テングチョウ Libythea celtis 

 日本に生息しているテングチョウ亜科はこの
一種のみで、軽井沢でも各所に見られます。
世界的にも10種程度の仲間しかいないので
すが、系統上は古くからの存在で、生きた化
石とも呼ばれています。他の蝶と比べて口ひ
げが目立って長く、テングの鼻のようだという
ことでこの名があります。
 雪溶けの季節も過ぎ、暖かな春風が枯れ葉
を巻き上げるたびに、蝶ではないかと反射的
に視線を向けてしまうのは、愛好家の本能で
しょうか?
 「そろそろ成虫越冬した個体が現れる頃な
のになぁ。」
 そんなことを思いながら、一歩踏み出した足
がピタリと止まります。
 「違う!あの1枚だけ、明らかに意思を持って
舞っている。」
 それがテングチョウ。
 軽井沢でも気温が高ければ3月中旬には確
認でき、5月下旬頃には新しい世代が発生しま
す。6月にはボロボロに傷ついた先代と混飛す
る姿も見られ、徐々に入れ替わっていくのです。
その後秋まで活動しますが、撮影の狙い目は
6月〜7月頃でしょうか。
 ただし近年の気温の上昇に伴ってか、2月に
この蝶を確認することもあります。従来軽井沢
の2月と言えば真冬日が続く、厳しい環境にあ
ります。そんな中でも極端に気温の高い日が
何日か続くと、テングチョウのみならず、成虫
で越冬する昆虫が何匹か飛び出すようです。
他にヒオドシチョウやキタテハ、クジャクチョウ、
スジボソヤマキチョウやホソミオツネントンボ
なども、2月に確認しています。

♂ 裏 黒条は不明瞭で、ぼんやり。7月29日町内

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表  くちヒゲが他の蝶より長い。   7月8日 町内

♀ 裏 越冬後。           3月15日 町内

 データ

・分  類:タテハチョウ科テングチョウ亜科
・初見日:越冬後2月14日〜(2009年記録)
      新成虫5月23日〜(1998年記録)
・終見日:〜越冬後6月13日(1997年記録)
      〜新成虫11月21日(2003年記録)
 

・化  性:年1〜2化 
・開  長:■■■□□□□□□□
・食  草:ニレ科エノキなど
・越冬態:成虫
・難易度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

細くも明瞭な黒条。他の部分はのっぺり。

求愛、♂の背後で♀は閉翅。4月27日町内