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 このように現在の軽井沢では、蝶だけを見ても危機的なものが20種類以上もあります。これは町内産
全種のうち4分の1にあたります。100種類もの蝶が生息しているという数値だけを見ると、いかにも自然
が豊かだと言いたくなりますが、常に環境破壊への不安と隣り合わせなのです。
 昆虫は翅を持って飛べる生き物ゆえ、木を切って山を削ろうと、草地を奪って家を建てようと、そこから
飛んで移動して、どこか人間の手が届かない所でまた生活を続けるだろうと思ってはいませんか?これ
は大変な誤解です。ほとんどの昆虫には決まった生息環境があり、何らかの条件に依存しなければ生き
られないのです。自然界の何たるかは大部分が目に見えません。その生き物の姿を見るだけでなく、目
に見えない仕組みを知らなければ、自然はわからないと思います。
 開発により得られる収入は一時的なものであり、失われた自然は永久に戻らない。これでは軽井沢の
魅力はガタ落ちです。再生産可能な範囲で上手に自然を活かすことが求められています。
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以下は過去に軽井沢での確実な記録があり、現在では確認できなくなってしまった蝶の一覧です。

24.ギンイチモンジセセリ (セセリチョウ科セセリチョウ亜科)
 イネ科のススキ、オオアブラススキ等が幼虫の食草。従ってまず減少の心配はないだろうと思っていた
蝶です。ところが環境省、長野県ともに準絶滅危惧に。そんなはずはないと思いつつ、やはり町内でもか
つてのような大群では見られなくなってきました。まだ見られるから安心と思っていても、こういった蝶は
ひとたび減少軌道に乗ると、たちまち消えてしまうのが通例です。

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翅表は黒一色。           '00.6.11.

ススキの原をチラチラと舞う。          '02.6.4.

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あとがき…。

1.絶滅したと思われる蝶。
 オオルリシジミ、ツマグロキチョウ、ヒョウモンモドキ、オオウラギンヒョウモン、チャマダラセセリ。
2.多分絶滅しただろうと思われるが、ごくわずかながら再発見の可能性がある蝶。
 ゴマシジミ、ハヤシミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、クロヒカゲモドキ。
3.生息していても不思議ではないが、なぜか見られなくなっている蝶。
 ウラナミアカシジミ。
4.写真は撮影してあるが、今後撮り直しが不可能と思われる蝶。(上記した蝶には写真がありません。)
 ヒメヒカゲ、ヒメシロチョウ。

※本項に掲載した写真は全て町内で撮影したものです。(レッドリストは環境省2012年、長野県2015年)