カラスシジミ Fixsenia wーalbum fentoni 

 蝶の写真を撮っていると、「運良く…」とか、
「タイミング良く…」と言った表現をすることが
あります。私はこれらを同義語として使ってい
ました。カラスシジミの場合も、あまり個体数
は多くなく、確実な生息箇所もわからず、現
存する標本は少ないし、写真も数点しかあり
ませんでした。つまり運まかせなのです。
 しかし最近になって「運」と「タイミング」は別
モノと意識するようになってきました。長いこと
「運」だけが頼りだったカラスシジミにも、発生
のピークがあり、多産するエリアがあることを
知ったからです。積み重ねられたデータによ
り、場所と「タイミング」をピタッと合わせれば、
「運」ではなく撮影できるのです。
 それまでを振り返ると常にカメラを右手に持
ち、いつでも構えられるようにしていました。
こんな失敗をしたからです。カラスシジミが目
の前の木ノ葉に静止したので、すぐ撮影体勢
をとったのですが、その時はカメラを首から下
げていて、ストラップを頭から外す動作で刺激
を与えてしまい、一瞬早くカラスシジミが飛び
去り、写真は撮れずに終わったのです。以来
カメラは私の腕の一部となり、グリップのゴム
は何回直しても変形し、撮影にかける益々の
意気込みを、物語るようになっていたのです。
 ある日、絶好のシャッターチャンスが訪れ、
 「こいつは撮れる!」
 と構えていたら、メスアカミドリシジミの♂が
割り込み、卍巴え飛翔を始めてしまいました。
 「何で邪魔するんだ!」
 と思いましたが、蝶が相手では文句も言え
ません。そんな記憶も遠くなりました。

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参考写真 ミヤマカラスシジミ   8月4日 町内   

 データ

・分  類:シジミチョウ科ミドリシジミ亜科
・初見日:7月4日〜(2003年記録)
・終見日:〜8月15日(2005年記録)
・化  性:年1化

・開  長:■■□□□□□□□□
・食  草:ニレ科ハルニレ、コブニレ
・越冬態:卵
・難易度:★★★★★★★★☆☆
  

白帯は細く、点線になる。

後翅亜外縁には
黒斑点が並ぶ。

♂ 裏      7月26日 町内

性標。前翅上湾部
の中央にダ円形の
コブ。(次種同様。)

白帯は太く、実線になる。

後翅亜外縁の紋は∩字型で連続する。
♀ 裏                   7月31日 町内