ベニヒカゲ Erebia niphonica 

 県の条例で天然記念物に指定されている高
山蝶の一種です。浅間山系をはじめとして標高
2,000m程度の高地に分布し、軽井沢でも見ら
れるのですが、浅間山は火口から2km(火山
活動の状況次第では4km)以内は立入禁止に
なっていて、個人的趣味で確認に行くことはで
きません。毎年その看板の前まで行っては、
 「1匹こぼれて来ないかなぁ…。」
 などと何度もムダ足を繰り返すばかり。
 事態に変化があったのは2004(平成16)年。
町の歴史民俗資料館からお声を掛けて頂き、
この年の企画展として蝶の写真展を開催する
ことになったのです。当初ベニヒカゲは町外で
先行撮影した写真しかなく、町内産を展示する
との理由で立ち入り。私が足止めを食らってい
た場所から、更に1時間弱登りました。1匹、ま
た1匹とベニヒカゲが増えて行くのです。生息
域での個体数は多く、充分撮影することがで
きました。標高は約1,700〜1,900m。町外で先
行撮影した場所は、車で乗り付けられる高原
で、何の労もなく撮れたのですが…。
 後年、高山蝶パトロールや自然保護レンジ
ャーとして活動させて頂くようにもなりました。
 小学生の頃、昆虫クラブに入部した最初の
年は、まだ県内の高山蝶が天然記念物に指
定される前で、部員の一人が採集してきたベ
ニヒカゲを、数匹もらって標本にしたこともあり
ましたが、今では1匹も残っていません。
 ♀の裏面は2系統あり、出現率はほぼ半々。

前種へ
目次へ
次種へ

2匹とも♀。左は白色型、右は
黄色型。一般に白色型の方が
帯は細く、半分ほどで途切れ
る個体が多い。黄色型では肛
角まで太く届く。8月30日 町内

♂ 表         8月16日 町内

♀ 裏 黄色型。オレンジま
たは黄みどり色の帯状紋を
太く現す。  8月18日 町内

♀ 表              8月18日 町内 

交尾中のカップルに更なる♂
が接近。求愛?8月24日 町内

♀は白斑
点が明瞭。

後翅の帯
も明瞭。

 データ

・分  類:タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科
・初見日:8月2日〜(2006年記録)
・終見日:〜9月17日(2008年記録)
・化  性:年1化
・食  草:カヤツリグサ科タニスゲ、ヤワラスゲなど、
      イネ科イワノガリヤス

・開  長:■■□□□□□□□□
・越冬態:幼虫
・難易度:★★★★★★★★★☆
・R D B:環境省/準絶滅危惧
      長野県/留意種
・備  考:長野県天然記念物
 

一般に♂は後翅
の燈色紋が弱く、
時に消失する。