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軽井沢一万葉

 25.道なき道を行けば…

↑雄滝(男滝)=碓氷山系「墓場尻川」にて。
2012(平成24).11.20.
伝聞により、その名は知っていたし、どの方向
にあるか、見当もついていた雄滝と雌滝。長ら
く興味も湧きませんでしたが、地図の片隅に記
載を見つけ、道なき道へ踏み込みました。山歩
きに慣れた人でも、かなり探し回ってやっとた
どり着いた、との情報もあり、覚悟して臨むこと
何回か。はるかに標高の高い浅間山系をテリト
リーとしている者には、碓氷山系など楽勝!と
の甘えが大誤算。一ノ字山の東斜面であり、霧
積山の南斜面であり、子持山の北斜面でもある
「墓場尻川」源流は、複雑な地形の山奥。支流
が多々あり、それぞれ勾配のきつい尾根に挟
まれています。滝のような段差は随所に見られ、
当該の滝がどれを指すのか迷うこと必至。沢の
合流点では確認のため、その都度上下に足を
伸ばして探索。時間の経過と共に陽射しも傾き、
どんなに歩いても体温の低下が早くて心が折
れそう。そもそも沢下りなので、帰りは上り坂。
体力の温存も忘れてはいけません。

↑雌滝(女滝)=碓氷山系「墓場尻川」にて。
2012(平成24).12.14.
上流から流れを追うことで場所は特定できても、
下へは降りられず。両斜面は切り立った断崖。
アイゼンだけでは足元に恐怖。迂回を考えれば
想像以上に険しく、何度となく急斜面の登り降り
をくり返すうち、体力の消耗が著しく進みました。
結局たどり着けずに戻る際の、精神的不安も予
想外に大きかった。下流からの沢上りも垂直の
岩壁に阻まれる箇所があって断念。最後はロー
プを垂らし、滝の先へ回り込んで降りることに…。
攻略までだいぶ時間が掛かりました。くれぐれも
安易な気持ちでは行かないように。万が一気力
体力尽き果て、助けを呼ぼうにも、誰も近くを通
りません。道がないので所在の説明も困難。

↑槌谷(つちや)の滝。 2015(平成27).1.9.
群馬県長野原町滝原地区の熊川には、山林内に隠れた滝が連続
して現れます。その一つ槌谷の滝。注ぎ口が複雑な形をしていて、
流れが異方向からぶつかり、落ち口では豪快にしぶきを上げてい
ました。広い着流面は白波が立ち、岸の浅瀬に入るだけでも水面
が乱高下して押し寄せ、長靴に水が飛び込んで来ます。冬に行く
ならアイゼンも必須。言うまでもなく通路がないからです。

↑無名(むみょう)の滝と仙峨(せんが)滝。 2013(平成25).12.22.
群馬県長野原町の熊川流域には、大小いくつかの滝が見て取れ
ます。地図よって位置や名称に微差があり、確認を取るまで難航。
右奥が仙峨滝で熊川の本流。落差は最大。左は赤宿沢から合流
する無名の滝。観光用の名勝ではなく、案内看板や通路はありま
せん。ここもまたロープを垂らして降りました。本項32.「渓谷の滝を
探る」参照。