チャバネセセリ Pelopidas mathias oberthueri 

 本種を初めて確認したのはある年の10月下
旬、すでにほとんどの蝶が姿を消し、
 「充実した季節がまた一つ過ぎて行くなぁ。」
 などと感慨に浸っていた時でした。見慣れた
セセリチョウの一種が道端に飛来。
 「今時見られるのはイチモンジセセリだろ。」
 「…せいぜいオオチャバネセセリかな?」
 油断してすぐには撮影態勢をとらず、何気
なく眺めて見ると、後翅裏面に小さな銀白色
の紋が、翅形と平行に並んでいるではありま
せんか。
 「チャバネセセリだっ!」
 あわててカメラを構え、数cmまで近付いて
ピントを合わせ、ここぞとばかりにシャッター
を押すのですが、うかつにも電源を入れ忘れ
てあり、作動しません。
 「しまったぁ!」
 急いでロックを解除した時には飛び去られ
てしまい、さすがの私も取り乱し、愛用のカメ
ラを地面に叩きつけようと思ったほどです。
 「今度この蝶と会えるのはいつなんだ?」
 内心イラ立っていると、翌年の夏には撮影
できてしまい、その後も気を抜かずに探し続
ければ、案外いることに気付くのでした。
 見慣れると飛翔速度がダントツに速いこと
でも違いがわかります。一たび飛んでしまっ
たものは瞬く間に見失ってしまいます。撮影
が進むと、新たな問題にも気付きます。♂に
ある性標や、後翅表面に紋がないことなど、
特徴的な部分が日の当たり方や、翅の開き
方によって見え難くなってしまうのです。

♂ 裏          10月19日 町内   

♀ 表             9月9日 町内

交尾 右が♂。           9月17日 町内

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翅形と平行に極小の斑点が並ぶ。

性標(前翅中央の白い斜線)は極細。

後翅には何の紋もない。

♀は♂より
紋が発達。

 データ

・分  類:セセリチョウ科セセリチョウ亜科
・初見日:7月17日〜(2008年記録)
・終見日:〜11月3日(2007年記録)
・化  性:年2〜3化
・開  長:■□□□□□□□□□
 

・食  草:イネ科イネ、ススキ、チガヤなど、
      カヤツリグサ科
・越冬態:幼虫(町内では寒さのため難しい)
・難易度:★★★★★★★★☆☆
♂ 表           10月30日 町内
♀ 裏              7月17日 町内