スジボソヤマキチョウ Gonepteryx aspasia niphonica 

 決して地味な蝶ではありません。むしろ綺
麗な部類に入るでしょう。それなのに前種よ
り思い入れが少ないのは、数が多く、どこで
でも見られるからでしょうか。
 春、昆虫クラブの活動が再開すると、まず
採集するのが本種などの成虫越冬軍団でし
た。スジボソヤマキは7月になると新成虫も
飛び始め、夏眠したのち晩夏に再び活動期
を迎えます。概してヤマキチョウより発生が
早く、経年周期にズレがあります。越冬後の
個体は裏面に黒いシミが現れますが、越冬
前の秋季にもシミが出ることもあります。
 ヤマキチョウ同様、♂の翅表は飛んでいる
所を狙うしかないのですが、♀は交尾を拒
むシーンを狙えば可能です。私は過去に一
度だけ、♂のスジボソヤマキチョウが前翅だ
けを閉じ、後翅を半開きにして吸蜜している
場面を見たことがあります。花穂を下垂した
アザミからです。
 時に大集団で吸水し、刺激すると一斉に
舞い上がります。その様子はまるで黄色い
紙吹雪に包まれたかのよう。数分も待てば
元通りに戻ってきます。
 交尾は羽化期である夏眠前と、越冬後の
春先にも行われ、産卵行動時でも♀が受け
入れたケースを確認しています。クロカンバ
への産卵で、回収したら成虫になりました。
 ミヤマカラスアゲハの項で書いた「カラ吸
場」とは、ヤマキチョウ等が集まる場所でも
あり、別名「ヤマ吸場」と呼んで親しんでい
たことも、今は昔の思い出です。

越冬後にも交尾。  4月16日 町内

交尾。夏眠前に? 7月31日 町内

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産卵。♀は白く、越冬後は
黒いシミが。4月12日町内

♂の翅表は黄色い。 7月22日 町内 

吸水する集団。(全て♂、その数100匹以上!)        7月31日 町内 

 データ

・分  類:シロチョウ科モンキチョウ亜科
・初見日:越冬後2月15日〜(2006年記録)
      新成虫7月3日〜(2011年記録)
・終見日:〜越冬後6月8日(2001年記録)
      〜新成虫12月10日(2008年記録)

・化  性:年1化
・開  長:■■■■■■□□□□
・食  草:クロウメモドキ科クロウメモドキなど
・越冬態:成虫
・難易度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
先端は鋭くとがる。
後翅の地色は
前翅より淡い。