軽井沢の風景を美しく艶やかに彩り、優雅
に舞い踊る姿には、愛好家ならずとも熱い視
線を注いでしまうことでしょう。しかしどこか不
遇な印象を受けてしまうのは、常に類似種と
比較され、一歩およばず、日本で最も美しい
と称されるのは、近似のミヤマカラスアゲハ
であるという、暗黙の了解がすでに定着して
しまっているからでしょうか。確かに♂の翅
表には青味の強い金属光沢があり、♀もま
た緑色がかった美しい光を放つ、鮮やかな
翅を持っています。しかし、ミヤマカラスアゲ
ハの方が一層明るく見え、人目を引くことに
加え、個体数も圧倒的に多いため、見劣りし
てしまうことは否めません。
春型ではシバザクラやレンゲツツジ、夏型
では各種のユリやアザミ等、花に寄ってくる
場合が多く、花粉まみれになったものもよく
見ます。彼らが植物の受粉に役立っている
ことは、まぎれもない事実でしょう。
また、川岸などの水気を含んだ砂地にも
飛来して、ミヤマカラスアゲハらと並んで吸
水する姿も、時折撮影されるシーンです。
とかく華やかな夏に彩りを添えるイメージ
のアゲハチョウ科ですが、実際には9月中
旬、時には下旬まで撮影は可能です。8月
に空振りしても、9月を甘く見ない限り、シャ
ッターチャンスは訪れます。
春型 (右はミヤマカラスアゲハ。V字状
の帯がミヤマ…の特徴。)6月10日町内

夏型♂ 裏 (右はミヤマカラスアゲハ。)8月25日町内
データ
・分 類:アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科
・初見日:春型5月22日〜(2003年記録)
夏型7月3日〜(2006年記録)
・終見日:〜春型6月28日(2006年記録)
〜夏型9月14日(2011年記録)
・化 性:年2〜3化
夏型 ♀ 表 9月12日 町内
外縁には燈色斑。
前翅の白帯は太く、
境い目も明瞭。
性標(毛の束)。
白帯は細く、
ぼんやり。


