キタテハ Polygonia c−aureum 

 町内にいるタテハ類の中では、最も身近な
存在です。夏と秋の季節型があり、夏型は6
月上旬〜9月下旬まで見られ、秋型は8月中
旬〜初冬まで活動します。その後成虫で越
冬し、3月(時に2月)には再び姿を現します。
 一般に夏型は少なく、見られる範囲も狭い
ため、接写のチャンスは限られます。
 「今年もまたダメだったか…。」
 あきらめそうになったある日、何か色の淡
い蝶が上空から舞い降り、近寄れる場所に
止まったので目を凝らすと、
 「よくぞここに居てくれたもんだ!」
 感謝の気持ちでいっぱいになりながら、よ
うやく夏型を撮影して、大喜びしたことがあり
ました。今となっては懐かしい思い出です。
 翌年には夏型の求愛行動も観察できまし
た。♂は♀の背後に止まり、触角でポンポン
と相手の翅の側面を叩くのです。しかし♀は
翅を閉じたまま動かず、やがて飛び去ってし
まうのでした。
 一方秋型は非常に数が多く、見られるエリ
アも広範囲。盛夏を過ぎ本種の秋型が現れ
ると、早くも蝶シーズンの終わりを感じます。
そんな秋型で、面白い習性が見られます。
アシ(葦)の茎に開けられた小さな穴。そこ
に口を伸ばし秋型が群れることがあります。
メイガ科の幼虫が茎の中にいるのです。ア
シの汁はとても甘い匂いがして、どうやらキ
タテハはこの汁が大好きなようです。
 時に12月下旬、まさかの雪と蝶を組み合
わせたシーンさえ、撮れることがあります。

夏型 ♀ 表     6月24日 町内

秋型 ♂ 表
9月28日 町内

吸水。雪と蝶の共演。12月23日 町内

求愛 上が♀。 8月30日 町内

交尾 左が♀。 3月31日 町内 

秋型 アシの根から吸液。(左が♀、右
が♂。) 求愛ではない。 9月21日 町内

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各翅脈端はとがる。
(夏/秋共通)

青い鱗粉がある。
(夏/秋共通)

 データ

・分  類:タテハチョウ科タテハチョウ亜科
・初見日:越冬後2月14日〜(2006年記録)
      夏型6月9日〜(2004年記録)
      秋型8月15日〜(2006年記録)
・終見日:〜越冬後6月30日(2008年記録)
      〜夏型10月3日(2011年記録)
      〜秋型12月23日(2007年記録)

・化  性:年2化
・開  長:■■■■■□□□□□
・食  草:クワ科カナムグラなど
・越冬態:成虫
・難易度:夏型★★★☆☆☆☆☆☆☆
      秋型★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
夏型は黄色味が強い。
秋型は赤味が強い。