前種アゲハの項でも触れましたが、こちら
は個体数が多く、町内で見られる両種のうち、
9割以上はキアゲハだと思って間違いないで
しょう。蝶を撮り始めて20年、毎年連続して撮
影しているのは唯一キアゲハだけです。もっ
ともその年によって、意図的に撮影対象から
外している種もありますが、尾状突起を持つ
他のアゲハ類同様、大きく美しいその翅は、
何度見てもカメラを向けたくなるものです。
蝶を撮る時は可能な限り、翅の両面をおさ
えようと心掛けているのですが、本種はなか
なか翅を閉じて静止することがありません。
しかし湿地で吸水している時など、稀に翅を
立てて止まっていることもあり、採集して標本
を作っていた頃よりも、観察力は身に付いた
と思っています。
ある日、夏型を見つけました。遠目に見て
もキアゲハだと言うことはわかったのですが、
模様の位置関係が違って見えます。近寄る
と2匹いるのに気付き、交尾中だとわかるや
急いでカメラを構えました。アゲハ科の交尾
シーンはこの時初めて見たのです。
秋になるとシシウド等に幼虫が見られます。
蛹で冬を越すのですが、中学生の時、室内
に蛹を置いてしまい、12月に羽化させたこと
がありました。ちょっと考えればわかりそうな
ことなのに、成虫は飢えと寒さに耐えられる
わけもなく、ひと思いに殺して標本にするし
かありませんでした。
夏型 ♂ 裏 8月23日 町内 夏型 交尾 上が♀。7月21日 町内
春型 頭部や脚などのディテール。4月14日 町内
データ
・分 類:アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科
・初見日:春型4月5日〜(2002年記録)
夏型6月15日〜(2004年記録)
・終見日:〜春型7月10日(2010年記録)
〜夏型10月18日(2010年記録)
・化 性:年3〜4化




夏型 産卵 セリ科植物に。
8月24日 町内
夏型 吸蜜 2匹とも♂。 7月12日 町内
夏型の♀で
は後翅中室
も黒ずむ。