まだ馴染みのない名前です。'06年に種名
の変更があり、旧来のエゾスジグロチョウは
北海道産を指すようになり、本州産は別種と
して、ヤマトスジグロ…という新名が与えられ
ました。分布の先端部や境界では、様々な要
因から変化が起こりやすく、いちいち新種扱
いしていたら、きりがないと思うのですが…。
この♂も独特の匂いのする発香鱗を持ち、
その鱗粉の形を顕微鏡で調べれば、間違い
なく区別できるようです。肉眼で確認できる
区別点は、一般にスジグロチョウよりも小柄
で翅の輪郭が丸みを帯び、飛び方も弱々し
いこと。翅脈端の黒条や前翅中室裏面の黒
色部の発達が悪いため、結果的に白く見え
ること、等が挙げられます。
生息地は前種より更に山地寄りに傾き、し
かもある程度限られた範囲に集中する傾向
があります。これは何年も掛けて通いつめ、
種名を判定することから始まり、現場の個体
群全体の感じをつかんだり、季節ごとの発生
状況を調べたりするうちに、わかってきます。
時として♂は集団になり、湿った地面に群れ
ていることもあります。
産卵形態にも差異があり、前種スジグロは
食草のヘリに脚を掛け、腹部を上に向けるよ
うなポーズで産みますが、本種ヤマト(旧エゾ)
は葉に乗って、そのまま腹部を下に向けて産
むことが観察されます。産卵期には低く地表
を舞い、アブラナ科の根生葉(ロゼット)を好
んで産んでいます。春型だけでなく、夏型も
同様です。あくまで傾向ですけど…。
夏型 交尾 上が♂。 7月5日 町内
中脈上の線が細い。
前翅中室裏面はあまり濁らない。
データ
・分 類:シロチョウ科シロチョウ亜科
・初見日:春型4月5日〜(2002年記録)
夏型6月20日〜(2003年記録)
・終見日:〜春型6月17日(2005年記録)
〜夏型10月15日(2003年記録)
・化 性:年3〜4化
底辺(第1a室)は黒ベタ
にならず、灰色くかすれ
る。






