コキマダラセセリ Ochlodes venatus venatus 

 姿形は他のセセリチョウと何ら変わらないの
ですが、♂の地色は明るく鮮やかなオレンジ
色で、近似種とは一線を画した存在感を放ち、
標本にしろ写真にしろ、何らかの方法でその
美しさをとどめたいと、願わずにはいられない
蝶です。比較的大柄で、前種キマダラセセリ
より大きく見え、なぜ種名が「コキマダラ…」
なのか、不思議でなりません。
 子供の頃よく歩き回った野山には普通に見
られ、標本も現在までにいくつか残っているの
ですが、写真を撮り始めてからは10年以上、
一匹も見ることがなく、あちこち探し歩いたもの
でした。ようやく出会えたのは♂の方で、裏面
こそ簡単に撮れたものの、やや肌寒い日だっ
たためか、開翅することがなく、ねばっては逃
げられ、舞い戻った所を構えてはまた飛び立
たれ、別の機会にしようかと、何度もあきらめ
かけては思いとどまり、どうにか撮影したもの
です。
 さぁ次は♀だと意気込めば、またしても撮影
は難攻。とにかく居場所をつきとめようと探し
続けます。前種の項でも書いたあの場所へ、
ムダを承知で足を運べば、何といるではあり
ませんか。ただしボロボロの♂。翌日出直す
と今度はピカピカの♂が。期待を高めて10日
後に訪ねると、ついに♀も撮影できました。
 こうしてあの当時を振り返ると、
 「よくやったなぁ…、よく出来たなぁ…。」
 と、しみじみ自分に酔いしれてしまいます。
ムダ足になるとか、わざわざ面倒くさいとか、
行く前から決め付けていたらアウトです。自
然を相手にすることは、プログラムされたゲ
ームをクリアーすることとは違うのですから。

♂ 裏             7月15日 町内

♂ 表              7月8日 町内

♀ 表              7月26日 町内

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性標は鮮明。

ヘリの色は濃くない。

アカセセリの♀にはない小さな三角点。

♀ 裏             7月3日 町内

角張った紋が
明瞭に現れ、
ほぼ整列して
並ぶ。 

 データ

・分  類:セセリチョウ科セセリチョウ亜科
・初見日:6月16日〜(2004年記録)
・終見日:〜9月1日(2009年記録)
・化  性:年1化

・開  長:■■□□□□□□□□
・食  草:イネ科ススキ、オオアブラススキ、
      カヤツリグサ科
・越冬態:幼虫
・難易度:★★★★★★★☆☆☆
 

求愛。 上が♀。     6月29日 町内