヴ・メニケッティー(DAVE MENIKETTI)のソロ作品はバンド全盛期、波涛のようなメロディーの洪水を思わせる大傑作でした。
http://www.meniketti.com/
(デイヴ・メニケッティのサイト)
DISCOGRAPHY
EARTHSHAKER (1981)
1.Hungry
for Rock
2.Dirty Girl
3.Shake It Loose
4.Squeeze
5.Resque Me
6.Youg and Tough
7.Hurricane
8.Let Me Go
9.Knock You Out
10.I Believe in You
g,vo:DAVID
MENIKETTI g:JOEY ALVES
bs,vo:PHIL KENNEMORE ds:LEONARD HAZE
produced by ROBERT SHULMAN
& DAVID SIEFF
ヨーロッパに比べ出遅れていたヘヴィ・メタルというジャンルが、アメリカでもしっかり根付いていくことを予感させた傑作です。70年代に2枚ほどアルバムを出してるんですが、完全に装いも新たにアメリカンロックシーンに殴り込みをかけた、まさにアースシェイキングなサウンドです。初の80年代アメリカン・メジャーメタル作品という印象があるんですが、間違ってはおらんでしょう。
覇気というものがオリジナルヘヴィ・メタルの重さやウネリすらキックアウトしている感じで、実際ステレオのBASSを触っても全然音が変化しないような音質です。そもそも重さがないのはメタルにあらず、なんですが、イギリスの普通のメタルバンドよりは100倍ヘヴィ・メタリックなインパクトがありました。単純にこの激しさこそヘヴィ・メタルの新解釈と言っていいかも知れません。あっぱれアメリカ人!です。
内世界にこもったりアートに没頭したり、そんな消極的なカラーはまるでないアスレチックな雰囲気は正しくアメリカンロックの普遍的魅力を伝えていると思います。この荒さ(粗さじゃない)がおもいっきり魅力的です。
初心者おすすめ度 : ★★★★★ マニアック度 : ★★★☆
どこで買える? : 大型店 専門店
注目曲!
1.Hungry for Rock 2.Dirty Girl 3.Shake It Loose
4.Squeeze 5.Resque Me 6.Youg and Tough
7.Hurricane 8.Let Me Go 9.Knock You Out
10.I Believe in You
全曲!!
BLACK TIGER (1982)
1.From
the Moon
2.Open Fire
3.Don't Wanna Lose Ya
4.Hell or High Water
5.Forever
6.Black Tiger
7.Barroom Boogie
8.My Way or the Highway
9.Winds of Change
g,vo:DAVE
MENIKETTI g:JOEY ALVES
bs:PHIL KENNEMORE ds:LEONARD HAZE
produced by MAX NORMAN
前作も強力に個性的でしたが、続く作品は同じく個性的であっても前作とは趣きを変え、そのまま一般ヒットチャートに登場してもおかしくないメジャーサウンドに変身、以降ずっと続くオリジナリティーはこの作品からはじまります。
プレリュードといった感じのオープニングから泣き泣きです。スコーピオンズに続く、おもいっきり日本人好みの演歌サウンドじゃないでしょうか。
同時期だったでしょうか、いっときハヤったジャパメタ、こういう音を作れる奴がいなかったのが痛かったですよね。外人に日本人好みの音を独占されてどないすんねんと当時は思いました。
オープニングナンバーできたきたー!と誰もがワクワクするこの作品、前作と違い、捨て曲の多さが当時叩かれましたが、そこを補って余りあるのが名曲中の名曲“Forever”でしょう。硬派に美しいY&Tサウンドの完成です。こんな、何から何まで完璧な曲あるでしょうか。初めて聴く人は涙するだろうなあ。
次作“MEANSTREAK”はこの曲クラスの名曲が目白押しというモンスターアルバムです。
初心者おすすめ度 : ★★★★☆ マニアック度 : ★★★
どこで買える? : 大型店?? 専門店??
注目曲!
