オナガアゲハ Papilio macilentus 

 尾状突起がひときわ長く、採集にしても撮
影にしても、尾のちぎれたものをおさえるこ
とがよくあります。飛び方もどこか優しくて、
力強さは感じられません。翅の配色にも派
手さはなく、おとなしい印象を受ける蝶です。
 しかしおとなしいからと言って、撮影しやす
いかと言うと、ゆらゆら動き回って私を寄せ
つけません。食草コクサギの生える林縁の
草はらを旋回。狙い目は薄曇りで気温の低
い午前中。体温が上がらないと不活発で、
低位置の草むらに翅を休めています。
 高校時代の話ですが、ぬかるんだ小川の
中州に吸水中の春型の♂を見つけました。
下校中だったので捕虫網はなく、自転車か
ら降りると石を拾いました。いつもならわき
へ投げて刺激を与え、採り易い場所へと移
るようにしむけるのですが、この時はド真ん
中に当たってしまい、石もろともぬかるみの
中へと埋もれさせてしまったのです。このま
までは可哀想なので、学ランを汚さないよう
気をつかいながら、結局中洲まで渡り、泥の
奥からつまみ上げて持ち帰り、標本にしたこ
とがありました。
 他の黒系アゲハに混ざって吸水する姿も
よく見られますが、それはほとんど♂ばかり。
♀の吸水シーンは本種に限らずごく稀です。
♂の特徴である、後翅表面上湾部の白斑
は、飛翔時でなければ撮影できず、納得の
ショットはなかなか撮れません。

春型 ♂ 裏           6月10日 町内

春型♀ 表 後翅の赤斑が♀の特徴。 6月8日町内  

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春型♂ 止まると白斑が見えず。6月10日 町内

 データ

・分  類:アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科
・初見日:春型5月12日〜(2004年記録)
      夏型7月14日〜(2006年記録)
・終見日:〜春型6月24日(2006年記録)
      〜夏型9月26日(2007年記録)
・化  性:年2化

・開  長:春型■■■■■■■□□□
      夏型■■■■■■■■■□
・食  草:ミカン科コクサギ、カラスザンショウ、カラタチなど
・越冬態:蛹
・難易度:春型★★★☆☆☆☆☆☆☆
      夏型★★☆☆☆☆☆☆☆☆
 
春型 ♀   6月4日 町内
 ♀の吸水シーンは稀。
春型 ♂ 表   6月10日 町内

後翅の白斑が♂の特徴。