ウラゴマダラシジミ Artopoetes pryeri 

 ゼフィルスと呼ばれる一群の蝶では、最も
発生が早く、6月下旬には飛び始めます。夕
方になると林縁の樹冠部に沿って活発に飛
び、♂同士はナワバリを警戒飛翔します。し
かしそれ以外の時間帯は比較的低い所でも
見られ、意外と楽に撮影できます。
 羽化の場面にも立ち会ったことがあります。
蛹は何月何日、何時何分に割れるのか、予
めわからないことなので、中身が透けて見え
たら、数日間はカメラを構えて待ち続けるし
かありません。食事やトイレのためにその場
を離れる時は、気掛かりで落ち付けません。
羽化自体は10数秒の出来事ですが、仕上
がった写真を見てガックリ。ストロボの同調
速度を誤り、全て真っ暗だったのです。
 幸い翌年も同じ場所で5コの蛹を見つけた
のですが、羽化したのは結局2コ。先にくる
のはこれだろうと狙っていたら、違う蛹から
始まってしまい、生態写真の難しさを思い知
らされました。それでも一度は撮りたい羽化
のシーンです。
 幼虫の食草はイボタ。この植物は昆虫の
出す酸に反応し、葉に含まれる栄養素(タン
パク質)を破壊するそうです。タンパク質の
ない食草をどんなに食べても衰弱するだけ
なのですが、本種はなぜか成長するのです。
 (次のページは羽化の連続写真です。)

幼虫。 5月18日 町内
イボタからでも栄養を
摂って成長してしまう。

♂ 表          7月22日 町内

♂ 裏 ♂は翅形がとがる。 7月4日 町内

♀ 表           7月9日 町内  

羽化待ちの図。蛹は白い札の所。この体
勢で数日間構え続ける。仕事の都合で現
場を離れる時は、気が気ではありません。
(写真は私本人です。今よりちょっとだけ
若かった頃…)       6月26日 町内

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産卵         8月3日 町内

♀は白い部分が大きい。

 データ

・分  類:シジミチョウ科ミドリシジミ亜科
・初見日:6月23日〜(2013年記録)
・終見日:〜8月19日(2012年記録)
・化  性:年1化

・開  長:■■□□□□□□□□
・食  草:モクセイ科イボタ、ミヤマイボタ
・越冬態:卵
・難易度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