2.Open Fire 3.Don't Wanna Lose Ya 5.Forever
MEANSTREAK (1983)
1.Meanstreak
2.Straight Thru the Heart
3.Lonely Side of Town
4.Midnight in Tokyo
5.Breaking Away
6.Hang 'Em High
7.Take You to the Limit
8.Sentimental Fool
9.Down and Dirty
vo,g:DAVE
MENIKETTI g:JOEY ALVES
bs:PHILLIP KENNEMORE ds:LEONARD HAZE
produced by CHRIS TSANGARIDES
イギリスの代表がジューダス・プリーストなら、アメリカ代表はY&Tだと言えそうなくらい、そこまでY&Tは大きくなりました。この作品がなければこのバンドのステイタスはない、そんな代表作だと思います。名作“EARTHSHAKER”よりももっと多くの場所に飛び火した作品です。
重厚なキーボードサウンドなどどこにも見当たらず、アコースティックサウンドもまるでなし。それでいてこの叙情性と絵画美、これぞアメリカン様式美です。エレクトリックでこのスタイルを完成させたデイヴ・メニケッティの力量は奇蹟的なものがありました。一世一代の名演です。
どのジャンルのフタを開けても中には平均的にうじゃうじゃバンドが詰まっていたという80年代メタルシーンにおいて、追随するバンドがほとんどいなかったのが不思議といえば不思議。それはこのバンドの天才ぶりを証明したに他ならないのですが、それだけではないと思います。
以降一般ロックチャートにおいてはこれといったヒット曲もないのに次々メジャーから作品を出していきました。世界中のメタルファンが支えたからこそだと思います。
そうです、世界中のメタルファンが一丸となって応援した、そういうバンドがいたのが80年代でした。
初心者おすすめ度 : ★★★★★ マニアック度 : ★★★☆
どこで買える? : 大型店?? 専門店??
注目曲!
1.Meanstreak 2.Straight Thru the Heart 3.Lonely Side of Town
4.Midnight in Tokyo 6.Hang 'Em High 7.Take You to the Limit
IN ROCK WE TRUST (1984)
1.Rock
& Roll's Gonna Save the World
2.Life, Life, Life
3.Masters and Slaves
4.I'll Keep on Believin' (Do You Know)
5.Break Out
Tonight!
6.Lipstick and Leather
7.Don't Stop Runnin'
8.(Your Love Is) Driving Me Crazy
9.She's a Liar
10.This Time
vo,g:DDAVE
MENIKETTI g:JOEY ALVES
bs:PHILLIP KENNEMORE ds:LEONARD HAZE
produced by TOM ALLOM
“Rock'n'Roll's Gonna Save the World”、オープニングは胸のすくようなロック賛歌です!
鋼鉄号泣作品“MEANSTREAK”の次はナショナル・ハードロックへの邁進(まいしん)となりました。この作品にはじまった陽性アメリカンハードロック時代のこの人たちを良く言わない人たちもいまだにいますが、“EARTHSHAKER”および“MEANSTREAK”路線がヘヴィ・メタルの理想形だとしても、「ロックを信じる」と咆哮したこの傑作を卑しめる理由にはなりはしません。
号泣する泣き泣きサウンドが男気の産物なら、勇者のように気後れなく叫ぶこの姿もまた男気。大人の方々には少々気恥ずかしいこの気合いですが、これぞアメリカンロック。ガキだとかアダルトとか、関係ありません。この大きな大きなサウンドでなおヘヴィ・メタルを名乗ってくれるのですから、応援しねえやつは人間じゃねえ!と思いました。アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための...みたいなロックです。
初心者おすすめ度 : ★★★★★ マニアック度 : ★★
どこで買える? : 大型店?? 専門店??
注目曲!
