トラフシジミ Rapala arata 

 この蝶には春と夏の季節型があって、色合
いの違いが顕著なため、サカハチチョウと並
んで紹介される代表種です。町内でも各地で
見られるのですが、年ごとに多かったり少な
かったり、また存在自体が確認できたりでき
なかったりで、バラつきのある蝶です。
 概して夏型の方が多く、産卵シーンもよく
見掛けました。これだけ卵が産み付けられれ
ば、さぞかし来年は春型が多く見られるだろ
うと、期待すれば姿を現してはくれず、疑問に
思うことがありました。あらためて産卵シーン
を見直すと、腹端から粘液を出すだけで、卵
は産んでいない様子。何回観察しても同じ。
一体いつ産んでいるのでしょう?
 静止する時は基本的に翅を閉じることが多
いので、翅表の撮影にも大変悩まされます。
10年以上追ってようやく開翅シーンがそろっ
た頃、あるシチュエーションに限り、容易に翅
を広げることがわかりました。それは春型、5
月半ばの活動期のピーク。日当りの良いニシ
キギの植え込みで、まるでゼフィルスのごとく
乱舞する♂の集団。夕方3時過ぎともなると、
西日を浴びながら新緑の枝先で開翅。濃紺
の翼を見せつけます。こうなるとむしろピタリ
と翅を閉じたシーンの方が難しいのです。
 夏型の活動期間はミドリシジミ類と重なる
ため、チラッと見た瞬間、
 「何ミドリシジミだろう?」
と、目を凝らすこともありますが、トラフシジミ
とわかると苦笑することがあります。だからと
言って無視してはいけない、大事な自然の一
員です。

春型 表          5月19日 町内

春型 白と灰色の虎斑模様。  5月20日 町内

夏型 表          7月22日 町内 

夏型 褐色の虎斑模様。   7月30日 町内 

夏型 産卵?      7月17日 町内

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 データ

・分  類:シジミチョウ科ミドリシジミ亜科
・初見日:春型4月3日〜(2002年記録)
      夏型7月1日〜(1997年記録)
・終見日:〜春型6月17日(2006年記録)
      〜夏型9月16日(2003年記録)
・化  性:年2化

・開  長:春型■■□□□□□□□□
      夏型■■□□□□□□□□
・食  草:マメ科フジ、クサフジ、ニセアカシア、ミズキ科ミズキ、
      ツツジ科ナツハゼ、ユキノシタ科ウツギ
・越冬態:蛹
・難易度:春型★★★☆☆☆☆☆☆☆
      夏型★★★☆☆☆☆☆☆☆