ルリタテハ Kaniska canace 

 冴えた瑠璃色が美しい蝶です。子供の頃
からよく採集し、特に思い入れはありません
でした。
 ところがこの蝶が年2化で、夏と秋の季節
型があると知ったのは、写真を始めて10年
も経ってからでした。思えば確かに裏面に
違いがあって、見覚えのある個体差としてし
か認識していなかったのです。この違いを撮
影しようと実践可能な場所を探し、ほどなく
成功するのですが、言葉では一行足らずの
出来事でも、体験するにはそれなりに時間
が掛かるものです。ちなみに翅表の帯は、
夏型より秋型で太く、♂より♀で太くなりま
す。夏♂<夏♀<秋♂<秋♀の順です。
 稀に異常型でしょうか?見方によっては
2列目と思える紋を持つ者も現れます。この
ような個体は体質的に弱いらしく、ナワバリ
争いではいつも負けてしまいます。
 ところで良い写真とは、単にピントがあっ
ていて、綺麗な発色で、全体の構図にも優
れているもの…と、思ってはいませんか?
私は何より、撮影時の目的意識を大切にし
ています。つまり模様の違いを見せたいの
なら、区別点をはっきり写すこと。生息環境
を説明したいのなら、場の状況が背景にあ
ること。生態を撮りたいのなら、彼ら(彼女ら)
の行為を捕えていること。種名の紹介をする
だけのものから、求愛、交尾、産卵、天敵の
脅威など、躍動感に満ちた生命のきらめき
まで、何を撮りたいのか目的意識がはっき
り写っていれば良いと思っています。

秋型 裏    10月7日 町内

夏型 ♀ 表         7月5日 町内

秋型 ♂ 表        8月14日 町内

夏型 裏 右はキバネセセリ。8月2日 町内 

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越冬後 異常型か?  4月15日 町内

 データ

・分  類:タテハチョウ科タテハチョウ亜科
・初見日:越冬後3月18日〜(2009年記録)
      夏型6月10日〜(2004年記録)
      秋型8月11日〜(2005年記録)
・終見日:〜越冬後6月24日(2006年記録)
      〜夏型8月29日(1999年記録)
      〜秋型11月6日(2013年記録)

・化  性:年2化
・開  長:■■■■■■□□□□
・食  草:シオデ科ヤマカシュウ、シオデなど
・越冬態:成虫
・難易度:★★★☆☆☆☆☆☆☆ 

幼虫       8月6日 町内