スミナガシ Dichorragia nesimachus 

 特徴的な名前と模様を持つこの蝶は、小学
生の頃から稀に見掛ける程度で、採集できた
年より、できなかった年の方が多かったと記
憶しています。撮影を始めても、当然スムー
ズには進みません。かつての採集場所でも、
憶えているのはたった1ヶ所。
 「もう時代の流れで恐らくいないだろう。」
 半ばヤケで約15年ぶりにそこへ行くと…、
 「いるじゃん!」
 色あせた個体でしたが、慎重に近付き何コ
マか撮影。しかし、その後も数年に一度はチ
ャンスが巡ってくるものの、やはり写真は思う
ように増えませんでした。
 ある時決定的な場面に出会い、じわじわと
距離を縮めていると、事情を知らない観光客
が2人、現場を通過。蝶を飛び立たせてしまっ
たことに気付くと、1人は申し訳なさそうに、
 「蝶を撮ってたんだ…。」
 そしてもう1人も、慰めのつもりでしょうか、
 「また戻ってくるさ…。」
 こんな時、一度逃げたスミナガシは戻ってこ
ないことなど、すぐに想像できました。腹立た
しくも思いましたが、ここで相手を攻めてはい
けません!
 答えは意外な所で見つかりました。食草を
同じくするアオバセセリ。相当手こずりながら
アオバ…の多産地は発見済み。こちらも撮影
のため、通いつめる日々が続いていました。
ところがいつ行っても慌しく飛び回るだけで、
全く撮れません。ただ呆然と目で追うだけ。
 「それなら時間帯を変えてみよう。」
 思い切って夕方足を運んでみて大正解!
アオバ…目的なのに、スミナ…まで4、5匹乱
舞しているのです。時折り数匹が近くの葉に
止まるので、冷静に存分撮影できました。
 スミナガシは口だけ紅いのも目を引くポイ
ント。それは標本にすると黒くなります…。 

裏  ナワバリを見張る。    8月22日 町内

第2化。撮影には時間帯が重要。8月22日 町内 

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第1化。小柄で色が淡い。   6月8日 町内

 データ

・分  類:タテハチョウ科タテハチョウ亜科
・初見日:5月13日〜(2016年記録)
・終見日:〜9月26日(2014年記録)
・化  性:年2化

・開  長:■■■■■■■□□□
・食  草:アワブキ科アワブキ、ミヤマハハソなど
・越冬態:蛹
・難易度:★★★★★★★★☆☆