キタキチョウ Eurema mandarina 

 成虫で冬を越す蝶ですが、越冬前と越冬後
では、極端に個体数が異なります。軽井沢の
冬がとても厳しいからでしょう。稀に越冬中の
姿を見掛けることもありますが、無事に春を
迎えられる個体は少ないようです。
 広く町内各地に分布し、6月にまず夏型が
現れます。交尾や産卵といったシーンも割
りとよく目にします。9月に入ると秋型も飛び
始め、他種では季節型が入れ替ってゆくの
ですが、本種はその後、数を減らしながらも
夏型が見られ、軽井沢でも、11月下旬まで
活動していた例があるほどです。
 一方の秋型も数が多く、アザミなどの花に
群れています。秋型はそのまま越冬するの
ですが、冬を前に交尾していた例もあります。
秋型同士だけでなく、しばしば夏型と秋型と
が交尾することもあります。季節型の違い=
世代の違いとは限らないのでしょう。食草の
メドハギに無数の蛹を見ることもあります。
 ところで、シロチョウ科のモンキチョウ亜科
は静止する時、ピタリと翅を閉じたまま一瞬
たりとも開くことがありません。裏面の撮影
こそ楽勝ですが、表面を撮るには、はばた
いて翅が開いている瞬間を狙うしかないの
です。季節型の説明をするためにどうしても
必要なカットだったので、一瞬の映像を追っ
て、フィルムを何コマ無駄にしたことかわか
りません。動く蝶をカメラで捕えることは、理
屈で考えるより難しいようです。
 (次のページはキチョウの羽化です。)

越冬後の産卵。翌春ま
で生き延びられる秋型
は少数。 5月22日町内

吸水シーン。  9月21日 町内

羽化不全。凍死したのか、体が抜けな
かったのか、半分出た状態で力尽き、
寒風にさらされていた。10月30日 町内   

本種では時々ある異世代間の交尾。
♂が夏型、♀が秋型。9月18日町内

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秋型 表        11月1日 町内

夏型の黒いヘリは第2、
第3室で細くなる。

夏型 表   8月22日 町内

 データ

・分  類:シロチョウ科モンキチョウ亜科
・初見日:越冬後3月9日〜(2008年記録)
      夏型5月20日〜(2013年記録)
      秋型8月23日〜(2017年記録)
・終見日:〜越冬後6月17日(2006年記録)
      〜夏型11月22日(1999年記録)
      〜秋型12月20日(2010年記録)

・化  性:年3〜4化
・開  長:夏型■■■□□□□□□□
      秋型■■■□□□□□□□
・食  草:マメ科メドハギ、マルバハギ、ネムノキなど
・越冬態:成虫(町内では寒さのため難しい)
・難易度:越冬後★★★★★★★★★☆
      新成虫★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
秋型のヘリは
先端に少し。
夏型の交尾 上が♂。
       8月30日 町内