ウスイロオナガシジミ Antigius butleri 

 そこは子供の頃、何度も採集に出掛けた場
所でした。カメラを携えてからも時々撮影に行
き、すでに調査し尽くした山林の一角なのです
が、通算28年目。初めて実物を見るという、思
いもしない蝶と出会ったのです。それがこのウ
スイロオナガシジミでした。見掛けた瞬間、
 「まさか!町内にいたとは!」
 と、
 「やっぱ、町内にいたんだ…。」
 という、相反する印象が、同時に思い浮かび
ました。もたもたしてて逃げられちゃ大変!早
速何枚か撮影します。あまり活発な飛び方は
せず、楽に撮ることができました。
 「偶然まぎれ込んだんだろう。」
 ふと視線をそらすと、近くの葉の上にもう1匹
同じ蝶。
 「こりゃ偶然じゃねぇ!」
 驚きました。視界の中に2匹のウスイロオナガ
シジミがいるなんて。
 再びこの蝶と会えたのは3年後。町内の別の
山の中。近似種のミズイロオナガシジミほどで
はないまでも、裏面の斑紋に変異があり、特に
後翅基部の紋は一番上が肥大化するようです。
撮影を試みましたが思ったより敏感で、この時
は1枚も撮れませんでした。
 更なる観察の結果、また新たに本種の目撃
頻度の高い箇所が見つかりました。最初の出
会いから5年が経過した頃です。翅表も撮影し
たいのですが、掲載のV字開翅が撮れたのは、
初確認から10年目の夏でした。

次種へ
目次へ
前種へ

表 前種より淡い地色、広い白斑。 7月30日 町内

裏 一般的な個体。          7月27日 町内 

 データ

・分  類:シジミチョウ科ミドリシジミ亜科
・初見日:7月8日〜(2006年記録)
・終見日:〜7月30日(2010年記録)
・化  性:年1化

・開  長:■■□□□□□□□□
・食  草:ブナ科ミズナラ、カシワ、ナラガシワ
・越冬態:卵
・難易度:★★★★★★★★★★
 

裏 後翅基部の紋が発達した個体。 7月9日 町内