エゾミドリシジミ Favonius jezoensis 

 それは何とも不思議な出来事で、撮影派に
転向してからでも25年目となる夏。決定打に
恵まれず、つかみ所のなかった本種が、その
日に限って複数個体の雌雄で表裏とも難なく
撮れてしまったのでした。まさに一日天下!
 吸水のため午前中に弱々しく地表へ降りた
際、運良く行き会えたら幸い。漠然とした心構
えで向かった林道でのこと。チラチラと低位置
に舞う各種ゼフィルス。午前9時過ぎ、それは
よく見る光景でしたが、相当数の本種が混飛
していたのです。毎年観察している場所なの
に、この高密度は初めて。新鮮な♂の開翅
を楽々接写。悲願叶って散策を続けると、♀
さえ地表近くに多数現れ、これも新鮮な翅表
をマクロで。時間帯を問わず午後まで続きま
した。その日は近縁のゼフも皆同様に…。
 初夏の頃、本格的な季節の訪れにわくわく
するものですが、盛夏を過ぎ、思いがけない
場所で種名の判定さえ難しくなったボロボロ
の♀を見ると、急に淋しい気持ちになります。
毎年繰り返される季節ごとの出会いと別れ。
夏はいつもフッ…と消えてしまいます。また
来年見られるであろう、新たな命に期待して。

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尾状突起が短い。

燈色斑に黒いV字型の切れ込みが
入るが、下部はつながり分離しない。

後翅のヘリは太く、ほぼ一定の幅。
(翅形と平行し、あまり角張らない。)

♂ 表 正対すると青く光る!立体感のある
光沢。発色に深みや奥行きがある。近似種
ではフラットな反射に…。   7月18日 町内

 データ

・分  類:シジミチョウ科ミドリシジミ亜科
・初見日:7月4日〜(2001年記録)
・終見日:〜9月29日(2014年記録)
・化  性:年1化

・開  長:■■□□□□□□□□
・食  草:ブナ科コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギなど
・越冬態:卵
・難易度:★★★★★★★★★☆
 

♂ 背後からは地味!7月18日町内

♀ 表 O型ばかり。     7月18日 町内

白帯は太い。
♂ 裏はグレー系。7月11日 町内
♀ 裏          7月19日 町内   
亜外縁の白斑列
は1つ1つがコの
字型になる。