1.Rock & Roll's Gonna Save the World 3.Masters and Slaves
4.I'll Keep on Believin' (Do You Know) 5.Break Out Tonight ! 6.Lipstick and Leather
7.Don't Stop Runnin' 9.She's a Liar 10.This Time
DOWN FOR THE COUNT (1985)
1.In
the Name of Rock
2.All American Boy
3.Anytime at All
4.Anything for Money
5.Face Like an Angel
6.Summertime Girls
7.Looks Like Trouble
8.Your Mama Don't Dance
9.Don't Tell Me What to Wear
10.Hands of Time
vo,g:DAVE
MENIKETTI g:JOEY ALVES
bs:PHILIP KENNEMORE ds:LEONARD HAZE
produced by KEVIN BEAMISH
80年代中盤から後半、後期Y&Tの路線は明らかに失敗だった...とか最近立ち読みした音楽雑誌で誰かが言ってましたが、バカの言うことは信用しないように。
80年代幕開けに出た“EARTHSHAKER”の音の出で立ちはアメリカ版ジューダス・プリースト級でしたし、“Midnight in Tokyo”の号泣哀愁路線もそれはもう素晴らしいものがあったと思いますが、結局何をしてもハマってしまう天才バンドだった、とぼくは思ってます。
アメリカンロックを朗々と歌い上げるこの声そのものが、晴れた大通りをTシャツで闊歩する空気を運んでくれます。ナイト・レンジャーが兄弟であるかのような雰囲気です。別にぼく、アメリカに憧れてはおりませんが、でもそういう空気を感じました。こういう正直な絵を嫌う人間にはなりたくないなあ。
“Summertime Girls”は駄曲でしたが(ごめんなさい)同カラー、“All American Boy”は「よし!」と叫びたくなるいい曲です。バカポップスとちゃんと区別しなさい。ギターメロディーは活きまくってるし、声は昔から誰が聞いてもアメリカン人丸出しの声ですし、ヘヴィ・メタルファンの耳を賢くしてくれるようなリラックス路線の名曲と思いましたけどね。
ただ、オープニングから陽気丸出しってわけじゃなく、“In the Name of Rock”は前作オープニング同様アリーナでこそ映える80年代ハードロック威風堂々の名演です。ラストのお約束のバラード“Hands of Time”もこれ以上何を望む?という名曲ですし、今となっては評論家がツバとばして推薦しまくる激烈音作品“EARTHSHAKER”や“MEANSTREAK”より、USAメタルファンにはこの作品で心をこめて歌われたアメリカ愛国路線を再評価してほしい気もします。
初心者おすすめ度 : ★★★★★ マニアック度 : ★★
どこで買える? : 大型店?? 専門店??
注目曲!
1.In the Name of Rock 2.All American Boy 3.Anytime at All
4.Anything for Money 8.Your Mama Don't Dance (LOGGINS' & MESSINA cover)
9.Don't Tell Me What to Wear 10.Hands of Time
CONTAGIOUS (1987)
1.Contagious
2.Boy's Night Out
3.Temptation
4.the Kid Goes Crazy
5.Fight for Your Life
6.Armed and Dangerous
7.Rhythm or Not
8.Bodily Harm
9.Eyes of a Stranger
10.I'll Cry for You
g,vo:DAVE
MENIKETTI g:JOEY ALVES
bs:PHILIP KENNEMORE ds:JIMMY DE GRASSO
produced by KEVIN BEAMISH
連作中確かに浮いている、えらくまた地味な作品です。前作、前々作のポップな陽気はどこへやら、あるいはもっと前のド激しさもどこへやら、精神年齢が10くらい上がって大人専用のハードロックになっております。
ただ覇気がないとみるのは早計で、ヘヴィ・メタル一般カラーと大きく離れたこの色こそデイブ・メニケッティのバンド私物化第1弾作品である...と、98年のソロアルバムを聴いた後なんかでは特にそう思ってしまうのです。あのソロ作品同様この作品にもスタンダードのカバーを何曲か入れておけば説得力もグンと違ったのになあ。
メタルファンは全然昇天しない雰囲気ですが(ただ単にメタリックじゃないから)、リスナーにあてた啓蒙心なしに、バンドがバンド自身でいちばんやりたい音楽へと向かう途中のスタイルと解釈するなら、そう思った瞬間に各曲の輝きがギラッと増したような気がします。“Armed and Dangerous”なんかはまさしくそれ路線流の名演だと思います。
初心者おすすめ度 : ★★★☆ マニアック度 : ★★★
どこで買える? : 専門店
注目曲!
1.Contagious 3.Temptation 6.Armed and Dangerous