ヤマキチョウ Gonepteryx rhamni maxima 

 小中学生時代、間違い探しと称して友達に、
スジボソヤマキチョウと並べて標本を見せ、
得意になって区別点を説明していたことがあ
ります。ほとんどの蝶にはよく似た仲間がい
て、見分け方を覚えると観察も楽しくなるもの
です。
 ヤマキチョウは私の好きな蝶の一つで、♂
はひときわ鮮やかな濃い黄色が美しく、♀も
また一段と明るい濁りのない白がまばゆくて、
次種スジボソヤマキチョウと比べると、凛とし
て存在感があり、気品にあふれ、どこか孤独
で、逢うたびに魅せられてしまいます。
 越冬して活動を再開させたものを見掛ける
のは、5月に入ってからがほとんどですが、ス
ジホソよりも翅脈が太いせいか、翅のいたん
個体が少ないのも特徴です。その年の新し
い個体が発生するのは8月に入ってからで、
ピークは下旬以降9月半ばぐらいでしょう。
 例によって♂は翅を開いた状態での静止は
せず、これも飛んでいる所を狙うのですが、数
が少ないために、チャンスは年に一度あるか
どうか。何年か失敗が続いたある年、飛ぶ瞬
間の♂を2コマ連写し、どちらか写っているだ
ろうと思いつつ、念のためにあと1枚と、ファイ
ンダー越しにはもう見えない距離から腕を伸
ばし、カンで撮った1コマこそが、大成功をおさ
めていたのです。押すべきか否か瞬時の判断
が求められた場面でした。
 ♀は運良く交尾拒否の場面が撮れたので
すが、この時はスジボソヤマキチョウの♂が
誤認求愛していた上に、時期がまだ冬を越す
前でした。

ヤマキチョウ♂(左)とスジボソヤマキチョウ
の♀。翅のとがり方に注目。9月12日 町内

♂ 表            9月28日 町内

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♂ 裏           7月27日 町内 

♀ 裏           7月30日 町内
     黒いヘリ。

♀ 表 翅を開いて腹部を持ち上げ
る交尾拒否のポーズ。9月8日町内

この翅脈が
他より太い。

先端のとがり方が弱い。

後翅の地色は
前翅と同じ。

 データ

・分  類:シロチョウ科モンキチョウ亜科
・初見日:越冬後4月17日〜(2003年記録)
      新成虫7月21日〜(2005年記録)
・終見日:〜越冬後6月3日(2010年記録)
      〜新成虫10月24日(2000年記録)
・化  性:年1化

・開  長:■■■■■■□□□□
・食  草:クロウメモドキ科クロツバラ
・越冬態:成虫
・難易度:★★★★★★★★☆☆
・R D B:環境省/絶滅危惧TB類
      長野県/絶滅危惧TB類